ファイル保管やデータ共有に便利なオンラインストレージ。近年では法人での利用も増加しているようです。
平成30年度情報通信白書によると、クラウドサービスの普及率は2013年の33.1%から、2017年には56.9%になるなど、約5年間で約1.7倍の増加率となっています。
クラウドサービスのうち、利用しているサービスの内容は、「ファイル保管・データ共有」が(51.2%)とオンラインストレージサービスが最も多くなっています。
引用元:平成30年度情報通信白書https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252140.html
多くの企業が導入を進めているオンラインストレージサービス。導入を検討されている方も多いかと思います。
普及が進む一方で、自社のサーバではなくオンライン上にデータを保管することで、さまざまなリスクも発生します。リスクを回避しオンラインストレージサービスを便利に使いこなすためにはどうすればいいのでしょうか?
本記事では、オンラインストレージサービスを法人利用する前に気を付けるべき8つのポイントをお伝えしていきます。
オンラインストレージサービスを法人利用する際に気を付けるポイントは8つ

オンラインストレージサービスの法人利用で気を付けるポイントは、以下の8つがあります。
1.セキュリティ
2.権限管理
3.容量
4.アップロード速度
5.料金
6.機能
7.操作性
8.サポート体制
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.セキュリティ
2019年に「無料データ転送サービス」が不正アクセスされて、大量の個人情報が流出したという事件が発生しました。同サービスではパスワードの暗号化などの対応が不十分で、大きな被害が発生しました。
個人情報や、機密情報の漏えいを防ぐため、セキュリティがしっかりしているかどうか確認することが重要となります。
オンラインストレージサービスのセキュリティリスクは、次の3種類に分けられます。
a.サイバー攻撃による情報漏えいリスク
b.サーバダウン等によるデータ消失リスク
c.サーバ所在地によるカントリーリスク
これらのリスクと対策については、以下の記事をご確認ください。
オンラインストレージサービスを利用するうえでセキュリティリスクはゼロではありませんが、セキュリティリスクをしっかり認識して対策をすることが重要です。
2.権限管理
人事異動や昇格の度にアクセス権限を変更していく必要があります。きめ細かい権限管理が可能かどうか確認しましょう。多くの法人向けオンラインストレージサービスでは、特定のメンバーは閲覧可能、ダウンロードは不可といった設定が可能です。
また、ユーザーや部署の階層管理を行える法人向けのオンラインストレージサービスもあります。企業の規模により必要な機能は異なりますので、「自社の使い方に合わせた権限管理が可能かどうか」を事前に確認してスムーズな導入を目指しましょう。
3.容量
利用できるストレージ容量も重要な要素です。使用人数、扱うファイルの種類(ドキュメント系か、動画など大容量ファイルか)、また利用用途等で必要な容量は変わってきます。
利用用途としては「プロジェクトなどでの作業データ共有」、「PCのバックアップファイルの作成」などが想定されます。
特に、動画などを共有する際には、解像度やビットレート(1秒間のデータ量)などによっては、1つのファイルが大容量になってしまうケースもあります。
事前に「扱うファイルの容量」、「共有するファイル数」等を想定して、オンラインストレージサービスを選ぶと安心です。
4.アップロード速度
大容量のファイルをオンラインストレージサービスにアップロードする際、なかなか完了せずにイライラした経験はありませんか?
スムーズにデータを共有し、快適に仕事を進めるにはアップロード速度も気になるところです。
特に、10MB以上のファイルを頻繁にアップする方はアップロード速度にもこだわってサービスを選定するとよいでしょう。
5.料金
料金も気になるところではないでしょうか。ユーザー数に応じて料金が決まるサービスや利用できるストレージ容量によって価格が決まるオンラインストレージサービスなど、料金体系もさまざまです。自社にあったオンラインストレージサービスとプランを採用しましょう。
また、無料で使えるオンラインストレージサービスもありますが、法人利用ではお勧めできません。なぜなら、セキュリティ対策が十分ではないケースもあり、万一のトラブル時対応にも不安があるからです。
Google Drive、Dropboxといった無料から使えるオンラインストレージサービスでも法人向けの有料プランにアップグレードが可能です。
6.機能
容量やセキュリティといった基本的な機能に加えて、サービス毎にさまざまな「便利な機能」が実装されています。
例えば、外出先からデータが簡単に閲覧できる「スマートフォン対応」やサービスに加入していない方にもファイルのリンクを送付可能な「ダイレクトリンク機能」などがあげられます。
また「デスクトップアプリ」では、自分のPC上のフォルダとオンラインストレージが同期して、あたかもPC上のフォルダやファイルのように扱うことが可能です。
法人でオンラインストレージサービスを利用する際には、社員(ユーザー)がどのような利用方法を想定しているかを確認して、必要な機能があるサービスを選びましょう。
7.操作性
オンラインストレージサービスを選定するうえでは操作性も重要です。特に法人利用では、クラウドサービス自体に不慣れな方も簡単に使えるような操作性の良いオンラインストレージサービスを選定することをおすすめします。
操作性は、普段のPCのフォルダと似た使用感のある画面配置になっているといった「使いやすい画面表示」や「わかりやすいボタン配置」といった点もポイントとなります。本格導入前に、無料プランで操作性を確かめてみることも必要かもしれません。
8.サポート体制
最後のポイントはサポート体制の充実度です。個人利用とは違い、多くの社員が利用する法人でのオンラインストレージサービスではサポート体制の充実度も重要となります。
特に海外ベンダーがリリースしているサービスでは、サポートが英語のみとなっているケースがあるなど、十分なサポートが期待できないケースもあるため注意が必要です。
法人向けのオンラインストレージはさまざまな角度から自社にあったサービスを選びましょう
オンラインストレージサービスを法人利用する前に確認すべき8つのポイントについてお伝えしてきました。
以下のサイトでは、多くのオンラインストレージサービスの性能や口コミなどの情報を提供しています。是非ご覧いただき、自社にあったオンラインストレージサービスを選択することをおすすめいたします。