人事評価業務で発生する作業・管理の手間を削減したいとお悩みの方もいるでしょう。そのような方におすすめなのが、クラウド型人事評価システムの導入です。
本記事では、導入前に押さえておきたいクラウド型人事評価システム(OKR)の魅力や、準備ポイントについてご紹介します。提供されている複数のシステムから1つを選ぶ比較ポイントも解説しますので、人事評価業務を効率化するヒントにしてみてください。
目次
クラウド型人事評価システムを導入する3つの魅力
クラウド型人事評価システムは、人事評価業務の中で発生する目標設定や従業員・入社希望者の情報管理、業務状況評価といった作業をすべて電子化して管理効率を上げるサービスのことです。まず初めに、導入前に理解しておきたいシステムの魅力を3つご紹介します。
人事評価業務を効率化できる
クラウド型人事評価システムを導入すれば、従業員の働きを評価する「人事評価業務」を効率化できます。従来用いられてきた紙による評価手法からクラウドを通じて評価できるほか、登録した従業員のステータスを一元管理できるのが魅力です。
一元管理されている表では、フィルター検索を使うことによって特定の従業員を効率良く検索できます。業務状況や作業状況などをカテゴライズして対象者を抽出できるため、目的に合った検索を行えるのがメリットです。
また、クラウド型人事評価システムは自動集計機能も搭載しています。情報をグラフや表として可視化して、報告資料の作成をスピードアップできるのも魅力です。
最適な人材配置を検討できる
従業員の情報を一元管理すれば、次の項目を「ステータス」として1つのページに集計できます。
- スキル(資格)
- 経歴・実績
- 得意分野
例えば、業務状況とステータスを比較していけば、スキルに合った働きができているのかを確認できます。もしマイナスの働きをしている従業員がいる場合、集計されたデータを人材配置の検討に役立てられるでしょう。
適材適所を見抜くことで、従業員が働きやすい環境を整えられるのがメリットです。モチベーションを向上することによって、企業活動の活発化も期待できるでしょう。
人事評価をルール化できる
従来の人事評価では、人事担当者の経験と知識によって従業員の評価が決まっていました。なかには、バイアスのかかった評価が行われていたのも事実です。
一方、クラウド型人事評価システムを導入すれば、属人化しやすい人事評価にルールを設定できます。システム内で作成した評価シートを用いれば、誰が担当者になっても同じように評価を行えるのが魅力です。
クラウド型人事評価システムを導入する前に準備すべき3つのポイント
クラウド型人事評価システムの導入を検討しているなら、スムーズな移行のために事前準備が欠かせません。続いて、導入前に準備すべきポイントを3つご紹介します。
導入する目的を明確にする
システムを導入する前に、目的を明確にしておきましょう。例えば、次のように人事評価業務の中で発生する課題を抽出してください。自然と目的が見えてきます。
- 【課題】紙での管理に手間がかかっている
- 【目的】作業効率化のためにペーパーレス化を目指す
- 【課題】担当者によってルールがバラバラで困っている
- 【目的】一元管理やルール設定を行う
目的が定まっていれば、複数の中から自社の目的にぴったりのシステムを見つけやすくなります。また、使わない機能が多いのにも関わらず費用が高いシステムを避けるきっかけを生み出せるでしょう。
システムを適用する業務範囲を決める
人事担当者は、莫大な作業に忙殺されやすいため、事前にシステムを適用する業務範囲を決めておきましょう。なかでも人事評価は、作業量が多いのが特徴です。主に次に示す作業を実施します。
- 設定(ルール設定・目標設定)
- 面談(初回・中間・期末・フィードバック)
- 評価(自己評価・一次評価・二次評価)
- 評価結果の反映
- 実際の業務(雑務)
従業員を1人評価するだけでも、長い期間が必要です。また従業員数が増えるほど、人事担当者の負担も増大するでしょう。
システムによっては、対応業務数で利用料金が変化する製品もあります。人事担当者の負担を減らすことはもちろん、予算を考慮しながら適用業務範囲を検討してみてください。
既存システムで対応できないか確認する
なるべく予算をかけずにシステムを利用したいのなら、新規でシステムを導入する前に既存システムで対応できないかチェックしてみてください。企業によっては、データを一元管理したり、評価として利用したりできるシステムを運用している場合があります。
また、利用しているサービスの中に追加で人事評価のシステムを組み込める場合もあるでしょう。連携性のあるシステムなら、企業内の作業をより効率化できます。新しいシステムよりも慣れ親しんだシステムの方がユーザビリティに優れていることから、社内の浸透率を大幅にスピードアップできます。
クラウド型人事評価システムの導入時に抑えるべき5つのポイント
クラウド型人事評価システムは複数のサービスが提供されているため、比較検討を行いながら選びましょう。最後に、比較検討の中でチェックすべきポイントを5つご紹介します。
自社の課題を解決できるか
人事評価業務に課題を感じているのなら、課題解決に役立つシステムを探してみましょう。比較検討の条件に設定するため、抽出する課題は複数用意しておくことをおすすめします。
1つの条件では導入するシステムを絞り切れませんが、複数の条件があれば、システムごとにいくつ当てはまるのかが変わってきます。機能、料金、使いやすさなどいろんな視点から課題を抽出し、自社のニーズにぴったりのシステムを見つけてください。
自社の規模に対応できるシステムか
システムによっては、同時作業人数が決まっているものもあります。人事担当者の人数が多い場合には、システムを操作できない従業員が出てくるため、自社の規模に合ったシステムを探しましょう。
業務時間中に作業できない人員が出た場合、作業効率が下がってしまいます。まずは同時作業が必要な人事担当者数を抽出し、各サービスのプランに記載されている同時作業人数を比較してください。
費用対効果を期待できるか
クラウド型人事評価システムの比較では、費用対効果の検討が大切です。現状からどれくらいの効果を生み出せるのかを分析してみましょう。
費用対効果をチェックするときに役立つのが「作業時間」と「人件費」です。例えば、従来の1か月分の作業を表としてまとめ、トータル作業時間と対応担当者の人件費を集計します。これにより1か月分のランニングコストを抽出できます。次に、導入するシステムで削減・時間短縮できる作業を整理することによって、導入後のランニングコストを抽出可能です。
2つのランニングコストを比較し、システム導入後のコストが安くなっていれば費用対効果を期待できると判断できます。候補に挙げたシステムごとにチェックすれば、自然と導入すべきシステムを選定できるでしょう。
サポート・セキュリティが充実しているか
新規でシステムを導入するのなら、サポート・セキュリティが充実している製品を選びましょう。サポートが充実していれば、導入時に相談したり、ちょっとしたトラブルをすぐに質問したりできます。また、セキュリティが充実していれば、従業員の個人情報を安全に管理可能です。
導入後のトラブルを防止するためにも、自社で対応が難しいサポート・セキュリティはチェックしておくべき条件だといえるでしょう。
既存ツールなどと連携できるか
導入するシステムが、自社で利用している他のツールと連携できるかチェックしてみましょう。連携機能を持つ場合、入力したデータを自動反映できるため、横のつながりを持つシステムすべての効率化に役立ちます。連携機能を駆使することによって、人事評価業務をより楽にできる場合もあるため、サービスサイトの連携機能をチェックしてみてください。
自社のニーズや製品機能をチェックしつつより良いシステムを見つけよう
クラウド型人事評価システムを導入すると、人事評価業務の課題を解決して人事担当者の負担を軽減できます。また、従業員の情報を一元管理し、ルールに則った無駄のない評価を実施できるのがメリットです。
自社の目的や業務範囲、既存システムの状況をチェックすれば、効率良く目的のシステムを見つけられるでしょう。また比較検討のポイントを理解することで、より効果的なシステムを導入できます。クラウド型人事評価システムを探している方は、自社のニーズや製品情報を把握したうえで、より良いシステムを見つけていきましょう。