SoftEther VPNの製品情報(特徴・導入事例)

time

ITreviewによるSoftEther VPN紹介

 筑波大学の研究プロジェクトとして開発されているVPNサービス“SoftEther VPN”。個人向けおよび大企業での広帯域かつ負荷が発生するネットワークをカバーできるVPNとして、高い拡張性と柔軟性の富んだ次世代のVPNソフトウェアです。

 これまで離れた拠点間通信を行う際、インターネットなどの公衆IPネットワークを経由して行われることが一般的でした。しかし、さまざまなデータが行き交うインターネット経由では、サーバに対して意図していない悪意あるパケットが届く可能性があり、脆弱なソフトウェアやセキュリティホールを狙った危険が潜んでいるため、安全性に欠ける点が懸念されています。

 その点、SoftEther VPNでは、離れた拠点間の通信を仮想ネットワーク上でカプセル化、暗号化して通信を行うため、互いのコンピュータで認証された正しいデータのみを送受信できます。

 複数の拠点間通信を効率化するだけでなく、VPNによるセキュアな通信により、上述したリスクの低減に役立てられるでしょう。専用線よりもさらに強力なセキュリティを無料で導入できるとともに、安定した独立のネットワークの構築が可能です。


SoftEther VPNの主な特長

・オープンソースで利用できる
・リモートアクセスと拠点間通信を可能にする
・AES256ビット および RSA 4096-bitによる強力な暗号化技術
・TCP/IPによりNATやファイアウォールを通過できる
・複数のプロトコルに対応
・クラスタリングによる大規模なVPN環境を構築
・複数のデバイスに対応


柔軟なプロトコルとブリッジ接続による拠点間通信

 現在、さまざまなVPNサービスが登場していますが、筑波大学研究プロジェクトでは、既存VPNの課題ともいえるプロトコルの制限に注目し、より柔軟性の高い新機能を搭載しています。

 その1つとして挙げられるのは、既存のVPNプロトコルとは異なる“レイヤー2”にカプセルやトンネリングの通信を設定することです。これにより通常のLAN、ルーターなどのデバイスを仮想的に実現し、“SoftEther VPN プロトコル”と呼ばれるトンネルを用いて接続することで、これまで通信が不可能だった製品に対して柔軟性の高いVPN接続を可能にします。

 離れた拠点を直接レイヤー2でブリッジ接続することにより、拠点間の通信がレイヤー2レベルで接続された状態となり、LANケーブルで直接接続したような通信を実現します。イーサネットに接続できる電子機器であれば、ほとんどの製品がVPN経由で通信できるほか、レコーダーやデジタル家電などの特殊なプロトコルを使用している機器においても、ルーティングの必要なくブリッジ接続による拠点間通信が可能です。

 また、VPNクライアントをノートPCやモバイル端末にインストールすることにより、ネットワーク外からのリモートアクセスも可能になります。“クラスタリング機能”により大規模な負荷を分散するため、企業における大容量の接続処理も可能となります。


TCP/IPベースの通信でNATやファイアウォールを通過

 SoftEtherVPNでは、拠点である“VPN Server”と、サブ拠点である”VPN Bridge”、ネットワーク外にある"VPNクライアント”という3つのソフトウェアによって、拠点間通信をリモートアクセスで実現します。プロトコルはTCP/IPポート番号を指定して通信できるため、ほぼ全てのNATやファイアウォール、プロキシサーバなどを通過できます。

 この機能は、既存VPNにはほとんどなく、規制が厳しくVPN通信ができない場合においてもSoftEtherVPNによって通信が可能となります。導入時には既存のファイアウォールの設定に穴を空けなくても良いため、設定変更によるセキュリティの低下を防ぎ、管理者の負担を軽減できます。

 SoftEtherVPNの導入により、安全なセキュリティ環境における高速アクセスが可能になるとともに、ルーターや企業ファイアウォールなどのさまざまなプラットフォームで相互接続が維持できるため、VPN通信のセキュリティ向上やネットワーク管理などの目的において活躍するでしょう。


導入方法

 実際にSoftEtherVPNを導入するにあたり、まずはWindowsおよびMacOSなどの対応可否を確認しましょう。そして「SoftEther VPN Server」をインストールします。インストールする前には、ハードディスクに30GB~100GBほどの空き容量があるか、CPUの処理速度がCore2 2.0GHz程度以上であるか、他社製のソフトウェアやファイアウォールがインストールされていないかを確認してください。Windows版ではインストーラによって自動的にインストールされるため、表示される項目に従って進めましょう。なお、SoftEtherVPNはオープンソースなため、個人や業務目的であっても無償で利用可能です。

SoftEther VPNのITreview最新受賞実績

※Grid Awardの受賞実績は「総合部門」での受賞結果のみ表示しています

SoftEther VPNの満足度、評価について

SoftEther VPNのITreviewユーザーの満足度は現在4.2となっており、同じVPNソフトのカテゴリーに所属する製品では10位、となっています。

バッジ 満足度 大企業 中堅企業 中小企業
image 4.2 3.7 4.6 4.0
レーダーチャート 価格 使いやすさ サポート品質 導入のしやすさ 機能への満足度 管理のしやすさ
4.5 4.1 3.0 4.0 4.6 4.0

※ 2025年11月11日時点の集計結果です

SoftEther VPNの機能一覧

SoftEther VPNは、VPNソフトの製品として、以下の機能を搭載しています。

  • バックボーンの提供

    全国(海外を含む)に広がる信頼性が高い共通のネットワークであるバックボーンを提供する

  • バックアップ回線

    メイン回線が故障した場合にバックアップ回線に切り替えることが可能

  • マルチデバイス対応

    PC、スマートフォンなど、さまざまなデバイスでアクセス可能

  • 閉域網でのパブリッククラウドとの接続

    パブリッククラウドにインターネットを経由せず、閉域網で接続が可能

SoftEther VPNを導入して得られた効果やメリット

ツールは導入するだけでなく、その後どんな影響があったのかが一番重要となります。 では、SoftEther VPNを導入することでどんな効果や、メリットがあるのでしょうか?実際に投稿されたレビューからその一部をご紹介します。

    非公開ユーザー

    ソフトウェア・SI|システム分析・設計|20人未満|IT管理者|契約タイプ 無償利用

    企業所属 確認済
    投稿日:

    拠点間のVPNを手軽に構築できる

    VPNソフトで利用

    良いポイント

    優れている点・好きな機能
    ・簡単にオンプレミス型VPN環境が構築できる
     一番優れていると感じているのは、やはり「無償」で利用ができる点に尽きると思います
     比較的簡単(専門的な知識は多少は必要です)で、要点さえ押さえれば構築可能です
     少し古めのユーザーインターフェースにより、とっつきやすく設定が可能で、コマンド等を必要としない点も魅力
    ・ファイアウォール越しの接続も容易に接続可能
     社内に設置されているファイアウォール越しで、各リモートワーク端末より接続が可能で
     設定ファイルの配布により、社内メンバーへの接続方法の通達も容易にできます

    その理由
    ・モバイル端末からの安全な社内アクセス
     アプリをダウンロードすることにより、簡単に社内にアクセスすることができるようにできる

    続きを開く

    非公開ユーザー

    電気・電子機器|開発|20人未満|ユーザー(利用者)|契約タイプ 無償利用

    企業所属 確認済
    投稿日:

    外部のVPNをちょっと使いたい場合に便利

    VPNソフトで利用

    良いポイント

    無料で使えるソフトで、公開されている世界各国のVPN中継サーバーに接続することができます。
    接続・切断はワンクリックで行えるため、特に一時的にVPNを使いたい場合や、動的にVPNを切り替えたい場合に便利です。

    続きを開く

    非公開ユーザー

    自動車・自転車|総務・庶務|300-1000人未満|ユーザー(利用者)|契約タイプ 無償利用

    企業所属 確認済 利用画像確認
    投稿日:

    無償利用はセキュリティに注意

    VPNソフトで利用

    良いポイント

    ユーザーです。

    IT担当に会社PC2台設定して頂き、社外からオンプレサーバーに接続する際に使っています。Windows右下のアイコンにいつもいてくれて、右クリックして接続の開始を選ぶだけでつながるのが好きです。

    セキュリティですが、数年使っていますがインシデントの報告はないようです。

    続きを開く
開発・提供元の情報

ITreviewに参加しよう!