営業活動を効率化するために、SFAツール(営業支援システム)の導入を検討している担当者も少なくないでしょう。しかし導入コストが高く、まずは無料版から利用したいと考えている人も多いはずです。無料版の導入を検討しているなら、事前に有料版との違いを把握して問題なく利用できるのか確認してみましょう。
本記事では、無料SFAツールの機能や有料との違いについて解説します。おすすめのSFAツールや選び方もご紹介しますので、ツール選びの参考にしてください。
目次
無料SFAツールで利用できる機能
すべての機能を利用できる有料版に対して、無料SFAツールには制限が設けられています。無料SFAツールの一般的な機能をご紹介しますので、無料版で自社の課題を解決できるのか確認してください。
管理機能
無料SFAツールは、以下のような管理機能を搭載しています。
- 顧客管理
- 営業担当者管理
- 案件管理
- 売上管理
これらはSFAツールの一般的な機能であり、ほとんどのツールで利用できるのが特徴です。情報を入力して長期保存できることはもちろん、蓄積したビッグデータを分析できます。ただし、ツールによっては次のような制限が設けられています。
- 管理数に上限が設けられている
- 入力できない情報が設定されている
- 保存容量に上限が設けられている
- 分析内容に一部制限が設けられている
制限されている機能は、利用する無料SFAツールによって異なります。自社の課題と見比べながら、利用するツールを選択しましょう。
タスク・スケジュール共有機能
無料SFAツールは、営業担当者の情報を管理して、タスク・スケジュールを共有できる機能を搭載しています。
例えば、1か月間の作業内容を一覧で管理したり、タスクの進捗状況を表示したりできるなど、ブラックボックス化しがちな営業の活動を可視化できるのが特徴です。また、スケジュール機能を活用すれば、ダブルブッキングを防止できるのもメリットでしょう。
ただし、無料版は登録できる人数やタスク管理数に上限が設けられている場合があります。自社の必要人数と上限数を比較してツールを選びましょう。
資料作成機能
SFAツールは、見積書・請求書などの資料作成機能を搭載しており、無料版でも同様の機能を利用できます。
例えば、見積書や請求書のテンプレートを利用して資料作成を効率化できるのが魅力です。ただし、資料作成機能によっては次のような制限が設けられている場合があります。
- 1か月間に作成できる上限数が決まっている
- テンプレートが設定できない
- 設定項目数に上限がある
無料版でも快適に利用したいなら、1か月間の見積書・請求書の作成数や、見積もりの詳細度などと比較してツールを選んでください。
無料SFAツールで使えないことが多い機能
無料SFAツールの多くでは、次の機能が使えません。
- 一部のAI機能
- 詳細な分析機能
AI機能があれば、必要な情報を素早く抽出したり、蓄積した情報から提案を受けたりできます。また、詳細な分析機能があれば、自社の課題や解決策を具体的に整理できることから、新たな営業活動のヒントを見つけだせるでしょう。したがって、業務効率化だけではなく、営業戦略や企業戦略の一環としてSFAツールを導入したいなら有料版の導入がおすすめです。
フリープランのあるSFAツール3選
無料SFAツールはさまざまなメーカーが提供しています。そのため、どのツールを導入すればいいのか分からない担当者も多いでしょう。そこで、営業担当者のニーズに合う3つのSFAツールをご紹介します。特徴や利用できる機能も含めて解説するので、導入時の参考にしてみてください。
GRID AI
GRID AIは、AI機能を活用した新時代のシステムサービスを提供しているBeeVomb Grid株式会社が提供する無料SFAツールです。AI機能を用いることで、タスクやリスト作成を自動化できます。また、組織アカウント管理によって、ユーザーの情報やスケジュールを簡単に管理し、営業活動を効率化できるのが魅力です。
ただし無料版は3名までしか利用できないため、大人数で利用したい企業は注意してください。
PASELLY
PASELLYは、サイト開発やアプリ開発に特化した株式会社エンターシェアが提供する無料SFAツールです。クラウド利用を基本としており、顧客管理・案件進捗管理・書類作成業務に活用できます。完全無料でありながら、有料SFAツールと同等の機能を搭載しているのがメリットです。Slack・Chatworkとの連携機能も備えており、アクションがあったときにチャンネルに通知できるのも魅力でしょう。
問い合わせフォームの回答から情報を自動生成できるなど、営業担当者の課題を解決する機能が充実しています。
HubSpot Sales Hub
HubSpot Sales Hubは、企業向けのマーケティングソフトウェア開発を行うHubSpot Japan株式会社が提供するSFAツールです。無料アカウントを作成することで、クラウドを通じてSFAツールを利用できます。資料作成機能や共有機能など、マーケティングや営業活動の効率化に役立つツールをまとめて利用できるのがメリットです。
ただし、無料版は全ての機能に上限が設けられているため、事前に確認した上で利用を検討しましょう。
無料SFAと有料SFAの違い
無料で利用できるSFAツールも多数登場していますが、性能の高さを求めているなら有料SFAツールがおすすめです。では、無料と有料のツールにはどのような違いがあるのでしょうか。結論として、無料版と有料版は利便性が異なります。
無料SFAツールは豊富な機能を利用できる代わり、利用上限が設けられています。一方で有料SFAツールは上限なく利用可能です。制限があると必要なタイミングで利用できず、業務に支障をきたす可能性がある点を押さえておきましょう。
SFAツールの選び方
ツール選びに必要なポイントは3つあります。自社が抱える課題を解決するSFAツールを見つけるときの参考にしてください。
自社の目的を網羅しているか確認する
SFAツールを導入するなら、自社が抱える課題を洗い出しましょう。SFAツールの導入は課題解決が目的のため、必要な機能を備えた製品を選ぶ必要があります。機能をチェックせずに導入すると、課題を解決できないほか、利用頻度が極端に少なくSFAツールが定着せずに終わってしまいます。
選定したツールの違いを表にまとめる
気になるツールが複数見つかったら、それぞれの機能やサポート内容を表で整理しましょう。一見すると似たようなツールであっても、表で視覚的に比較検討すれば、より実用的なSFAツールを選定できます。
また、料金を比較すれば、費用対効果を生み出しやすいツールを選べるでしょう。選ぶツールによって貢献度が大きく変化するため、少なくとも3項目は比較検討してください。
長期的な運用と利益から無料・有料を比較する
無料SFAツールを導入しようと考えているなら、あわせて有料SFAツールと比較してみましょう。有料SFAツールの中には、高性能でありながらリーズナブルな製品も豊富にあります。
長期的に運用した場合、有料ツールのほうが大きな利益を生み出せる可能性もあります。短期的な視点で選ぶのではなく、有料ツールも候補に入れて自社に最適な製品を選定しましょう。
無料SFAでもOK!ただし有料SFAの体験版にも触れてから導入を検討しよう
無料SFAツールの中にも、有料版同等の機能が揃ったツールがあります。しかし、無料SFAツールの多くは一部制限がかけられており、業務効率化を阻害してしまうでしょう。
一方、有料SFAツールの中には、長期的に無料版よりも大きな利益を生み出せる製品があります。SFAツールの導入を検討しているなら、一度有料SFAツールの体験版にも触れてみてはいかがでしょうか。