オフィスのデジタル化を進めるには、大量に保管された紙の書類をすべて人の手でコンピュータに入力する必要があると思っている人も少なくないでしょう。
実は、OCRソフトの技術を使うとオフィスの倉庫にまとめられた大量の資料や契約書などのペーパーレス化を一気に進められます。OCRの活用によって紙のドキュメントを一括してテキストデータへと変換できるからです。そこで本記事では、目的別におすすめのOCR製品をご紹介します。
目次
OCRとはPDFをテキストデータに起こして業務効率を上げるツール
従来スキャナーで取り込んだ書類データは、PDFで保存されて、コンピュータでは識別されないのが当然でした。しかし、現代ではITの発展に伴い画像から文字を識別する機能が向上し始めています。
OCRとは、紙に印字した文字やホワイトボードの文字などを識別して、テキストデータとしてコンピュータで認識できるようになるツールです。日本語で光学的文字認識と訳されます。例えば、100人分の名刺を一括スキャンして、まとめてデータベースに取り込むことも可能です。さらには技術の進歩によって、会議で使ったホワイトボードをスマホで撮影するだけで、Wordで編集可能なファイルに置き換えることもできるようになりました。製品によってそれぞれ特徴があるため、機能や性能を把握して自社に合ったサービスを選びましょう。
無料スマホアプリでOCRを選ぶなら『Office Lens』
『Office Lens』は、Microsoftが提供しているアプリです。スマホのカメラでホワイトボードや書類を撮影して、PDF・Word・PowerPoint・Excelなどに変換できるのが特徴です。
OneNoteやOneDriveなどMicrosoftの管理ツールとも連携しており、保存したテキストデータを一元的に管理することもできます。スマホ機能を利用して無料で手軽にOCRを導入したいなら『Office Lens』がおすすめです。
買い切り型でコストを抑えてOCRを選ぶなら『PDFelement』
『PDFelement』は、ワンダーシェアーが提供しているOCRです。永続ライセンス標準版1台4,983円、プロ版1台8,317円で導入できるコストパフォーマンスの高さが魅力です。
PDFの作成・編集・変換・結合・圧縮・署名・OCRなど、PDFに関するあらゆる機能がそろっています。デスクトップはもちろん、iPhone・iPadにも対応しているので利用シーンを選びません。コストを抑えて基本的なOCRの機能を導入したいなら『PDFelement』がおすすめです。
高精度なAI機能でOCR を選ぶなら『DX Suite(AI OCR)』
『DX Suite』は、AI insideが提供しているOCRです。AIを導入した高精度なOCRで、ドキュメントに関するあらゆる作業を自動化して整理できるのが特徴です。RPAやアプリケーションとのAPI連携もできます。
手書きの文字を高精度で認識できるのはもちろん、フォーマットの違う書類をまとめて読み込んでも自動仕分け機能によって仕分け作業を最小化できます。1か月のトライアル期間であれば、基本料金30,000円〜でお試しできるのも魅力です。DX suite公式の導入事例によると、30人体制で進めていた帳票の入力・確認を1人体制までリソース削減できたと公表しています。業務効率化を目指してOCRを導入したいなら『DX Suite』をおすすめします。
電子署名などの機能をまとめたOCRを選ぶなら『Foxit PDF Editor』
『Foxit PDF Editor』は、FOXIT SOFTWAREが提供しているOCRです。PDFの作成・編集・変換・共有・ページ編集・署名・OCRなどの機能がそろっています。なかでも特筆すべきは、アマノタイムスタンプサービスと連携してドキュメントの存在証明をできる点です。
永久ライセンスで1台18,590円と導入しやすい価格に抑えられているのも魅力です。PDFに関するあらゆる機能を導入したい場合は『Foxit PDF Editor』がおすすめでしょう。
日本の大手企業が開発したOCRを選ぶなら『読取革命』
『読取革命』は、ソースネクストが提供しているOCRです。パナソニックで開発したシステムを「筆王」や「筆まめ」で知られるソースネクストがテクノロジー使用許諾を得て、販売を継続しています。Google Drive、One Drive、Dropboxといったクラウドサービスとの連携も可能です。
ダウンロード版、パッケージ版いずれも12,980円と購入しやすい価格である点も、販売本数シェア第1位に輝いた理由でしょう。日本国内の大企業が開発したOCRを導入したいなら『読取革命』がおすすめです。
大量の資料や契約書などの職場のペーパーレス化を進めよう
OCRの技術は進化しており、無料アプリで使えるもの、日本語の旧字体まで対応しているもの、AI機能で書類の仕分けまで担うものなど、それぞれに特徴があります。AI機能による自動識別は、作業人員の削減にもつなげられる費用対効果の高さがメリットです。
自社に必要な機能を搭載した製品を選んで、紙で保管した大量の資料や契約書をデジタル保管して職場のペーパーレス化を進めましょう。