テレワークを導入した結果、勤怠管理が複雑になったと困っている人も多いでしょう。勤務状況が分からないテレワーク下で、従業員を管理するのは容易ではありません。
そこで本記事では、テレワークで適切な勤怠管理を実施するポイントをご紹介します。勤怠管理システムの選び方、管理項目も解説しますので、労務管理ご担当者などは参考にしてください。
目次
テレワークにおける勤怠管理のポイント3つ
テレワークを導入すると、出社する従業員と自宅で作業する従業員がいるため、勤怠管理が複雑化します。ただし、勤怠管理の根本的な考え方は変わりません。
まずは、作業内容が不明確になりがちなテレワーク中の従業員に焦点を当てて、勤怠管理の担当者が意識すべきポイントを3つご紹介します。従業員の見えない動きをどのように「見える化」するのか、ぜひ参考にしてください。
1.労基法を意識して労働時間を管理する
厚生労働省が公開する「労働時間・休日に関する主な制度」の内容を簡単に整理すると、次のとおりです。
- 1日8時間、1週間40時間を超えて労働してはならない
- 労働時間が6時間を超える場合は45分、動労時間が8時間を超える場合は1時間の休憩を与える
- 少なくとも毎週1日の休日、4週間を通じて4日以上の休日を与える
労基法における労働時間に関する定めは、テレワークにおいても同様です。テレワークだからといって長時間労働や短時間労働ができるわけではないため、勤怠管理の考え方を変更する必要はありません。
2.ビデオ通話で従業員の生の声を聞く
テレワークを含む行動がチェックできない従業員を管理するために、ビデオ通話を活用してみてはいかがでしょうか。テレワークを導入すると、見えないことから発生するサボりが慢性化しやすくなります。これらの問題が起きるとテレワークを継続できなくなるほか、企業利益を損ねたり従業員間のトラブルに発展したりするので注意が必要です。
ZoomやTeamsなどのビデオ通話サービスを利用して、従業員の声を定期的に聞けば、テレワーク中の状況を把握できます。コミュニケーションこそテレワークを安定して継続させるポイントのため、従業員ごとに作業状況などを確認してみましょう。
3.申請漏れをチェックする
毎日の作業状況を申請する社内システムを作っているなら、申請漏れをチェックしましょう。申請漏れがあると明確な作業時間が分からず、労働時間を満たしているのか判断できません。またテレワークは周りの目がなく、労働時間の申請を忘れやすい環境です。
継続して申請しなくなる従業員もいるため、定期的に申請状況をチェックしましょう。申請漏れがある従業員には、必ずメール・チャット・電話などで連絡してください。
テレワーク中の勤怠管理をサポートする管理システム3選
Excelといった簡単な管理ツールで、テレワーク中の勤怠管理を実施している企業も多いでしょう。しかし従業員の任意入力になるため、間違いや虚偽申請が発生する原因となります。また、管理する担当者の負担が大きいのも課題でしょう。
そこで活躍するのが、自動管理や作業状況チェックに役立つ「勤怠管理システム」です。
1.Dr.オフィスLookJOB2

Dr.オフィスLookJOB2は、オフィス、IT、ヒューマンといった企業環境のソリューションサービスを展開する株式会社庚伸の勤怠管理システムです。
従業員の勤怠に関わるあらゆるものを「見える化」できるので、労務人事部門の「働き方革命」を実現できます。GPS機能を搭載しており、テレワークといった離れた環境で働く従業員も管理できます。スマホひとつで、労働時間や有給を申請できる利便性も魅力です。集めた情報をビッグデータとして分析することで、テレワークの課題抽出や対策も実施できます。
・Dr.オフィスLookJOB2の参考価格
9,800 円 / 月額利用料
・Dr.オフィスLookJOB2の参考レビュー
元々タイムカードで勤怠管理を行っていたのですが、システム導入は主に費用がネックとなり見送っておりました。当社では短期契約のパートやアルバイトさんの増減が激しく、それらの処理に手間がかかってしまう、というのもその理由でした。こちらの製品は費用もリーズナブルで、ほったらかしにできるというのが決め手となりました。後、導入してから感じたのですが、サポートへの直通ダイヤルや、操作方法が分からないときにサポートの方が遠隔操作でやり方を教えてくれるサービスが無料でついてくるなど、非常にサポートが手厚いです。
Dr.オフィスLookJOB2へのレビュー「人数無制限なので、正社員もパートも一緒くたに使っています。」より
2.タブレット タイムレコーダー

タブレット タイムレコーダーは、企業ニーズに合わせた勤怠管理システムを開発する株式会社オネックスの勤怠管理システムです。
iPadを利用して、テレワーク時の出勤・退勤時刻を記録できるほか、毎日の顔写真機能を利用することによって作業環境を瞬時にチェックできます。また、入力した情報は自動集計されグラフとして管理できることから、勤怠管理の担当者の負担を大幅に削減できるのが魅力です。
・タブレット タイムレコーダーの参考価格
11,800円 / 10人分
・タブレット タイムレコーダーの参考レビュー
サテライトオフィスで作業する際のタイムレコーダーとしてテスト導入しました。
タブレットタイムレコーダーへのレビュー「iPadをタイムレコーダーに」より
使い方は画面にタッチするだけで簡単。UIが今っぽくおしゃれな印象です。
ビデオメッセージも送れ、ちょっとしたコミュニケーションをとることもできます。
月々の利用者数で利用料金が決まり、3人までなら無料なのでまずは試せるのも良いです。
3.バイバイ タイムカード
バイバイ タイムカードは、タブレット タイムレコーダーと同じく株式会社オネックスが提供する勤怠管理システムです。
スマホ・PC・タブレットなど多種多様な打刻方法を利用でき、企業の勤怠管理方法に合わせた柔軟なカスタマイズを実施できます。打刻漏れやデータ入力のミスを発見できる分析機能を搭載していることも含めて、勤怠管理を行う担当者の負担を削減する機能が充実しています。
・バイバイ タイムカードの参考価格
要問い合わせ
・バイバイ タイムカードの参考レビュー
自社の就業規則や給与制度に合わせて柔軟にカスタマイズできる点が良い。事業所毎や社員毎に休日が設定できたり、勤務時間の設定もシフトコードを使えば簡単にできる。給与計算ソフトに合わせたフォーマットで勤怠データを出力もでき、また手当も計算された状態のため、余計な編集も必要なく、そのままデータを取り組むことができる。法改正や就業規則の変更に合わせて、バイバイタイムカードをカスタマイズでき、常に便利な状態であるため、導入以来10年近く利用させていただいている。
バイバイ タイムカードへのレビュー「自社の給与制度に合わせて機能をカスタマイズ」より
勤怠管理システムの導入時にチェックしたい機能
勤怠管理システムといっても、利用するシステムによって特徴や機能が異なります。自社に合わないシステムを導入すると、かえって負担が増す結果になりかねません。そこで、自社のニーズに合った勤怠管理システムを選ぶポイントをご紹介します。テレワークでの課題を解決するために、ぜひ参考にしてください。
勤務時間を正確に記録できるか
テレワークといった従業員の動きが見えない環境では、勤務時間を正確に記録することが大切です。勤怠管理は、労基法を遵守したり給与を計算したりするために実施するので、勤怠状況を詳細に入力できるシステムを選びましょう。
また労務担当者の負担を軽減するためには、入力した情報が自動集計されるのかチェックすることも大切です。勤怠システムを選ぶ際は、入力機能と集計機能も意識しましょう。
作業状況(場所・時間)をデータ化できるか
なかには、虚偽申請する従業員がいる可能性もあります。その課題を回避するために、作業状況の証拠を残せシステムを選びましょう。
例えば、PCの起動時間をチェックできるシステムや、GPSで申請場所をチェックできるシステムがあれば、正しい入力がなされているのが判断できます。また、これらをデータ化して管理することによって、いつもと違う動きをしているのかチェックできるので、申請内容の根拠データとして活用できるでしょう。
連携機能を搭載しているか
勤怠管理は従業員の管理を行うだけではなく、給与計算といった作業にも利用します。例えば、給与計算システムと連携できれば、勤怠管理担当者だけでなく労務担当者などの負担を削減できるでしょう。
勤怠管理システムで管理すべき項目
テレワークの導入に伴って何を管理すべきなのか悩んでいる方は、以下に示す項目を管理しましょう。
- 始業・就業時刻
- 労働時間
- 休憩時間
- 時間外労働時間
- 深夜労働時間
- 休日労働時間
- 出勤日
- 欠勤日
- 休日出勤日
- 有給取得日数・残日数
上記の項目は、すべて勤怠管理に必要不可欠な要素です。各項目は給与計算にも影響してくるので、条件に合うシステムを探しましょう。
テレワークを導入するなら環境に合わせた勤怠管理システムを準備しよう
従来の出社勤務では、タイムカードといったシンプルなシステムで勤務状況を把握できました。一方でテレワークを導入すると、従業員の動きが見えなくなるため、今までの管理手法では対応できなくなってしまいます。
そこで、テレワークでも適切な勤怠管理を実施したいのであれば「勤怠管理システム」を導入してみてください。写真機能やGPS機能により勤務状況を「見える化」できるため、根拠がある勤怠管理を実現できます。