働き方改革の推進やコロナ禍によってテレワークやIT化が進み、バックオフィス業務のDX化を推進する企業が増えています。しかし、いざDX化を進めたいと考えても「何から始めればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、バックオフィスのDX化の進め方を解説します。施策例やITツール導入のポイントなど、DX化に役立つ情報もまとめてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
バックオフィスのDX化の進め方
バックオフィスのDX化の進め方を、大きく4つのステップで紹介します。
1:業務を見直し、課題を洗い出す
まずは現状の業務を見直し、課題を洗い出しましょう。ワークフローを書き出し可視化すると、次のような業務課題が見えてきます。
- 2度手間の発生など非効率な業務手順がある
- 人的ミスが起きやすい業務がある
- 属人化している業務がある
ワークフローや現場で起こっている問題は、実際に業務を行っている従業員にヒアリングするとよいでしょう。
2:効率化する業務の優先順位を決める
ワークフローを洗い出し解決すべき課題を把握したら、DX化で効率化させる業務の優先順位を判断します。重要度・緊急度が高いもの、毎日行う業務など発生頻度の高いものから取り組みましょう。
例えば、損害につながる人的ミスが起きている業務や、発生頻度が多く他の業務を圧迫している業務などです。テレワーク導入など会社全体の施策があれば、ペーパーレス化や勤怠管理なども緊急性・重要度が高いと言えるでしょう。
3:ITツール・サービスの導入を検討する
DX化の優先順が決まったら、ITツール・サービスの導入を検討します。独自のシステムを構築する場合、自社に合った柔軟性の高いツールを作れますが、莫大な費用がかかりがちです。初期費用や導入まで時間がかかりにくい既成ツールも検討するとよいでしょう。
4:PDCAを回し業務改善の効果を高める
ツール導入後は、定期的に業務効率やツールの活用状況を見直します。ツールを導入しただけで満足してしまい、本当に効果が出たのか分からないケースも少なくありません。
従業員が活用できているか、効果が出ているかを検証し、改善を重ねるとDX化の効果が高まります。まずは小規模なチームで導入し、徐々に部門や会社全体に広げていくのもよいでしょう。
バックオフィスのDX化に欠かせない施策
バックオフィスのDX化の進め方をご紹介しましたが、具体的にはどのような施策があるのでしょうか。ここでは、バックオフィスのDX化に欠かせない施策を3つご紹介します。
ペーパーレス化を推進する
書類が多くなりがちなバックオフィスで取り組みたい施策が「ペーパーレス化の促進」です。書類を電子化すれば、簡単に共有・検索できるようになり業務が効率化します。書類の印刷代や保管スペースも削減可能です。法律で定められ電子化できない書類などを除き、積極的にペーパーレス化を進めましょう。
ペーパーレス化には、「文書管理システム」などのツール導入がおすすめです。文書管理システムは下記の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご一読ください。
記事:文書管理システムでペーパーレス化が進む?導入のメリット・デメリット
業務自動化ツールを導入する
ワークフローが定型化しやすいバックオフィスのDX化には、「業務効率化ツール(RPA)の導入」もおすすめです。業務効率化ツールは、PC上で行うクリックや入力作業を記憶して自動化してくれるツールです。作業が大幅に短縮され、業務効率化が期待できます。
業務を自動化するには、マクロやAIを活用する方法もあります。下記の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はご覧ください。
記事:業務を自動化したい!マクロ・RPA・AIの比較と選定ポイント
クラウドサービスを利用する
「クラウドサービス」は、インターネット上でデータを管理・共有できる仕組みです。インターネット環境があれば時間や場所を問わずに利用できるため、テレワークの普及とともに需要が高まっています。勤怠管理や経理処理など、バックオフィス業務に特化したツールも多く、近年ではセキュリティ対策も強化されています。
クラウドサービスについてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。メリット・デメリット、クラウドサービスの選び方までまとめて解説しています。
記事:クラウドサービスとは?メリデメや仕事での活用ポイントを解説
DXツール導入のポイント
DX化には、ITツールの導入が欠かせません。しかし、「ツールの選び方が分からなかった」「導入に失敗した」というケースも少なからず起こっています。ここでは、ITreviewが実施した「DX推進に関する実態調査2022」をもとに、DXツール導入のポイントを3つ紹介します。
自社に必要な機能を見極める
IT製品選びの悩みとして、51.5%の企業が「製品が自社に合うかが分からない」、43.6%の企業が「自社に合う選択軸が分からない」と答えています。
自社に必要な製品の機能や特徴は、解決したい課題が明確なほど決めやすくなります。本記事前半の「DXの進め方」でご紹介したワークフローと課題の洗い出しをしっかりと行えば、ツールを選定しやすくなるでしょう。
従業員の理解と積極的な利用を促す
同調査では、ITツールの導入が失敗した要因について、45.6%が「従業員への周知が不十分だった」と答えています。
従業員の中には、やり慣れたワークフローやシステムの変化に抵抗感を覚える人もいます。
まずはDX推進とツール導入の目的を理解してもらい、積極的な利用を促しましょう。
ほかの企業の導入例を参考にする
ツール選びに失敗したことがあると答えた企業の中で、53.5%が今後失敗しないために「導入企業の声」を決め手にしたいと考えています。
ツール導入に失敗した要因でも50%が「営業を受ける中で期待値が上がりすぎた」と答えており、ツールを提供する企業からの情報と実際の活用にギャップが出ていることが分かります。
ツールは利用してはじめて分かることも多く、実際の利用者の声が参考になるのは間違いありません。ITreviewでは、ツールを実際に利用した人のレビューを掲載しています。職種や企業規模を問わず幅広いユーザーのレビューが集まっており、ユーザー様からは、「メリット・デメリットが飾りなく掲載されている」「機能だけを見るのではなく、実体験を確認できる」との声をいただいています。客観的なレビューをツール検討の参考にしたい方は、ぜひご活用ください。
バックオフィス業務のDX化はITツールの活用がカギ
DX化は自社の課題を明確にし、必要なツールを選ぶことが重要なポイントです。業務の棚卸はもちろん、利用しているツールとの連携性も考慮しながらITツールを導入するようにしましょう。