業務管理の一環として日報を取り入れている会社も多いでしょう。ルーチン化されて、あまり気にしていないという方も多いかもしれませんが、この記事では改めて日報にはどのようなメリットや書くべきポイントがあるのかを考えていきます。
目次
日報を書くメリット
毎日の作業やその工程を記録した報告書のことを「日報」といい、社員の業務内容の可視化や、現場のトラブルを即座に把握するために活用されます。日報は、業務の効率化や生産性の向上を目的とし、日報を社員間で活用・共有することで社員同士のコミュニケーションや士気を高める意味合いがあります。
日々の課題や改善すべきポイントを把握しやすい日報は、社員1人ひとりの成長にもつながります。また社員間のコミュニケーションを円滑にさせることにも寄与します。
日報作成のポイント
日報の作成方法には気をつけるべきポイントが2点あります。
1.テンプレートを作成
日報の作り方は、まずテンプレートを作成し、目標や結果・課題や改善点などを組み立て、自社に必要であるとされる内容をどんどんリストアップしていきます。そのあとはカテゴリーごとに項目を当てはめていくことで、短時間に多くの業務を進めることができます。
2.シンプルかつ正確に
すべての項目において、あまり長すぎる文章は求めないことが大切です。日報を書くために本来の業務時間を削ることは、企業にとって決して望ましいことではないからです。そのため、シンプルかつ正確に記入を行うことのできるテンプレートであることも重要です。
日報を共有する方法
日報を共有するためには、以下の3つの方法があります。メールやチャット・グループウェアは従来の共有法として利用されてきましたが、現在では多くの企業が日報アプリにシフトしています。
1.メール ・チャットツール
これまで使用されていた日報の共有方法の1つです。メールやチャットツールは気軽に使えるというメリットがありますが、日報としての利便性はあまり高くはありません。
2.グループウェア
グループウェアを使用して日報を共有するのも1つの手段です。しかしコストがかかるという側面もあるため、導入目的を明確にする必要があります。
3.日報アプリ
近年、多くの企業で活用されている日報アプリは、複数の社員に日報の共有を行うことが容易なため導入が進んでいます。また誰にでも比較的扱いやすく、費用もリーズナブルなアプリが数多くリリースされており、非常に需要の高いツールとなっています。
日報アプリとは?
日報アプリとは、パソコンやスマートフォンから日報を作成したり、社員間で共有を行ったりすることのできる管理アプリのことをいいます。日報アプリには、以下の3つの方式があります。
日報特化方式
日報の作成や提出などに特化したアプリ。日報がメインのシンプルな構造のため、初めて利用する人であってもわかりやすいのが特長です。
データベース方式
自動入力を活用することにより、データの集計を行うことができるデータベース型の日報アプリ。データ集計を目的とする企業におすすめです。
コミュニケーション方式
社員間のコミュニケーションに特化しており、社内での意見交換や情報共有を目的とする企業に相応しい日報アプリ。
日報アプリの基本機能
日報アプリには、数多くの機能が搭載されています。従来であれば社員の負荷となっていた業務も日報アプリの導入・活用により軽減され、人件費の削減や業務効率の促進を達成できます。
日報作成機能
テンプレートから日報を自由に作成できます。
日報提出機能
パソコンやスマートフォン・タブレットなどの各端末から日報を提出できます。提出に関するリマインド機能も搭載されています。
検索機能
過去の日報を検索することで探し出します。検索方法は、日付や社員の名前・顧客といった条件から行います。
データ集計機能
売上や業務時間・訪問件数などの各データを日報から収集し、項目ごとにデータを集計します。また、労働時間の自動集計も行うことができます。
コミュニケーション機能
日報にコメントを入力できたり、リアクションを残したりすることができ、チャットや社内SNSを活用することも可能です。
業務サポート機能
タイムカードの勤怠報告やタスク管理・工数管理、目標達成における管理が行えます。
管理者用機能
日報の閲覧権限を管理し、日報を一度にダウンロードできます。
連携機能
Googleカレンダーなどの外部カレンダーアプリとの連携が可能です。
日報アプリ導入のメリット・デメリット
日報アプリを導入することには、多くのメリットがあります。デメリットも併せて紹介します。
日報アプリ導入のメリット
1.人件費の削減
これまで人が自ら行っていた作業が自動に変わることにより、人的負担、すなわち人件費の削減に大きく貢献します。
2.コストの削減
これまでの書面型での管理では、紙代や印刷代などの細かな費用が負担となっていました。日報アプリを利用すると、それらの費用を大幅に削減できます。
3.業務の効率化
日報アプリの利用による人件費やコストの削減は、社員がほかの業務に集中できるということでもあり、作業の効率化を大きく促進することへつながります。
4.情報の一元化
日報アプリ内にあるキーワード検索により、自社の求める情報を簡単に見つけられます。また検索情報は蓄積されていくため、情報の一元化にも役立ちます。
5.円滑なコミュニケーション
多くの日報アプリには、社員間で活用できるコミュニケーション機能があります。社内での質問やフィードバックに寄与することにより、業務がさらにスムーズになるでしょう。
6.時間と場所問わず作成可能
パソコンやスマートフォンなどがあるだけで、どこにいても普段どおりのフォーマットで作成することができます。
日報アプリ導入のデメリット
1.慣れるまで時間がかかることも
日報アプリを扱う社員によっては、使いこなすまでにある程度時間がかかることもあります。しかし、アプリ自体がやさしい構造のため、講習やトレーニングが必要というほどではないでしょう。
日報アプリの活用事例
日報アプリを導入したことで得られるメリットについて、ITreviewに集まったレビューをもとに活用事例を紹介します。
パソコンで日報を書く時代は既に終わった
「このサービスの優れたポイントはスマホから日々アクセスしながら、帰宅時など、片手間でレポートが作成出来、更にKPIを設定しつつ、その日々の活動が積み重なることで、ターゲットが達成可能な仕組みが構築出来てしまう事です。ビジネスという観点では、社員の生産性が向上したのではと思っています。PCで日報を書く時代は既に終わっていて、スマホで気軽に記述提出し、その上でKPIにも貢献できる一石二鳥のツールを使うことで、帰宅時間が早くなる、効率的に業務がこなせるなど、メリットは大きいと感じております」
▼利用サービス:gamba!
▼企業名:ペガジャパン株式会社 ▼従業員規模:1000人以上 ▼業種:ソフトウェア・SI
https://www.itreview.jp/products/gamba/reviews/48585
社内コミュニケーションが活性化
「ユーザーはスマホから日報を送信することができるので、通勤時間を有効活用して日報報告することが可能な点。日報のテンプレートを登録することができるため、必要な部分だけ編集しながらすばやく報告できる点。報告された日報に対してコメントなどコミュニケーションを取ることができる点です。毎日実施報告を求める際、紙ベースで報告していたが、オンライン化することで、すばやく情報を確認できたり、過去のデータを見つけやすくなり、日報の確実な運用が実現しました」
https://www.itreview.jp/products/gamba/reviews/19174
▼利用サービス:gamba!
▼企業名:エクセルブートキャンプ ▼従業員規模:20人未満 ▼業種:情報通信・インターネット
日報アプリ導入のポイント
新しい製品の導入や比較には、どの企業も頭を悩ませてしまうものです。日報アプリを導入する前に、以下のポイントを押さえるとスムーズに選定しやすくなります。
シンプルな構造であるか
誰にでも扱いやすい日報アプリであることはとても大切です。できる限りシンプルで容易に操作可能な構造の製品を選ぶと、導入後に後悔することもないでしょう。
権限管理は快適か
公開範囲をごく一部にとどめておきたい場合には、自由度の高い権限管理を備えている日報アプリを選定する必要があります。
セキュリティ対策は万全か
重要データなどがきちんと暗号化されているかどうかや、アクセスログ取得の有無などのチェックを行い、高セキュリティで安心できる日報アプリを選びましょう。
端末問わず操作可能か
リモートワークの普及により、自社が新たに端末を揃える可能性もあります。そのような状況にも対応できるよう、幅広い端末に対応可能であるかどうか確認を行います。
おすすめ日報アプリ
日報アプリを実際に活用されている企業の方々のレビューが多い製品を中心に、おすすめの日報アプリを紹介します。
(2022年1月7日時点のレビューが多い順に紹介しています)
AppSuite
「AppSuite」は、メールや表計算ソフトで人的リソースにより行っていた現場作業を容易に効率化させる、カスタムメイドタイプの日報アプリです。システムの設計や構築・運用やデータ分析などをシンプルに完了できる、利便性の高い仕様となっています。
gamba !
「gamba!」は、日報をベースのアプリにコミュニケーションシステムを導入した、社内ソーシャルネットワークサービス型の日報アプリです。このアプリを活用することにより、社内のコミュニケーション不足を解消することにも大いに役立ちます。
コロコロ日報
「コロコロ日報」は、書面に記録する従来型の日報をペーパーレス化し、初心者にも扱いやすい操作性であることにこだわった日報アプリです。サイコロ型のデバイスを活用することで、通常業務に関するデータ化や可視化を実現。業務の効率化を促します。
ITreviewでは、その他の日報アプリも紹介しています。紹介ページでは、製品ごとで比較をしながら導入ツールを検討できます。
まとめ
テレワークの推進に伴って在宅勤務が増え、従業員の作業進捗やモチベーションを把握したり、コミュニケーションをとったりすることが難しくなったという弊害も出ています。テレワーク時代において、日報は従業員の業務を管理するうえで必要不可欠であるといえます。
しかし、現場では日報の作成に意義を見出せず、不満を抱くことも少なくありません。そのような側面からも日報の手間を減らし、より円滑なコミュニケーションを促進させられる日報アプリは大変有意義なツールです。
日報アプリの導入は日報作成の工数を削減できるだけでなく、業務の進捗状況が素早く行えるため業務推進にもつながります。
数ある日報アプリの中から、自社に最適な日報アプリはどの製品であるのか、さまざまな日報アプリの中から自社に合う強みやメリットをもつアプリを選定し、類似する他社製品とよく比較を行いましょう。