電話業務を行う方も多いでしょう。しかし、集中したい作業が中断したり取り次ぎに手間がかかったりと、一日の作業効率が落ちることに不満を感じている人もいるはずです。それなら、電話業務を効率化するツールの導入を検討してみてください。

本記事では、電話業務の課題や効率化に役立つツールとその特徴について詳しく解説します。

電話業務が抱える慢性的な課題とは

仕事を行う中では、次のような人たちとコミュニケーションを取りつつ業務を進める必要があります。

  • 顧客・サービス利用者
  • 取引先
  • メーカー
  • 協力会社
  • 社内の従業員

電話でコミュニケーションを取っている企業も少なくありませんが、電話業務には様々な課題があるのをご存じでしょうか。まずは、作業効率を落としてしまうポイントについて解説します。

作業が中断される

電話業務は、本来行っている仕事を中断してしまいます。例えば、資料作成といった作業を行っているとき、急に電話がかかってきて30分程度時間を取られることもあるでしょう。電話が終わっていざ資料作成に戻ると、作業内容を忘れてしまっていることもあるはずです。

また、電話がかかってくることによって、スケジュールにズレが生じたり、残業を余儀なくされたりした経験がある人もいるのではないでしょうか。作業中断は業務の効率を下げることになるため、できる限り負担の少ないコミュニケーション方法を探し出す必要があります。

伝言や担当者への連絡が必要となる

電話業務は、本人だけではなく周りの人たちにも負担を与えてしまいます。電話先の人から担当者に変わってほしいと言われたら、本人への取り次ぎが必要です。担当者がいない場合には、代わりに電話の内容を聞いてメモを残したり、担当者に電話があったことを連絡したりする必要があるでしょう。

数分の作業ではありますが、電話業務が1日に何度も発生すると莫大な時間ロスにつながります。電話業務は社内全体の足を引っ張る課題になる場合があるので、早期解決が必要です。

テレワークの推進を阻害する

近年では、テレワークを実施している企業も多く、家や会社など場所を問わず働けるようになりました。しかし、テレワークにより社員がバラバラの場所で働くと、電話業務に大きな手間が生まれます。

取り次ぎや報告作業はもちろん、会社で働く人に集中して連絡が来るため、大幅な作業中断が発生してしまいます。あまりにも電話業務が莫大になってしまうと、テレワークどころではなくなるため、テレワークの導入・推進を阻害する要因になってしまいます。

電話業務の効率化に欠かせないツールとは

電話業務の課題を解決したいなら、効率化に欠かせないツールを把握することが大切です。電話業務改善に役立つツールは、次のように様々な目的のものがあるとご存じでしょうか。

  • 問い合わせ管理ツール
  • クラウドPBX
  • IVR
  • チャットボット

ツール導入を検討するなら、まずは自社が抱える電話業務の課題を明確にすることが大切です。次項より、目的別に利用できるツールと特徴を詳しく解説します。どのツールの適用が効果を生み出せるのか、ひとつずつ検討してください。

ツール1:問い合わせ管理ツールの特徴と機能

問い合わせ管理ツールとは、顧客情報や問い合わせ内容を一元管理できるツールのことです。特に、顧客から質問やクレームを受ける「商品販売」を中心とした企業で利用できるツールであり、カスタマーサポートスタッフの電話業務を効率化します。

例えば、顧客から受けた質問をツール内で整理することによって、スタッフ同士で情報を共有できるのが特徴です。経験年数やスキルを問わず、ツールから必要な情報を引き出せるため、電話業務の効率化を期待できます。

人手不足の解消や、効率化による人件費削減にも効果を発揮するため、近年多くのカスタマーサポートで導入されている人気のツールです。

ツール2:クラウドPBXの特徴と機能

クラウドPBXとは、クラウドを通じて電話回線を共有するツールのことです。従来、企業が設置する固定電話は企業内でしか利用できませんでした。一方、クラウドPBXはクラウドを通じて電話回線を共有できるため、テレワークといった離れた場所でも連絡できるのが特徴です。

クラウドPBXを導入すれば、リアルタイムで電話の取り次ぎができることはもちろん、各社員の自宅に専用電話を設置する必要がなくなるため、コスト縮減効果も期待できます。

テレワークを実施する際、社内作業を行う社員に電話業務の負担が集中していました。しかし、クラウドPBXを導入することによって負担を軽減し、テレワークの推進にも大きな効果を生み出せます。

ツール3:IVRの特徴と機能

IVRとは、電話自動応答システムのことです。電子音声をベースとしてガイダンスを流し、対応部署や問い合わせ内容を聞き出したのちに担当者へつなげることができます。

主にカスタマーサポートで利用されていますが、複数部署を構える企業でも、取り次ぎの手間を減らすために利用されているのが特徴です。またIVRは、電話の優先順位を付けて保留状態にすることもでき、社員の負担軽減として効果を発揮します。

クラウドで利用できることも含め、テレワークを実施する企業でも導入可能です。ガイダンスの内容は企業の仕事スタイルに合わせて調整できるため、事前設定が必要だと覚えておきましょう。

ツール4:チャットボットの特徴と機能

チャットボットとは、AI機能や自動設定を行ったチャットシステムを企業HPに設置できるツールのことです。

顧客からの連絡の中には、簡単に回答するだけで解決できる質問もあるでしょう。チャットボットを企業HP内に設置すれば、顧客が自身でチャットボットを使って疑問を自己解決できる状況を作り出せます。

なかには、HPで情報を調べて分からなかったときに、電話問い合わせを行う人もいます。チャットボットにより自己解決できる顧客を増やせれば、問い合わせ者の数を減らせるので、電話業務の手間を削減できるのが魅力です。

ツール導入のポイント

電話業務を行っている部署や担当者が、どのような目的でその業務を実施しているかを把握しましょう。営業アポに対してチャットボットで対応するとなると、取引先からの緊急対応には相応しくありません。他にも、個人情報を取り扱うような問い合わせ対応であればクラウド管理が難しい場合もあるでしょう。導入の目的を明確にし、効率化するポイントを絞ることでツール導入の成否は分かれます。「導入したことで手間が増えてしまった」「リテラシーの低い社員のアカウントがほぼ使われていない」ということになれば思わぬコストとなってしまいます。

ITツールで電話業務を効率化しよう

企業によって、電話業務に対する課題が異なるはずです。例えば、莫大な連絡を削減したい人、社員の電話の手間を削減したい人、テレワークでも電話業務対応できるようにしたい人もいるでしょう。ぜひクラウドツールを取り入れて、業務課題と向き合ってみてください。

この記事の執筆

のまこ

ライター

フリーライター。IT・地域・ECセールスを中心に、toB/toC問わず執筆。具体例を盛り込んだわかりやすい文章を心がけています。東京在中で素敵な賃貸物件を見るのが趣味。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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