【2023年】人事評価・OKRのおすすめ10製品(全31製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも
人事評価・OKRとは
人事評価・OKRツールとは、
「人事評価を効率かつ公正に行いたい」
「従業員が増えてきたので人事評価の基準を明確にしたい」
人事評価は社員のモチベーションに関わる重要事項だが、人事評価を社員が満足し、担当者の業務コストをおさえて取り組むのに課題を感じている企業も多い。そんな課題を解決するツールが人事評価・OKRツールだ。
人事評価ツールとは、従業員の評価を管理職が適切かつ効率的に行えるようにサポートするツールのことをいう。従業員個人に課された目標を、評価対象者自身がどのように達成したかを振り返って入力し、評価者がそれをレビュー、組織内での評価として上申することができる。
また、OKRとは「Objectives and Key Results」の略で米国企業を中心に実施されている評価管理の方法だ。企業の事業目標や組織の大きな目標(Objectives)を立て、それを実現するための成果(ここではKey Resultsという)を設計し、企業と個人の目標が同じ方向に向かうようにするための目標管理方法である。
評価管理ツールの中でもOKRに対応した製品の場合は、企業内での目標や結果を設定/伝達/追跡/測定する機能を提供する。こうした機能により、各部門の管理者は経営戦略や企業目標などに沿った従業員の貢献度の測定や客観的な評価が可能となり、また自分の評価に関して部下と直属の上司が有意義かつ継続的なやりとりを行えるようになる。
社内の一体感を課題として考えている方には特にOKRに対応した製品がおすすめだ。
人事評価・OKRの定義
・部門・個人の目標の作成と管理ができる
・作成した目標に対し、成果の入力や評価と申請のワークフローが行える
・目標の達成度合いや生産性を測定するためのレポート機能を提供する
人事評価システムの導入メリット
人事評価システムを使うことにより人事評価を効率的に行うことができる。
人事評価システムを導入することで得られる具体的なメリットについて紹介する。
(1)人事評価業務の効率アップ
人事評価システムを導入することのメリット1つ目は、人事評価に関わる業務効率をアップすることだ。
人事評価業務は、社員との面談や評価シートの記入、社員の評価の社内管理など業務内容が多岐に渡り、また関係者も社内全体になるため、共有作業が多く発生する。
そのような人事評価業務をWordやExcelなどのツールのみで行うと作業効率や共有の手間が多く発生する。
また、人事評価というセキュリティが求められる個人情報管理において管理が一元化されていなければ漏洩リスクなども高まる。
人事評価システムを導入することで、人事評価の各社員ごとのステータスや、情報共有がスムーズにできるようになるため、本来担当者が行うべき社員の業績評価、フィードバックなどの重点的に取り組むべき業務に時間をかけることができるようになる。
以下のレビューも参考になる。
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
従業員の評価システムとして運用しております。弊社独自の評価フローや計算式を反映できるので、使いやすいです。今まで紙で運用していたものが全てシステム上で行なうことができるようになり、配布回収、集約の業務効率が大幅に改善できました。
製品名:カオナビ
参考レビュー:https://www.itreview.jp/products/kaonavi/reviews/59020
(2)人事評価の公平性向上
人事評価システムを導入することのメリット2つ目は、人事評価の公平性を向上させることだ。
人事評価は、社員の昇給や昇格にも関わることで、社員の働くモチベーションに大きく影響を与えることになる。
人事評価が一方的な評価でされてしまうと、社員のモチベーションが下がることも考えられるため、人事評価はどういった基準で評価しているか、評価のベースとなる基準と社員の業績データをしっかり管理して行う必要がある。
人事評価システムを導入することで、評価項目を明確にし、目標達成度を視覚的に把握できるため、社員に公平な評価が行われていると感じてもらう事ができる。
以下のレビューも参考になる。
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
恥ずかしながらこれまでExcelベースで行っていた人事評価を全社員が一目瞭然、クラウド化できました。
悪く言えば密室で行われていた感のあった評価がはっきりとわかり、社員のやる気が変わったように思います。
ツールとしては評価軸や期間など、当社の実態にあった形でカスタマイズできる点も非常に助かっています。
製品名:あしたのクラウドHR
参考レビュー:https://www.itreview.jp/products/ashitanocloudhr/reviews/58116
人事評価の仕組みと手法
人事評価システムの導入は、どういった評価の仕組みや手法で人事評価は行われるかをしっかり理解していることが自社にあったシステムを選定する上で重要になる。
人事評価の仕組みと一般的に用いられる人事評価手法を紹介する。
(1)人事評価の仕組み
人事評価は、以下の3つの制度がそれぞれに関連し1つの評価制度として成り立っている。
1. 等級制度
2. 評価制度
3. 報酬制度
それぞれの制度が持つ役割について説明する。
1.等級制度
等級制度は、社内の組織の仕組みがどのような等級でできているかを体系化したものである。
等級制度を確立することで、社員が自分は今どの等級にいるのかという確認や、組織内での指揮命令系統の把握を行う事ができる。
例えば、1等級は一般社員、3等級は主任、5等級で課長、7等級で部長などといった等級訳である。
等級ごとに求められる内容を人事評価として組み込むことで、社員が次に目指すべき等級や、その役職で求められるものが何かを業務で意識して取り組むことが可能になる。
2.評価制度
評価制度は、人事評価内容を決めるもので、後述する人事評価手法や、人事評価の基準となるものである。
例えば、評価基準として業績能力、能力評価、情意評価を設定し、業績達成ができたか、現在どういった能力を持っていると考えられるか、組織の規律を守っているか、協調性はあるかなど総合的に評価する。
評価制度によってそれぞれの項目の評価が等級制度、報酬制度の各基準に満たしているかを判断することになる。
3.報酬制度
報酬制度は、人事評価の内容を実際の報酬に当て込むものである。人事評価の内容と、それぞれの等級によって、報酬制度に定められた給与テーブルの給与を報酬とする。
(2)人事評価の手法
人事評価を具体的にどのように行えば社員が公平と思う評価になるのか、人事評価で一般的に用いられる評価手法を紹介する。
ここで紹介する評価手法は以下の3つである。
・MBO(目標管理制度)
・コンピテンシー評価
・360度評価
それぞれの評価手法を説明する。
MBO(目標管理制度)
MBOとは、ピーター・ドラッカーが提唱した個人の目標達成度によって評価を個人評価を決めるという制度である。
MBOのメリットとしては、個人の業績評価が人事評価につながるため、社員がモチベーションを高めることに繋がり、会社としても個人のモチベーションアップによって業績を向上させるという個人と会社全体のベクトルが同じ方向に向くということである。
一方MBOのデメリットとしては、個人の業績評価を重視することで、評価対象としにくいバックオフィスに従事する社員の評価が難しくなることや、社員が自分のことだけを考え行動しがちになり、チームとしての協同が取られにくくなるということが挙げられる。
MBOは実際多くの企業で取り入れられているが、営業主体の企業で成果主義を取り入れている企業などを除いて日本企業での活用は体質に合わないこともあるため自社に合うかどうかを判断することが大切である。
OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)について
MBOなど目標管理制度を検討している場合、引き合いに出される概念としてOKRが存在するが、OKRはMBOとは概念が異なるもののため注意が必要である。
OKRとは、GoogleやFacebookなどの企業で取り入れられている目標の設定や管理を行う指標であり、個人の評価を行う目的よりも、会社全体として同じ目標を向くために個人の目標を管理する目標設定フレームワークである。そのため、OKRで管理した目標を報酬に反映させるということはない。
MBOとは根本的に異なる概念であるが、違いとしては、MBOが評価を1年に一回行い、定量的な目標を管理するのに対し、OKRは定性的な目標を四半期に一回などの高頻度で行う違いがある。
2.コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、成果を上げている社員に共通する行動特性をモデル化し、他の社員の評価基準とする人事評価手法である。MBOが個人の目標・業績を重視するのに対し、会社の定めたやり方で成果を出した場合に評価される手法である。
コンピテンシー評価のメリットとしては、該当業務で成果を出している社員の行動特性を評価軸とするため、まず成果を出している人物の行動などの情報を取得でき、社内の情報資産とすることができることである。成果を出している社員の行動特性を他の社員が参考にすることで、具体的にどうすれば成果を上げることができるかがクリアになり、行動に移しやすい。
一方コンピテンシー評価のデメリットとしては、成果を出す社員の行動特性を把握するといっても、その評価基準を自社に当てはめたものを作成するのがまず難しく、実際に形式化しにくいという点がある。また、成果を出すプロセスを個人のやり方で定義するのではなく、会社が定義するため、社員によってはやりにくい、自分のやり方で成果を出したいと考える場合もあり、社員の理解が必要となる。
3.360度評価
360度評価は、人事評価を社員の上司が行うのではなく、関係社員全員で行うというもので、この評価手法によって評価対象者の上司のための仕事を行ったり、評価への不満を防ぐことが可能になる。
360度評価のメリットは、評価者が関係社員となるため、客観的な評価が行われ不平不満が出にくくなることや、チームとして働くという点に評価ポイントがおこなれ、個人の働きが多面的に会社に貢献していることを評価できることである。
一方360度評価のデメリットとしては、関係者からの評価を集めるため、評価コストが高まる可能性がある点や、関係社員に対して業務以外での行動が重要だと判断され業務外での人間関係が甘くなったり、また社員によっては負担に感じることである。
4.人事評価システムの導入ステップ
人事評価システムを実際に導入する際の導入ステップを4つに分けて紹介する。
人事評価システムは以下のフローで導入を進めることで、どういったシステムが自社にあっているのか、自社にある評価方法は何かをしっかり検討できるため、システム導入の際には参考にして欲しい。
ステップ1.人事評価システムの目的を設定
人事評価システムの導入ステップ1は、人事評価システムの目的を設定することである。人事評価システムを導入することで、社員の現状の人事評価制度への不満を解消したいのか、共有にかかるコストを削減したいのかなど、システム導入前の状態を把握し、システム導入後どういった姿にありたいと考えているか目的を検討しよう。
ステップ2.公平な評価基準・項目の策定
人事評価システムの導入ステップ2は、人事評価精度を公平に行うために評価手法や評価基準を改めて検討することである。人事評価手法でも述べたが、人事評価手法は企業によって相性があるため、システム導入の前に再度見直しを行い、人事評価制度にあったシステムを導入したい。
ステップ3.評価方法の構築
人事評価システムの導入ステップ3は、人事評価方法の構築である。人事評価の手法や評価軸が決まったら、その人事手法を使ってどのように人事評価を行っていくのか、具体的なプロセスを決定する。評価方法や具体的なプロセスを決めていないと、システムに人事評価の方法を左右されてしまうことになるので、しっかり人事評価方法を固めておきたい。
ステップ4.システム選定
人事評価システムの導入ステップ4は、自社にあった人事評価システムの選定である。人事評価システムは、目的、評価手法、共有方法などの運用方法によって相性の良いシステムが有るため、これまでの導入ステップをしっかり固めてから選定軸にあったシステムを選定しよう。
具体的な人事評価システムのそれぞれの機能や使ってみてどうだったかというレビューは本サイトを参考に導入することが失敗しない、公平で目的にあった人事評価システムの選定に役立つ。
人事評価・OKRの機能一覧
基本機能
機能 |
解説 |
---|---|
評価管理 | 従業員の評価に必要なデータの集約、評価のためのオペレーションなどの一元管理を行い、客観的かつ適正な評価を行えるようにする |
目標管理 | 組織全体でSMART(Specific=具体的、Measurable=測定可能、Achievable=達成可能、Relevant=関連性、Time-bounded=期限付き)な目標を調整し、進捗状況を追跡できるようにする |
OKR | 企業や組織の大きな目標設定と、その達成要因となる目標(成果)を設計できる |
レビューとフィードバック | 評価に関するレビューやフィードバックの作成と、そのやりとりを効率化する |
360度評価 | 上司や部下、同僚など複数の関係者から評価対象者を評価する仕組みを提供する |
人事評価・OKRの基礎知識
人事評価・OKRツールとは、
「人事評価を効率かつ公正に行いたい」
「従業員が増えてきたので人事評価の基準を明確にしたい」
人事評価は社員のモチベーションに関わる重要事項だが、人事評価を社員が満足し、担当者の業務コストをおさえて取り組むのに課題を感じている企業も多い。そんな課題を解決するツールが人事評価・OKRツールだ。
人事評価ツールとは、従業員の評価を管理職が適切かつ効率的に行えるようにサポートするツールのことをいう。従業員個人に課された目標を、評価対象者自身がどのように達成したかを振り返って入力し、評価者がそれをレビュー、組織内での評価として上申することができる。
また、OKRとは「Objectives and Key Results」の略で米国企業を中心に実施されている評価管理の方法だ。企業の事業目標や組織の大きな目標(Objectives)を立て、それを実現するための成果(ここではKey Resultsという)を設計し、企業と個人の目標が同じ方向に向かうようにするための目標管理方法である。
評価管理ツールの中でもOKRに対応した製品の場合は、企業内での目標や結果を設定/伝達/追跡/測定する機能を提供する。こうした機能により、各部門の管理者は経営戦略や企業目標などに沿った従業員の貢献度の測定や客観的な評価が可能となり、また自分の評価に関して部下と直属の上司が有意義かつ継続的なやりとりを行えるようになる。
社内の一体感を課題として考えている方には特にOKRに対応した製品がおすすめだ。
人事評価・OKRの定義
・部門・個人の目標の作成と管理ができる
・作成した目標に対し、成果の入力や評価と申請のワークフローが行える
・目標の達成度合いや生産性を測定するためのレポート機能を提供する
人事評価システムの導入メリット
人事評価システムを使うことにより人事評価を効率的に行うことができる。
人事評価システムを導入することで得られる具体的なメリットについて紹介する。
(1)人事評価業務の効率アップ
人事評価システムを導入することのメリット1つ目は、人事評価に関わる業務効率をアップすることだ。
人事評価業務は、社員との面談や評価シートの記入、社員の評価の社内管理など業務内容が多岐に渡り、また関係者も社内全体になるため、共有作業が多く発生する。
そのような人事評価業務をWordやExcelなどのツールのみで行うと作業効率や共有の手間が多く発生する。
また、人事評価というセキュリティが求められる個人情報管理において管理が一元化されていなければ漏洩リスクなども高まる。
人事評価システムを導入することで、人事評価の各社員ごとのステータスや、情報共有がスムーズにできるようになるため、本来担当者が行うべき社員の業績評価、フィードバックなどの重点的に取り組むべき業務に時間をかけることができるようになる。
以下のレビューも参考になる。
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
従業員の評価システムとして運用しております。弊社独自の評価フローや計算式を反映できるので、使いやすいです。今まで紙で運用していたものが全てシステム上で行なうことができるようになり、配布回収、集約の業務効率が大幅に改善できました。
製品名:カオナビ
参考レビュー:https://www.itreview.jp/products/kaonavi/reviews/59020
(2)人事評価の公平性向上
人事評価システムを導入することのメリット2つ目は、人事評価の公平性を向上させることだ。
人事評価は、社員の昇給や昇格にも関わることで、社員の働くモチベーションに大きく影響を与えることになる。
人事評価が一方的な評価でされてしまうと、社員のモチベーションが下がることも考えられるため、人事評価はどういった基準で評価しているか、評価のベースとなる基準と社員の業績データをしっかり管理して行う必要がある。
人事評価システムを導入することで、評価項目を明確にし、目標達成度を視覚的に把握できるため、社員に公平な評価が行われていると感じてもらう事ができる。
以下のレビューも参考になる。
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
恥ずかしながらこれまでExcelベースで行っていた人事評価を全社員が一目瞭然、クラウド化できました。
悪く言えば密室で行われていた感のあった評価がはっきりとわかり、社員のやる気が変わったように思います。
ツールとしては評価軸や期間など、当社の実態にあった形でカスタマイズできる点も非常に助かっています。
製品名:あしたのクラウドHR
参考レビュー:https://www.itreview.jp/products/ashitanocloudhr/reviews/58116
人事評価の仕組みと手法
人事評価システムの導入は、どういった評価の仕組みや手法で人事評価は行われるかをしっかり理解していることが自社にあったシステムを選定する上で重要になる。
人事評価の仕組みと一般的に用いられる人事評価手法を紹介する。
(1)人事評価の仕組み
人事評価は、以下の3つの制度がそれぞれに関連し1つの評価制度として成り立っている。
1. 等級制度
2. 評価制度
3. 報酬制度
それぞれの制度が持つ役割について説明する。
1.等級制度
等級制度は、社内の組織の仕組みがどのような等級でできているかを体系化したものである。
等級制度を確立することで、社員が自分は今どの等級にいるのかという確認や、組織内での指揮命令系統の把握を行う事ができる。
例えば、1等級は一般社員、3等級は主任、5等級で課長、7等級で部長などといった等級訳である。
等級ごとに求められる内容を人事評価として組み込むことで、社員が次に目指すべき等級や、その役職で求められるものが何かを業務で意識して取り組むことが可能になる。
2.評価制度
評価制度は、人事評価内容を決めるもので、後述する人事評価手法や、人事評価の基準となるものである。
例えば、評価基準として業績能力、能力評価、情意評価を設定し、業績達成ができたか、現在どういった能力を持っていると考えられるか、組織の規律を守っているか、協調性はあるかなど総合的に評価する。
評価制度によってそれぞれの項目の評価が等級制度、報酬制度の各基準に満たしているかを判断することになる。
3.報酬制度
報酬制度は、人事評価の内容を実際の報酬に当て込むものである。人事評価の内容と、それぞれの等級によって、報酬制度に定められた給与テーブルの給与を報酬とする。
(2)人事評価の手法
人事評価を具体的にどのように行えば社員が公平と思う評価になるのか、人事評価で一般的に用いられる評価手法を紹介する。
ここで紹介する評価手法は以下の3つである。
・MBO(目標管理制度)
・コンピテンシー評価
・360度評価
それぞれの評価手法を説明する。
MBO(目標管理制度)
MBOとは、ピーター・ドラッカーが提唱した個人の目標達成度によって評価を個人評価を決めるという制度である。
MBOのメリットとしては、個人の業績評価が人事評価につながるため、社員がモチベーションを高めることに繋がり、会社としても個人のモチベーションアップによって業績を向上させるという個人と会社全体のベクトルが同じ方向に向くということである。
一方MBOのデメリットとしては、個人の業績評価を重視することで、評価対象としにくいバックオフィスに従事する社員の評価が難しくなることや、社員が自分のことだけを考え行動しがちになり、チームとしての協同が取られにくくなるということが挙げられる。
MBOは実際多くの企業で取り入れられているが、営業主体の企業で成果主義を取り入れている企業などを除いて日本企業での活用は体質に合わないこともあるため自社に合うかどうかを判断することが大切である。
OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)について
MBOなど目標管理制度を検討している場合、引き合いに出される概念としてOKRが存在するが、OKRはMBOとは概念が異なるもののため注意が必要である。
OKRとは、GoogleやFacebookなどの企業で取り入れられている目標の設定や管理を行う指標であり、個人の評価を行う目的よりも、会社全体として同じ目標を向くために個人の目標を管理する目標設定フレームワークである。そのため、OKRで管理した目標を報酬に反映させるということはない。
MBOとは根本的に異なる概念であるが、違いとしては、MBOが評価を1年に一回行い、定量的な目標を管理するのに対し、OKRは定性的な目標を四半期に一回などの高頻度で行う違いがある。
2.コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、成果を上げている社員に共通する行動特性をモデル化し、他の社員の評価基準とする人事評価手法である。MBOが個人の目標・業績を重視するのに対し、会社の定めたやり方で成果を出した場合に評価される手法である。
コンピテンシー評価のメリットとしては、該当業務で成果を出している社員の行動特性を評価軸とするため、まず成果を出している人物の行動などの情報を取得でき、社内の情報資産とすることができることである。成果を出している社員の行動特性を他の社員が参考にすることで、具体的にどうすれば成果を上げることができるかがクリアになり、行動に移しやすい。
一方コンピテンシー評価のデメリットとしては、成果を出す社員の行動特性を把握するといっても、その評価基準を自社に当てはめたものを作成するのがまず難しく、実際に形式化しにくいという点がある。また、成果を出すプロセスを個人のやり方で定義するのではなく、会社が定義するため、社員によってはやりにくい、自分のやり方で成果を出したいと考える場合もあり、社員の理解が必要となる。
3.360度評価
360度評価は、人事評価を社員の上司が行うのではなく、関係社員全員で行うというもので、この評価手法によって評価対象者の上司のための仕事を行ったり、評価への不満を防ぐことが可能になる。
360度評価のメリットは、評価者が関係社員となるため、客観的な評価が行われ不平不満が出にくくなることや、チームとして働くという点に評価ポイントがおこなれ、個人の働きが多面的に会社に貢献していることを評価できることである。
一方360度評価のデメリットとしては、関係者からの評価を集めるため、評価コストが高まる可能性がある点や、関係社員に対して業務以外での行動が重要だと判断され業務外での人間関係が甘くなったり、また社員によっては負担に感じることである。
4.人事評価システムの導入ステップ
人事評価システムを実際に導入する際の導入ステップを4つに分けて紹介する。
人事評価システムは以下のフローで導入を進めることで、どういったシステムが自社にあっているのか、自社にある評価方法は何かをしっかり検討できるため、システム導入の際には参考にして欲しい。
ステップ1.人事評価システムの目的を設定
人事評価システムの導入ステップ1は、人事評価システムの目的を設定することである。人事評価システムを導入することで、社員の現状の人事評価制度への不満を解消したいのか、共有にかかるコストを削減したいのかなど、システム導入前の状態を把握し、システム導入後どういった姿にありたいと考えているか目的を検討しよう。
ステップ2.公平な評価基準・項目の策定
人事評価システムの導入ステップ2は、人事評価精度を公平に行うために評価手法や評価基準を改めて検討することである。人事評価手法でも述べたが、人事評価手法は企業によって相性があるため、システム導入の前に再度見直しを行い、人事評価制度にあったシステムを導入したい。
ステップ3.評価方法の構築
人事評価システムの導入ステップ3は、人事評価方法の構築である。人事評価の手法や評価軸が決まったら、その人事手法を使ってどのように人事評価を行っていくのか、具体的なプロセスを決定する。評価方法や具体的なプロセスを決めていないと、システムに人事評価の方法を左右されてしまうことになるので、しっかり人事評価方法を固めておきたい。
ステップ4.システム選定
人事評価システムの導入ステップ4は、自社にあった人事評価システムの選定である。人事評価システムは、目的、評価手法、共有方法などの運用方法によって相性の良いシステムが有るため、これまでの導入ステップをしっかり固めてから選定軸にあったシステムを選定しよう。
具体的な人事評価システムのそれぞれの機能や使ってみてどうだったかというレビューは本サイトを参考に導入することが失敗しない、公平で目的にあった人事評価システムの選定に役立つ。
人事評価・OKRの機能一覧
基本機能
機能 |
解説 |
---|---|
評価管理 | 従業員の評価に必要なデータの集約、評価のためのオペレーションなどの一元管理を行い、客観的かつ適正な評価を行えるようにする |
目標管理 | 組織全体でSMART(Specific=具体的、Measurable=測定可能、Achievable=達成可能、Relevant=関連性、Time-bounded=期限付き)な目標を調整し、進捗状況を追跡できるようにする |
OKR | 企業や組織の大きな目標設定と、その達成要因となる目標(成果)を設計できる |
レビューとフィードバック | 評価に関するレビューやフィードバックの作成と、そのやりとりを効率化する |
360度評価 | 上司や部下、同僚など複数の関係者から評価対象者を評価する仕組みを提供する |