勤怠管理システムとは

勤怠管理システムとは、従業員の就業日数残業時間などの勤務状況を把握・管理するシステムのことをいう。
企業は勤怠管理を行うことで、従業員に過度の負担がかかっていないか、労働基準法に違反していないかなどを確認することが可能。

勤怠管理の方法は、従来、タイムカードやエクセルのスプレッドシートで行うことが多かったが、近年は働き方改革の影響もあり、正確で客観的な勤怠管理が求められていること、また、直行直帰テレワークなど、ワークスタイルの多様化により、タイムカードによる労務管理が難しくなってきていることから、企業規模に関係なく勤怠管理システムの導入が進んでいる。

特に最近は、導入が簡単でソフトウェアのインストールが不要なクラウド型の勤怠管理システムを導入する企業が増えている。

代表的なツールとして、ITreviewの中でもユーザー満足度の高いKING OF TIMEジョブカン勤怠管理TeamSpiritなどが挙げられる。その他の人気ツールは、ユーザーからの評価を四象限にマッピングした ITreview Gridで確認いただきたい。

勤怠管理システムの定義
・従業員の勤務時間データを管理できる
・勤務時間、残業時間(時間外勤務)、有給休暇、欠勤、休日などの情報を一元管理できる
・出勤状況や休暇の申請、承認がシステム上で完結できる
・従業員の勤務状況を集計析できる

タイムカードと勤怠管理システムの違い

近年、クラウドの普及に伴い、容易・安価に導入できるクラウド型勤怠管理システムが普及している。下記に従来型のタイムカード管理とクラウド型の勤怠管理システムをとの利便性を比較した。

タイムカード 勤怠管理システム
タイムカード集計 各拠点からタイムカードを集めた上で、エクセル等での手動集計が必要 労働時間や年次有給休暇の自動集計が可能⇒業務効率化と計算ミスが削減できる
リアルタイム性 タイムカードがある場所に行かないと打刻できない スマホ等の利用により、どこからでもリアルタイムに打刻可能
不正打刻 不正打刻を防ぐことが困難 指紋認証等で本人しか打刻できない
給与ソフトへの連動 給与ソフトへ手入力 CSVデータでのインポートが可能
タイムカードの保管・検索 タイムカードの保管場所が必要 タイムカードの電子化により検索が簡単
備品購入代 タイムカードおよびインクリボン代が必要 備品購入の必要がない
事務作業 カード集計や保管等の事務作業 集計や保管等の事務作業の必要ない
カード収集 運送によるカード収集 カード収集に掛かる運送費が不要

勤怠管理システムの導入フロー

勤怠管理システムの選定・導入にあたっては、大きく以下の流れとなる。システムの正式導入にあたっては、無料トライアル等を有効に活用すると良い。
勤怠管理システムの導入フロー ①現状の把握 システム設定に必要な勤務形態、社内ルールの確認および課題の提出 ②システム要件定義 対応機能の選定と運用の明確化 ③システム導入 打刻機の設定、データの登録作業、人事規定の変更、社内告知等 ④運用・改修 サポート体制、プランの見直し

勤怠管理システムの導入効果・メリット

勤怠管理システムにはさまざまな導入効果があるが、いちばん大きなメリットは、『タイムカードはあくまで打刻時刻を記録するためだけの機械であり、集計作業や数値入力などの作業が必要となるのに対し、勤怠管理システムは、集計作業や数値入力作業を自動化して業務効率を上げるだけでなく、人的ミスを軽減させることができる』点にある。
その結果、従業員の勤怠状況を細かく把握することができるだけでなく、残業時間の可視化や不正防止にも寄与するため、働き方改革にも大きく役立つことができる。導入メリットをまとめると次のとおりとなる。

勤怠管理システムの導入メリット

導入効果 解説
①出退勤時間の正確な把握が可能に ・勤怠管理システムは、法に定める「客観的な記録」に当たるため、「正しい労働時間の把握」に適した管理方法と言える。
・打刻方法もパソコン、スマートフォンなどを活用できるため、正確な始業終業時間の打刻ができる。
・打刻デバイスには個人名を特定できる社員証ICカードや社用携帯などが使えるため、不正が起こりにくい。
②業務効率化と計算ミスが削減できる ・エクセルやタイムカードで管理していた場合に比べ、集計やチェック作業が自動化できるため、勤怠管理業務にかかる時間を大幅に削減できる。
・勤怠管理システム導入により、申請手続きの迅速化が図れる上、その結果は自動的に勤怠データに集約されるので、業務担当者の業務負担の軽減が期待できる。
・さらに、給与計算ソフトとデータを連携すれば給与計算作業の効率化も図れる。
・上記の結果、これまでの勤怠管理に必要とされていた労力が大幅に削減できるため、担当者は本来尽力したい業務に専念することができる。
③従業員の労働環境を管理できる ・勤怠管理システムに備わっているアラート機能を活用すれば、長時間労働が続いている従業員を発見、アラートを上げるなどして、適切な労働時間管理が可能になる。
・労働環境の改善は、残業時間の削減や年次有給休暇取得率の向上にもつながり、業務効率化やワークライフバランスの実現、従業員のモチベーション向上にも期待できる。
④法改正へスムーズに対応できる ・多くのクラウド型勤怠管理システムは、さまざまな労働関係諸法令の法改正に対応できるよう自動で更新されるようになっているので、法改正に自動でアップデートできるものを選べば、手作業で仕様変更をする必要はなく、業務に影響を与えることなく管理することができる。
(オンプレミス型の場合は自社内でサーバーを保有するため、法改正対応やシステム部門の人件費などの運用コストが発生する。)

勤怠管理システムの機能

勤怠管理システムを選ぶとき、最も大切なのは、自社に必要な機能がきちんと備わったサービスを選ぶことであり、システム導入後に機能の不足に気づくことがないよう、あらかじめ仕様をよく確認しておくことが望まれます。勤怠管理システムの代表的な機能には、以下のものがある。

勤怠管理システムの機能

タイムレコーダー(打刻)機能

機能 解説
PC打刻 出退勤時にPCにログインすることで打刻、あるいはPCから勤怠管理システムにアクセスし打刻を行う
モバイル打刻 モバイルデバイスから勤怠管理システムにアクセス、あるいはアプリを立ち上げ打刻を行う
ICカード打刻 ICカードリーダーや非接触方式のNFC規格を用い、出退勤の打刻をICカードで行う(NFC規格が対応していれば、交通系ICカードを活用できる)
生体認証/顔認証 静脈や指紋などの生体情報による認証、顔認証などにより打刻を行う(なりすましによる不正打刻の防止に効果的)
パスワード打刻 共有PCや専用機器に、従業員個別のパスワードを入力することで打刻を行う(個人のPCがなくても打刻できる)
GPS打刻 モバイル端末で打刻した際、時間と同時に位置情報を記録する。直行直帰や出張、現場作業などさまざまな労働スタイルに対応が可能
QRコード打刻 スマートフォンのアプリでQRコードを読み取り打刻する
タイムカード打刻 従来の紙ベースによる打刻方法はそのままに、打刻時間をタイムレコーダー側で電子化、記録し、集計ソフトなどにデータを取り込む


申請・承認などのワークフロー機能

機能 解説
ワークフロー機能 出勤簿の承認、残業や休暇などの申請から承認までの流れをシステム上で完結できる。システム上での就労状況確認や未承認残業時の打刻エラーといった機能により、従業員のタイムマネジメント意識向上にも役立つ
モバイルデバイス申請 モバイルデバイスから残業や休暇申請、承認確認などを行う。外出先からでも申請を行える


自動集計・管理

機能 解説
リアルタイム自動集計 打刻データに基づいて、勤怠時間数をリアルタイムに自動計算する。総労働時間に加え、単純残業や深夜勤務、休日出勤といった定時労働以外のさまざまな残業時間を従業員ごとに集計し、詳細データとして表示する
休暇管理 日数をカウントして管理することが必要な休暇タイプ(有給/代替/夏季/特別/慶弔など)に合わせて従業員ごとに一元管理する
アラート(警告) 残業時間が規定の枠を超えたらアラート表示させるなど、所定の労働や残業の基準時間を事前に設定して警告する
データ出力 打刻データから自動集計された労働時間を、Excel/CSV/PDFなどの形式で出力する。CSV形式は自由なフォーマットでダウンロードできるので、給与計算ソフトに合わせて出力し、そのまま他の経理システムにインポートできる
給与計算システム連携 給与計算システムと連携し、勤怠データを給与計算システムへ自動的にインポートする(入力漏れなどによる給与未払いといったリスク回避に役立つ)


シフト・勤務管理機能

機能 解説
スケジュール設定・登録 早番や遅番などの個別スケジュールのパターンを作成し、従業員ごとに割り当てることで就業スケジュールの登録や管理を行う
シフト作成・管理 必要人数や従業員の勤務パターンなどから適切な人員配置を割り出し、条件に合ったシフト表を自動作成する。
予実管理 作成したスケジュール(シフト)に対して、予定と勤務実績の差異をリアルタイムに確認できる
工数管理機能 プロジェクトなどを達成するまでに必要なタスク、時間や人件費を計算し、工数の自動算出を行う(作業量や進捗状況を可視化する)

勤怠管理システムの選定ポイント・重要視すべき点

勤怠管理システムを選ぶ際、機能や価格、操作方法など様々な判断材料がある場合、何に気を付けて選べば良いのか? 以下、システム選定時のポイントをまとめる。

選定ポイント 着目の視点
①自社の業種・勤務形態に合うか ・シフト制や変形労働時間等、自社の勤務形態に対応できるか
・直行・直帰等、社内のルールに則り、使い易いものであるか。
②打刻のシステムやツールは適正か ・どんな打刻ツール(ICカード、生体認証、PC・スマホでの打刻など)が自社に適しているのか。
・従業員が簡単に確実に打刻できるシステムかどうか。
③自社開発型か、クラウド型か ・自社開発型は、システムのカスタマイズ性が高く、システムを最適なものにしやすい反面、導入費用は高額で5年以上使わないと、クラウド型よりも高くつくと言われている。また、社内にシステムに詳しい要員がいることが望まれる。
・一方、クラウド型はランニングコストがかかるものの、導入や運用にかかる時間や手間が少なく、比較的手軽にできる。
④サポートの経費や範囲 ・自社開発システムの場合、開発元の企業と保守契約をしなければならず、別途、経費が発生する。
・クラウド型の場合には、サポートは月々の利用料に含まれているのが一般的。
・サポートの範囲について、トラブルへの対応や操作方法に関するサポートのみでいいのか、それとも社労士事務所との提携により会社就業規則に合わせた設定方法などまでサポートしてもらいたいのか、かかる費用と併せて検討する必要がある。
⑤その他 ・トライアルの有無
・他のシステム(入退出管理システム、給与計算システム等)との連携が可能か。

勤怠管理システムの一覧紹介

代表的な勤怠管理システムとして、以下のような製品が挙げられる。ここでは、勤怠管理に伴う集計業務の負担を削減、効率化したい人事・労務担当者に向けて広くおすすめできる多機能な定番のクラウド勤怠管理システムを紹介する。
下記勤怠管理システムは、すべてがモバイル対応であり、また、Web打刻、交通系ICカード打刻、指紋・指静脈打刻機能も、ほぼすべてのシステムで備えている。そのため、自社選定にあたっては、前項の「勤怠管理システムの選定ポイント・重要視すべき点」を踏まえた上、従業員規模や自社で必要とする機能・給与ソフトとの連携機能等で絞り込んで、最終的には従業員がより直感的に使えるか等、使い易さを考慮して決めるのが一般的である。

●KING OF TIME
●ジョブカン勤怠管理
●TeamSpirit
●jinjer勤怠
●マネーフォワード クラウド勤怠

勤怠管理システムの比較

KING OF TIME ジョブカン勤怠管理 TeamSpirit jinjer勤怠 マネーフォワード クラウド勤怠
会社名 株式会社ヒューマンテクノロジーズ 株式会社Donuts 株式会社チームスピリット 株式会社ネオキャリア 株式会社マネーフォワード
推奨人数規模 1人~20,000人 1人~10,000人 1人~50人 1人~10,000人 1人~2,500人
モバイル対応
Web打刻機能
交通系ICカード打刻機能
指紋・指静脈打刻機能 × ×
初期費用 0円 0円 150,000円 0円 0円
月額利用料
(円/1ユーザー)
300円 200円 30,000円(1社) 300円 3,980円~(31名未満)
無料トライアル

※ 2020年6月5日現在の各社ホームページの情報を基に作成

製品の比較や個別の情報は、下記からご覧ください。
製品一覧

運用時や改修時のポイント

運用を始めてから設定方法や使い方に疑問点が出てくることがあり、また、どんなに利便性の高い勤怠管理システムであっても、故障や不具合などで止まってしまうことも起こりえる。
そんな時のために、操作マニュアルだけでなく、迅速に対応するサポート体制が整っているかどうかをチェックしておくことはとても重要であり、システム選定の際には、困ったときにすぐ連絡でき対応してもらえるようなサポート体制をチェックしておくことをおすすめする。
また上記のほか、運用面で上がってきた現場からの要望に対して、改修やプランの見直しが必要になる場合に備え、契約期間中のプランの変更は可能か、また、改修する際の費用は別途必要かなどについて、あらかじめ確認しておくこと。

勤怠管理システムの基礎知識

勤怠管理システムとは、従業員の就業日数残業時間などの勤務状況を把握・管理するシステムのことをいう。
企業は勤怠管理を行うことで、従業員に過度の負担がかかっていないか、労働基準法に違反していないかなどを確認することが可能。

勤怠管理の方法は、従来、タイムカードやエクセルのスプレッドシートで行うことが多かったが、近年は働き方改革の影響もあり、正確で客観的な勤怠管理が求められていること、また、直行直帰テレワークなど、ワークスタイルの多様化により、タイムカードによる労務管理が難しくなってきていることから、企業規模に関係なく勤怠管理システムの導入が進んでいる。

特に最近は、導入が簡単でソフトウェアのインストールが不要なクラウド型の勤怠管理システムを導入する企業が増えている。

代表的なツールとして、ITreviewの中でもユーザー満足度の高いKING OF TIMEジョブカン勤怠管理TeamSpiritなどが挙げられる。その他の人気ツールは、ユーザーからの評価を四象限にマッピングした ITreview Gridで確認いただきたい。

勤怠管理システムの定義
・従業員の勤務時間データを管理できる
・勤務時間、残業時間(時間外勤務)、有給休暇、欠勤、休日などの情報を一元管理できる
・出勤状況や休暇の申請、承認がシステム上で完結できる
・従業員の勤務状況を集計析できる

タイムカードと勤怠管理システムの違い

近年、クラウドの普及に伴い、容易・安価に導入できるクラウド型勤怠管理システムが普及している。下記に従来型のタイムカード管理とクラウド型の勤怠管理システムをとの利便性を比較した。

タイムカード 勤怠管理システム
タイムカード集計 各拠点からタイムカードを集めた上で、エクセル等での手動集計が必要 労働時間や年次有給休暇の自動集計が可能⇒業務効率化と計算ミスが削減できる
リアルタイム性 タイムカードがある場所に行かないと打刻できない スマホ等の利用により、どこからでもリアルタイムに打刻可能
不正打刻 不正打刻を防ぐことが困難 指紋認証等で本人しか打刻できない
給与ソフトへの連動 給与ソフトへ手入力 CSVデータでのインポートが可能
タイムカードの保管・検索 タイムカードの保管場所が必要 タイムカードの電子化により検索が簡単
備品購入代 タイムカードおよびインクリボン代が必要 備品購入の必要がない
事務作業 カード集計や保管等の事務作業 集計や保管等の事務作業の必要ない
カード収集 運送によるカード収集 カード収集に掛かる運送費が不要

勤怠管理システムの導入フロー

勤怠管理システムの選定・導入にあたっては、大きく以下の流れとなる。システムの正式導入にあたっては、無料トライアル等を有効に活用すると良い。
勤怠管理システムの導入フロー ①現状の把握 システム設定に必要な勤務形態、社内ルールの確認および課題の提出 ②システム要件定義 対応機能の選定と運用の明確化 ③システム導入 打刻機の設定、データの登録作業、人事規定の変更、社内告知等 ④運用・改修 サポート体制、プランの見直し

勤怠管理システムの導入効果・メリット

勤怠管理システムにはさまざまな導入効果があるが、いちばん大きなメリットは、『タイムカードはあくまで打刻時刻を記録するためだけの機械であり、集計作業や数値入力などの作業が必要となるのに対し、勤怠管理システムは、集計作業や数値入力作業を自動化して業務効率を上げるだけでなく、人的ミスを軽減させることができる』点にある。
その結果、従業員の勤怠状況を細かく把握することができるだけでなく、残業時間の可視化や不正防止にも寄与するため、働き方改革にも大きく役立つことができる。導入メリットをまとめると次のとおりとなる。

勤怠管理システムの導入メリット

導入効果 解説
①出退勤時間の正確な把握が可能に ・勤怠管理システムは、法に定める「客観的な記録」に当たるため、「正しい労働時間の把握」に適した管理方法と言える。
・打刻方法もパソコン、スマートフォンなどを活用できるため、正確な始業終業時間の打刻ができる。
・打刻デバイスには個人名を特定できる社員証ICカードや社用携帯などが使えるため、不正が起こりにくい。
②業務効率化と計算ミスが削減できる ・エクセルやタイムカードで管理していた場合に比べ、集計やチェック作業が自動化できるため、勤怠管理業務にかかる時間を大幅に削減できる。
・勤怠管理システム導入により、申請手続きの迅速化が図れる上、その結果は自動的に勤怠データに集約されるので、業務担当者の業務負担の軽減が期待できる。
・さらに、給与計算ソフトとデータを連携すれば給与計算作業の効率化も図れる。
・上記の結果、これまでの勤怠管理に必要とされていた労力が大幅に削減できるため、担当者は本来尽力したい業務に専念することができる。
③従業員の労働環境を管理できる ・勤怠管理システムに備わっているアラート機能を活用すれば、長時間労働が続いている従業員を発見、アラートを上げるなどして、適切な労働時間管理が可能になる。
・労働環境の改善は、残業時間の削減や年次有給休暇取得率の向上にもつながり、業務効率化やワークライフバランスの実現、従業員のモチベーション向上にも期待できる。
④法改正へスムーズに対応できる ・多くのクラウド型勤怠管理システムは、さまざまな労働関係諸法令の法改正に対応できるよう自動で更新されるようになっているので、法改正に自動でアップデートできるものを選べば、手作業で仕様変更をする必要はなく、業務に影響を与えることなく管理することができる。
(オンプレミス型の場合は自社内でサーバーを保有するため、法改正対応やシステム部門の人件費などの運用コストが発生する。)

勤怠管理システムの機能

勤怠管理システムを選ぶとき、最も大切なのは、自社に必要な機能がきちんと備わったサービスを選ぶことであり、システム導入後に機能の不足に気づくことがないよう、あらかじめ仕様をよく確認しておくことが望まれます。勤怠管理システムの代表的な機能には、以下のものがある。

勤怠管理システムの機能

タイムレコーダー(打刻)機能

機能 解説
PC打刻 出退勤時にPCにログインすることで打刻、あるいはPCから勤怠管理システムにアクセスし打刻を行う
モバイル打刻 モバイルデバイスから勤怠管理システムにアクセス、あるいはアプリを立ち上げ打刻を行う
ICカード打刻 ICカードリーダーや非接触方式のNFC規格を用い、出退勤の打刻をICカードで行う(NFC規格が対応していれば、交通系ICカードを活用できる)
生体認証/顔認証 静脈や指紋などの生体情報による認証、顔認証などにより打刻を行う(なりすましによる不正打刻の防止に効果的)
パスワード打刻 共有PCや専用機器に、従業員個別のパスワードを入力することで打刻を行う(個人のPCがなくても打刻できる)
GPS打刻 モバイル端末で打刻した際、時間と同時に位置情報を記録する。直行直帰や出張、現場作業などさまざまな労働スタイルに対応が可能
QRコード打刻 スマートフォンのアプリでQRコードを読み取り打刻する
タイムカード打刻 従来の紙ベースによる打刻方法はそのままに、打刻時間をタイムレコーダー側で電子化、記録し、集計ソフトなどにデータを取り込む


申請・承認などのワークフロー機能

機能 解説
ワークフロー機能 出勤簿の承認、残業や休暇などの申請から承認までの流れをシステム上で完結できる。システム上での就労状況確認や未承認残業時の打刻エラーといった機能により、従業員のタイムマネジメント意識向上にも役立つ
モバイルデバイス申請 モバイルデバイスから残業や休暇申請、承認確認などを行う。外出先からでも申請を行える


自動集計・管理

機能 解説
リアルタイム自動集計 打刻データに基づいて、勤怠時間数をリアルタイムに自動計算する。総労働時間に加え、単純残業や深夜勤務、休日出勤といった定時労働以外のさまざまな残業時間を従業員ごとに集計し、詳細データとして表示する
休暇管理 日数をカウントして管理することが必要な休暇タイプ(有給/代替/夏季/特別/慶弔など)に合わせて従業員ごとに一元管理する
アラート(警告) 残業時間が規定の枠を超えたらアラート表示させるなど、所定の労働や残業の基準時間を事前に設定して警告する
データ出力 打刻データから自動集計された労働時間を、Excel/CSV/PDFなどの形式で出力する。CSV形式は自由なフォーマットでダウンロードできるので、給与計算ソフトに合わせて出力し、そのまま他の経理システムにインポートできる
給与計算システム連携 給与計算システムと連携し、勤怠データを給与計算システムへ自動的にインポートする(入力漏れなどによる給与未払いといったリスク回避に役立つ)


シフト・勤務管理機能

機能 解説
スケジュール設定・登録 早番や遅番などの個別スケジュールのパターンを作成し、従業員ごとに割り当てることで就業スケジュールの登録や管理を行う
シフト作成・管理 必要人数や従業員の勤務パターンなどから適切な人員配置を割り出し、条件に合ったシフト表を自動作成する。
予実管理 作成したスケジュール(シフト)に対して、予定と勤務実績の差異をリアルタイムに確認できる
工数管理機能 プロジェクトなどを達成するまでに必要なタスク、時間や人件費を計算し、工数の自動算出を行う(作業量や進捗状況を可視化する)

勤怠管理システムの選定ポイント・重要視すべき点

勤怠管理システムを選ぶ際、機能や価格、操作方法など様々な判断材料がある場合、何に気を付けて選べば良いのか? 以下、システム選定時のポイントをまとめる。

選定ポイント 着目の視点
①自社の業種・勤務形態に合うか ・シフト制や変形労働時間等、自社の勤務形態に対応できるか
・直行・直帰等、社内のルールに則り、使い易いものであるか。
②打刻のシステムやツールは適正か ・どんな打刻ツール(ICカード、生体認証、PC・スマホでの打刻など)が自社に適しているのか。
・従業員が簡単に確実に打刻できるシステムかどうか。
③自社開発型か、クラウド型か ・自社開発型は、システムのカスタマイズ性が高く、システムを最適なものにしやすい反面、導入費用は高額で5年以上使わないと、クラウド型よりも高くつくと言われている。また、社内にシステムに詳しい要員がいることが望まれる。
・一方、クラウド型はランニングコストがかかるものの、導入や運用にかかる時間や手間が少なく、比較的手軽にできる。
④サポートの経費や範囲 ・自社開発システムの場合、開発元の企業と保守契約をしなければならず、別途、経費が発生する。
・クラウド型の場合には、サポートは月々の利用料に含まれているのが一般的。
・サポートの範囲について、トラブルへの対応や操作方法に関するサポートのみでいいのか、それとも社労士事務所との提携により会社就業規則に合わせた設定方法などまでサポートしてもらいたいのか、かかる費用と併せて検討する必要がある。
⑤その他 ・トライアルの有無
・他のシステム(入退出管理システム、給与計算システム等)との連携が可能か。

勤怠管理システムの一覧紹介

代表的な勤怠管理システムとして、以下のような製品が挙げられる。ここでは、勤怠管理に伴う集計業務の負担を削減、効率化したい人事・労務担当者に向けて広くおすすめできる多機能な定番のクラウド勤怠管理システムを紹介する。
下記勤怠管理システムは、すべてがモバイル対応であり、また、Web打刻、交通系ICカード打刻、指紋・指静脈打刻機能も、ほぼすべてのシステムで備えている。そのため、自社選定にあたっては、前項の「勤怠管理システムの選定ポイント・重要視すべき点」を踏まえた上、従業員規模や自社で必要とする機能・給与ソフトとの連携機能等で絞り込んで、最終的には従業員がより直感的に使えるか等、使い易さを考慮して決めるのが一般的である。

●KING OF TIME
●ジョブカン勤怠管理
●TeamSpirit
●jinjer勤怠
●マネーフォワード クラウド勤怠

勤怠管理システムの比較

KING OF TIME ジョブカン勤怠管理 TeamSpirit jinjer勤怠 マネーフォワード クラウド勤怠
会社名 株式会社ヒューマンテクノロジーズ 株式会社Donuts 株式会社チームスピリット 株式会社ネオキャリア 株式会社マネーフォワード
推奨人数規模 1人~20,000人 1人~10,000人 1人~50人 1人~10,000人 1人~2,500人
モバイル対応
Web打刻機能
交通系ICカード打刻機能
指紋・指静脈打刻機能 × ×
初期費用 0円 0円 150,000円 0円 0円
月額利用料
(円/1ユーザー)
300円 200円 30,000円(1社) 300円 3,980円~(31名未満)
無料トライアル

※ 2020年6月5日現在の各社ホームページの情報を基に作成

製品の比較や個別の情報は、下記からご覧ください。
製品一覧

運用時や改修時のポイント

運用を始めてから設定方法や使い方に疑問点が出てくることがあり、また、どんなに利便性の高い勤怠管理システムであっても、故障や不具合などで止まってしまうことも起こりえる。
そんな時のために、操作マニュアルだけでなく、迅速に対応するサポート体制が整っているかどうかをチェックしておくことはとても重要であり、システム選定の際には、困ったときにすぐ連絡でき対応してもらえるようなサポート体制をチェックしておくことをおすすめする。
また上記のほか、運用面で上がってきた現場からの要望に対して、改修やプランの見直しが必要になる場合に備え、契約期間中のプランの変更は可能か、また、改修する際の費用は別途必要かなどについて、あらかじめ確認しておくこと。

勤怠管理システム導入時のROI・費用対効果の算出方法

勤怠管理ツールの基本機能は出退勤の時刻を正確に記録することだ。

従来のタイムカードやExcelなどでのアナログな勤怠管理をデジタル化し、毎月の給与計算や労務管理を迅速・正確に行うための基礎データを収集、整理、保存することが主目的となる。給与管理システムなどへの連携も可能なことから、アナログ運用からの切り替えによる効果は大きい。

ここでは集計業務の効率化を中心に費用対効果を算出する。

タイムカード運用からの勤怠管理システム導入による費用対効果

従業員数100人の企業で紙のタイムカードと専用打刻装置で打刻していた場合を考えてみる。

毎月、各社員の記録したタイムカードを2人の担当者が集計していた。費用対効果は下記のように算出できる。

費用対効果

(A) タイムカードのデータ入力、集計、確認にかかる人件費= 作業時間 × 時間単価
    10分 × 100件 × 2人 × 4,000 円/時間 = 133,000円
    (1件あたり10分の入力、確認作業が発生していたとする)

(B) タイムカード購入、郵送費
    ・タイムカード購入費:5,000円 
    ・郵送費:2,500円(500円 × 5拠点)

(C) 勤怠管理システム利用・導入費
    ・月額利用料:50,000円(500円/月 × 100人)
    ・初期費用:130,000円(システム初期費用100,000円 + 認証デバイス30,000円)
    (ここではクラウドサービスの導入を前提とする。初期費用や認証デバイスが不要なサービスもある)

  費用対効果 =
    初月:133,000円 + 7,500円(5,000円+2,500円) - 180,000円 = ▲39,500円
    2か月目以降:133,000円 + 7,500円(5,000円+2,500円)- 50,000円 = 90,500円/月
    ※2カ月で初月分を賄うことができ、その後は毎月90,500円の費用対効果が得られる

勤怠管理システム導入による定性効果

この他、勤怠管理ツールを導入することで、下記のような定性的な効果も得られる。費用対効果と合わせて稟議を上げることをおすすめする。

 ・集計ミスの削減
 ・ICカードや生体認証打刻による不正打刻の削減
 ・直行直帰、出張者、テレワーク社員の勤怠管理負荷削減
 ・残業や休暇申請のシステム化による効率化
 ・過重労働傾向の発見とアラート、通知

数字を入れるだけ 勤怠管理の費用対効果や稟議項目が埋まります(無料会員登録が必要です)