安全なインターネット通信に不可欠なVPN。無料で使える多種多様なVPNソフトが登場しています。しかし、使用する前に必ずセキュリティ管理やデータ制限について理解しておきましょう。無料という言葉だけに惑わされず、安全性・機能性の高いVPNソフトを選択することが大切です。

本記事では、安全で使いやすい無料VPNソフトの選び方について、通信品質などの面も考慮しながら解説します。

VPNとはや導入するメリット、種類などについては下記の記事をご覧ください。

VPN接続のメリットや種類を詳しく解説 選び方・おすすめツールも紹介

無料VPNソフトを選ぶときにチェックすることとは?

コストがかからないという点が無料VPNソフトの最大のメリットですが、使用前に注意すべき点があります。主にチェックしておくポイントは以下の5つです。

-使用ライセンスの制限

-データ制限の有無

-暗号化のレベル

-ログを保持していないか

-利用できるサーバ数

これらを詳しく解説していきます。

1.使用ライセンスの制限

商用利用する場合、無料VPNソフトが使用できないケースがあります。個人使用・非営利団体のみといったように使用ライセンスを制限しているVPNソフトもあるため、用途に応じて選ぶ必要があります。また、無料で利用できても、「7日間無料体験」のように試用が目的とされている場合や、1台の端末しか接続できない場合もあります。利用する際は、日数やライセンスに制限が設けられていないかどうか、あらかじめチェックしておくことが重要です。

2.データ制限の有無

無料VPNソフトは、通信データ量に制限が設けられていることが一般的です。1カ月500MB、1日150MBなどの制限があるため、頻繁に使用すると通信速度が制限されることになり、大容量のデータやりとりを行うビジネス等で長時間利用するといった場合には不便さを感じる可能性があります。ただし、無料VPNソフトの中にはデータ無制限で利用できるものも登場しています。その際は、セキュリティ対策が十分であるか、プライバシーが保護されているかなど、安全性・信頼性の高いものを選択しましょう。

3.暗号化のレベル

VPNでは、インターネット通信の安全性を高めるために暗号化という技術が採用されています。しかし、この暗号化技術は使用するVPNソフトによって異なるため、セキュリティレベルが低いものもあります。2019年現在で最も強力な暗号化とされているものは「256ビットAES暗号化」です。ウイルス感染や情報漏えいなどのリスクを考慮するなら、高い暗号化技術を採用したVPNソフトを選びましょう。

また、VPN接続時に使われるプロトコルにも確認が必要です。安全性を優先するには、セキュリティレベルの高い「IKEv2」「OpenVPN」プロトコルが望ましいでしょう。

4.ログを保持していないか

VPNを利用する際に留意したい点が、ログの保持についてです。無料VPNソフトのなかには通信データのログが保存されているものがあり、通信内容が第三者に提供される危険性があります。

端末の履歴のみならず、アカウントやIDに関する情報、クレジットカード情報などが漏れている可能性もあります。VPNはプライバシー保護や安全性を高めるために使用するはずなので、ログを保持しているものは安全性・信頼性には欠けるといえます。VPNソフトを選ぶ際は、「ノーログポリシー」などのログを保持しないと宣言しているものを選ぶことが重要です。

5.利用できるサーバ数

利用できるサーバ数

無料のVPNソフトはサーバのロケーションが限られています。もしも1つのサーバに回線が集中してしまうと、速度低下が起こります。無料のVPNソフトを選ぶ際は、利用できるサーバの数が豊富なものにすると通信が比較的安定するでしょう。日本国内で利用する場合は、日本に無料サーバがあるVPNソフトがおすすめです。また、帯域幅が広いVPNソフトを選ぶことで、より多くのデータを転送できます。ビジネスで多くの情報をやりとりする場合は、帯域幅が広いVPNソフトが望ましいといえます。

無料版の多くは制限あり、有料版の導入を視野に

多くの無料VPNソフトは使用ライセンスや通信量などが制限されているため、不便に感じてしまうこともあるでしょう。また、頻繁に表示される広告表示も無料VPNソフトの厄介な点のひとつ。さらに、有料版と比べて通信速度が劣るため、ストリーミング再生やトレントが利用できないケースも少なくありません。

なにより有料版に比べてセキュリティ性能が低いことが無料VPNソフトで注意しておきたい点です。無料版を選ぶ際は、高度な暗号化・ノーログを選ぶとともに、ビジネス等で安全性や快適性を重視するなら有料版VPNソフトを視野に入れるべきでしょう。

おすすめ記事