ITreviewによるOneDrive for Business紹介
マイクロソフトが提供するオンラインストレージです。Windows 10ではOneDriveへのファイルバックアップが推奨され、デスクトップ、ドキュメント、画像と並ぶ規定の保存場所として設定可能になっていますから、個人としてのユーザーには最もなじみ深いものかもしれません。OneDriveの法人向けエディションがOne Drive for Businessです。特徴は以下のとおりです。

https://products.office.com/ja-jp/onedrive-for-business/online-cloud-storage
Office 365の一部として企業での普及度は抜群
OneDriveの最大の特徴は、マイクロソフトのオフィススイートOffice 365の一部として利用できるところです。スイート製品のプランにより、OneDriveのほか、Outlook、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、SharePoint、Microsoft Teams、Yammer などのアプリケーションと各種サービスがパッケージされています。そのすべてでOneDriveを共有ストレージとして使用できますし、その他のPCアプリケーションのファイルももちろん保存可能です。多くの企業が長年にわたって利用していたオフィススイートの操作性が踏襲できる点、実績があり馴染みが深いOSベンダーが強く推奨している点で評価が高く、企業ユーザーでは抜群に普及しています。
ビジネス向けプランとストレージ容量
Office 365と一体化して提供されるため、プランは少し複雑ですが、上限ストレージ容量は1ユーザーあたり1TBか無制限かのどちらかです。1TBの容量があれば、動画などを扱わない一般的なオフィス業務には十分といえるでしょう
プラン |
1ユーザーあたり月額 |
上限ストレージ容量 |
特徴 |
OneDrive for Business Plan1 |
540円 (年間契約の場合) |
1TB |
ビジネス向けプランとして最低コストで利用可能 |
OneDrive for Business Plan2 |
1090円 (年間契約の場合) |
無制限 |
DLP機能で機密情報保護が可能 |
Office 365 Business Premium |
1360円 (年間契約の場合) |
無制限 |
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、 Publisher(Windows PCのみ)、 Access(Windows PCのみ)の6つのアプリケーションと、 OneDrive、Exchange、SharePoint、 Microsoft Teamsの4つのサービスが含まれる。 |
Office 365 ProPlus |
1300円 (年間契約の場合) |
1TB |
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、 Publisher(Windows PCのみ)、 Access(Windows PCのみ)の6つのアプリケーションと、 OneDrive、Exchange、SharePoint、Microsoft Teams、 Yammer、Microsoft Streamの6つのサービスが含まれる。 |
Office 365 E1 |
870円 (年間契約の場合) |
1TB |
アプロケーションは含まれず、OneDrive、Exchange、 SharePoint、Microsoft Teams、Yammer、 Microsoft Streamの6つのサービスが含まれる。 |
Office 365 E3 |
2170円 (年間契約の場合) |
無制限 |
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、 Publisher(Windows PCのみ)、 Access(Windows PCのみ)の6つのアプリケーションと、 OneDrive、Exchange、SharePoint、Microsoft Teams、 Yammer、Microsoft Streamの6つのサービスが含まれる。 |
Office 365 E5 |
3810円 (年間契約の場合) |
無制限 |
Word、Excel、PowerPoint、Outlook、 Publisher(Windows PCのみ)、 Access(Windows PCのみ)の6つのアプリケーションと、 OneDrive、Exchange、SharePoint、Microsoft Teams、 Yammer、Microsoft Stream、PowerBIの7つのサービスが含まれる。 |
※Office 365 Business Premium、ProPlus、E1〜E3では1 ライセンスでユーザー1人あたり5台の Windows PCまたはMac、5台のスマートフォン、5 台のタブレットにインストール可能。
ファイルのバージョン管理は規定値で500世代
ファイルのバージョン管理(規定値では500世代まで保存)を行う場合には、過去バージョンの保管に要する容量が必要になることに注意が必要です。
Windowsのエクスプローラと一体化したファイル管理
Windowsユーザーが使いなれたエクスプローラの操作性そのままに、OneDrive内のファイル表示や操作が行えるのも特長です。ファイルの右クリックで出てくるコンテキストメニューで共有や公開を選択できるなど、一体化された操作性が便利です。もちろん、ブラウザやモバイルデバイス用アプリケーションでも、類似した操作感覚でファイル操作が可能です。
ファイル共有設定

https://products.office.com/ja-jp/business/teamwork/online-file-storage-and-sharing
OneDrive for Businessでは、組織外を含めた全ユーザー、自分の組織内のユーザー、特定のユーザーにアクセス権を付与できます。またファイル編集の許可/不許可を設定することができます。編集が許可されていないユーザーは表示のみができます。さらに閲覧可能な期限の設定、利用のためのパスワードを設定することも可能です。例えば社外のマイクロソフトアカウントを持っていない人にファイルを利用してもらうために、パスワードをつけたファイルへのリンク(共有リンク)をコピーして、メールなどで送るといった使い方もできます。
安全性
マイクロソフトのクラウドサービスでは99.9%の稼働保証(SLA)がなされています。アップロードしたデータは少なくとも2箇所以上のデータセンターに複製がバックアップされるため、災害対策としての利用にも適しています。
モバイルデバイスでの利用

https://products.office.com/ja-jp/onedrive-for-business/online-cloud-storage?rtc=1
iOS、Androidに対応するモバイルアプリが提供されています。またスイート製品としての導入の場合は、標準のモバイルデバイス管理機能を利用できます。
以上、OneDrive for Businessの主な特徴を紹介しました。マイクロソフトのオフィススイートは今でも最大シェアを持っており、パートナー企業などとのやりとりにはWordやExcelなどのファイル形式でなければ困る場合が多いのが実情です。従来からマイクロソフトのオフィススイートを利用してきた組織で、Windowsクライアントを想定した運用管理ルールやシステムが継続している場合なら、クラウド化を図るにあたって、Office 365を選ぶのが自然です。そのような組織の場合、他のオンラインストレージの利用は、まずOffice 365または、One Drive for Businessの検討や試用の後、必要に応じて検討するほうがよいでしょう。