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Marketoのユーザーコミュニティは、なぜ盛り上がるのか? 

コミュニティを牽引する“マルケトチャンピオン”に、その理由と本音を聞いた

 例えば、あるユーザーが「こういう場合は、どうすればいい?」とコミュニティーに投稿すれば、他のユーザーがすぐに「こうすればいい」と実体験をもとにした解決策を返してくれる。「こんな使い方して大丈夫かな?」とアップすると、先輩ユーザーが「大丈夫」と答えてくれる。そんなユーザー同士の活発な対話があるコミュニティーを持つのが、MA(マーケティングオートメーション)の「Marketo」だ。

 ユーザーコミュニティーを立ち上げるIT製品が増加する中、ユーザーが主体的にコミュニティーに参加しているMarketoのような例は少ない。「なぜMarketoのユーザーコミュニティーはここまで盛り上がっているのか? その魅力は何なのか?」今回は、Marketo活用による実績を評価されたMarketoチャンピオン5人にリアルトークを繰り広げていただき、ユーザーコミュニティーの魅力に迫る(取材日:2019年2月1日)。

今回お話を聞いた5人のMarketoユーザーとレビュー(写真左から)

HENNGE株式会社 水谷博明氏 : レビューを読む

株式会社UNCOVER TRUTH 河原里香氏 :レビューを読む

株式会社FORCAS 嶋田真弓氏 :レビューを読む

トレンドマイクロ株式会社 山田泰志氏

Sunity株式会社 CTO 西田正洋氏 :レビューを読む

「マーケティングを日本でもっと広めたい。でも、1人ではできることに限界が」

――ITreviewに投稿されたMarketoのレビューに「コミュニティーに助けられた」というコメントがあるように、Marketoのユーザーコミュニティーはユーザーの困り事を他のユーザーが助けてあげるというサイクルができ上がっているように思います。山田さんは、オンラインコミュニティーの管理者を担当されていますよね?

トレンドマイクロ 山田泰志氏(以下、山田氏): はい。他のユーザーの方々からの投稿を、仕事が終わった後や休日などに見て、困っている方がいれば、自分で答えられる範囲で、できるだけ返信するようにしています。

FORCAS 嶋田真弓氏(以下、嶋田氏): Marketoの使い方で何か困った時にコミュニティーに投稿すると、サポートより早く、山田さんが答えてくれます(笑)。

――それはすごい。どうして、そこまで積極的にコミュニティーへ参加していらっしゃるのですか?

山田氏: 日本のマーケティングは遅れているという危機感からでしょうか。私はずっとマーケティングに従事し、海外の情報に接しやすい立場にあることからそのことを痛感していました。今ようやく、Marketoを始めとするMAツールが定着し始め、日本でもマーケティングが職種として確立しつつあります。しかし、マーケティングを日本でも広めたいと思っていても、1人ではできることに限界があります。だからこういうコミュニティーの場で盛り上がる人を増やしていければ、マーケターの輪も広がっていくのではないかと、そう思いました。あと、海外で得たMAのノウハウをせっかくだから同じユーザーの方々にも提供できたらとも思っています。でも、そんなに難しいことはやりません。「私は分からないので、誰か分かる方いませんか?」と返信することもあります。

トレンドマイクロ ビジネスマーケティング本部 エンタープライズマーケティング部 山田泰志氏

――そのような返信でも、反応があるのは、投稿者にしてみればうれしいですよね。

嶋田氏: 私がコミュニティーに投稿し始めたのは、他のユーザーがコミュニティーで投稿して、山田さんが返信をしているのを見て、「あっ、誰かが返信してくれるんだ」と思ったからです。自ら返信するようになった今、山田さんには私の投稿に返信してもらいたので、その分、他の人たちの投稿に答えられるものは返すようにしています(笑)。

FORCAS Customer Success Manager 嶋田真弓氏

山田氏: 嶋田さん、たくさん投稿して、たくさん返信していますよね。やっぱり投稿する人と返信する人が増えていくと、みんなノってきますよね。

UNCOVER TRUTH 河原里香氏(以下、河原氏): 私がオンラインコミュニティーを見始めた時は、嶋田さんがたくさん返信している時で、それで自分も投稿してみたら、すごく早い段階で嶋田さんが返信してくれました。山田さんの恩恵が嶋田さんへ行って、嶋田さんの恩恵を私が受けているみたいです(笑)。また、水谷さんの講演動画を見て、「これ、ウチの会社でもやったら絶対いい」と取り入れているように、いろいろな方の知識をコミュニティーから分けていただいているなと感謝しています。Marketoユーザーは、いい人が多く(笑)単純に、集まりなどへ行くのが楽しみになります。

UNCOVER TRUTH PR&Marketing Department Marketer 河原里香氏

山田氏:ユーザーの方々は皆さん、マーケティングに対して前向きですよね。

Sunity 西田正洋氏(以下、西田氏): そんな中、私のコミュニティーへの参加理由は、結構ヨコシマでして。コミュニティーで活躍すると、どうやらラスベガスにタダで行けるかもしれないという話を聞きつけて(笑)。でも、投稿しているうちに、Marketoはこんなに面白いことができるというのをみなさんに知ってもらいたくなっていきました。そして、いろいろな人の質問を見ていると、「これ、結構簡単に解決できるのに」と思うこともあり、僕からのコメントでみなさんが助かるのであれば、こちらとしてもうれしいことですから、積極的に返信するようになりました。

Sunity CTO 西田正洋氏

山田氏: 私は管理者なので、オンラインコミュニティーへのアクセス数が分かるのですが、見ていらっしゃる方は想像以上にたくさんいます。投稿はしないまでも、みなさん、参考にしていただいているのであれば、ありがたいと思います。

「Marketoはいい意味で放任主義。変に空気を読む必要もない」

――オンラインコミュニティーの投稿の内容は、Marketoの使い方などが多いと思いますが、ユーザー間でマーケティング活動そのものについてディスカッションされるようなことはあるのでしょうか?

HENNGE 水谷博明氏(以下、水谷氏): マーケティング活動そのものの部分は、オンラインでというよりリアルなFace to Faceのユーザー分科会で行っています。僕はどちらかというと、リアルな場のほうが好きです。リアルの場は、それこそ「どうすれば成果が上げられるのか」といったことがテーマ。マーケティング論の話ばかりでMarketoの話を一切しないということもあります。加えて、マーケターは周りに誰も聞く人がいないという環境に置かれがちなもの。切実な悩みを聞く場としても、リアルな分科会が機能していると思います。

HENNGE Customer Success Division Deputy Division Manager Digital Intelligence Section 水谷博明氏

山田氏: 今、オンラインとリアル、ちょうどいいバランスだと思います。オンラインのほうは気軽に参加できる分、そこまで濃い話はなかなかできないですから、そのような投稿があった場合は、リアルのユーザー分科会へ誘導するようなこともあります。オンラインとリアルを使い分けられるということを喜んでくださる方も多いです。

河原氏: 正直、私も最初は、リアルのユーザー会に行くのはハードルが高かったです。

嶋田氏: そうですよね。そのような時に、オンラインで相談できる場があるのはとても助かる。慣れてきて、たまにオフラインのユーザー会に行ってみると、「あっ、オンラインで投稿している嶋田さんですよね?」と声をかけてもらえる。そこで、「女性のマーケターだけのFEMIKETO(フェミケト)という分科会があるのですが、今度来てみませんか?」って言われて、「はい、行きます。行きます」みたいな……(笑)。

水谷氏: 僕はSalesforceとの連携をテーマとしたSFKETO(セフケト)という分科会を運営しているのですが、Marketoのユーザー分科会は、いい意味で、放任主義。ベンダー主導の宣伝色強いユーザー会もあったりしますが、Marketoは、「みなさんで盛り上がってください」という感じ。そのほうが、ユーザー間は盛り上がりやすいし、変に空気を読む必要もない。ベンダーの思惑がないのが、うまく活性化させる秘訣なのかなと思います。

河原氏: それなら私も分科会に参加してみようかなと思うのですが、いろいろな「ケト」(注:Marketoのユーザー分科会は、○○ケトという名称で呼んでいる)が多すぎて、分からない…(一同笑)マルケトのほうから、もう少し、どんな分科会があるのか紹介していただければ、参加しやすくなるのかなと思います。

「どうすればいいか2カ月悩んでいたことが、他のユーザーとの会話で解決する」

――オンラインコミュニティーのほうは、分科会みたいな形にはなってはいないのですか?

山田氏: 難しい話と、簡単な話とを分けたほうがいいのでは?というアイデアをいただいたりするのですが、まだ早いかなと思っています。それよりも、今は投稿する人をもっと増やしたい。だから定期的に「超初歩的な質問でもいいからぜひ投稿してください」と投稿したりしています。それでコミュニティーへ気軽に入っていただければと思います。

嶋田氏: オンラインのいいところは、いつまでも検索できるところではないですか。過去、誰かがそのフェーズだった時の投稿を、検索すればいつでも見ることができる。あれはすごくいい。

――1つ質問したら、1つ答えてあげるみたいな自分ルールみたいなものってあるのですか?

嶋田氏: 分かるものから答えるみたいな感じですかね。別に、顔を合わせているわけではないのに、「この投稿は、山田さんが答えるかな?」って(一同笑)

山田氏: 私のほうも「これは嶋田さんに任せるかな」みたいに、まさに、あうんの呼吸のようになっていて(一同爆笑)

――コミュニティーに対するモチベーションを維持していく方法はありますか?

山田氏: 私の場合は、頑張りすぎないことですかね。変に使命感を持ちすぎると、長く続かなくなると思うのです。だから、その時々で、気分が上がってきたら投稿でもしようかなというラフな感じでやっています。水谷さんは?

水谷氏: 僕は、やりたいことをやって、話したいことを話しているだけです。Marketoのコミュニティー立ち上げ当初、コアなユーザーの方々と話していて、やっぱり他のユーザーの方々から得られるものは、すごく多いなということを体感しました。今まで自分が「これ、どうすればいいかな……」と2カ月悩んでいたことが、ユーザーの方々と会話して、PC開いて実践してみたら、その場で解決してしまう。あのスピード感と効率性が、僕の中ではすごく中毒のようになっていまして。つまりそれは、いろんな人とつながれば、その確率は確実に上がりますよね。

――ところで、みなさんはMarketo以外にもユーザー会に参加されていると思うのですが、他製品のユーザー会との違いは、どんなところでしょうか?

西田氏:私もいくつかのコミュニティーに参加していますが、Marketoは話しやすい雰囲気がありますね。なぜなのでしょうね?

水谷氏: 僕はやっぱり、ベンダーのスタンスが違うというのが大きいと思います。

西田氏: あぁ、それが理由なのかもしれないですね。ベンダー主導だと、ベンダーに乗っかっちゃえばいいや、みたいになって、聞き役に徹してしまう。

嶋田氏: 他のユーザー会だと、聞き出すだけ聞き出されて、私は何も得るものがない、と感じることがあります。「どうやって使っているのですか?」と質問ばかりされて、Marketoのようにキャッチボールをしようという雰囲気がないですね。

「使いたい海外のツールが、わずか10分でつなげられる。ビジネスのスピードは全然違う」

――Marketo自体の特徴についても教えてください。みなさん、ITreviewに投稿していただいたレビューでは、他のツールとの連携や拡張性をMarketoの良いところに挙げていらっしゃいますね

水谷氏:いろいろなツールとシームレスにつなげられるというのは、とても大きなメリットだと思います。現在、弊社でつなげているのは、SalesforceやBrightcove(動画配信)などですが、何かSaaSサービスを会社で導入するときには拡張性を重要視します。そういう観点でMarketoはWebフックという機能で、簡単にどんどん連携ができます。将来的にはBIとつなげるなど、マーケターのやりたいことの選択肢がすごく増える。これじゃないとダメという固定化された脳みそにはならない。自分がSaaSみたいになるというか。

嶋田氏:水谷さんの頭の中、SaaSなのですか?(笑)

水谷氏:いや、シームレスにいろんなものとつなげられて、発想もどんどん広がっていくというのがSaaSみたいだなと。

――嶋田さんも、マーケティング活動が変わっていく中で、ツール自体が固定化されていない、いわゆる拡張性が高い点をレビューで評価されています。

嶋田氏:はい。でも実は私、Marketoを導入した時に連携ができるって知らなかったのです。ユーザーコミュニティーに参加するにつれ、どうやらWebフックという機能があるらしいと気付きました。実際に使ってみると案外簡単で、Webフックがあるから、マーケティングの各フェーズで私がやりたいことに対し、Marketoがちゃんとついてきてくれるという経験をしました。

河原氏:そう、私も嶋田さんと同じで、最初はWebフックとかまったく知らない状態で、普通にセミナーメールを配信するなどに使っていました。使っていくうちに、例えばセミナー参加者がどれだけ集まっているかなどを定期的にチャットツールに飛ばしたいと思い始めて、そんな時、テクノロジーに詳しくない私でも調べればできた。そういったことをきっかけにGAS(Google Apps Script)やCSSも少し分かるようにもなりました。

 メール配信だと、このセグメントの人にもっとこういった情報を届けると響くのでは? と思い付くことがあり、嶋田さんの会社のFORCASと連携し、より簡易的に個別最適したメールも送れるようになりました。こういうことをやってみたいなと思った時に、違うツールと連携できて、エンジニアがいなくてもラクにできるのがすごくいいなと思います。

西田氏:僕はMarketoを導入している企業をITの面から支援する立場です。MAを選定する時にも関わらせていただているのですが、将来、必ずいろいろなツールと連携したくなるので、連携に強いツールがいいと助言させていただいています。

山田氏:弊社の場合、今ぱっと頭に浮かぶだけで、十数個のツールとつなげていますね。私がツールを検討する際には、必ずワールドワイドで使えるかというところでまず検討を始めます。Marketoは、世界でもスタンダードとして認知されているツールなので、さまざまなツールと非常に接続がしやすい。加えて、弊社では、自社システムとの連携もかなりあります。Marketoは、汎用的にスクラッチで組み合わせるということもできるので、その両方ができるというところも大きなメリットですね。

水谷氏:最近、弊社が求めているマーケティング要件というのが、国内のツールではまかなえなくなっています。日本にはない海外のツールを使ってみると、当たり前のようにMarketoと連携できる。コネクターが普通にあり、プログラミングができなくてもどんどんつなげていける。これはもう、ビジネスのスピードは全然違うと思いますね。先ほど紹介したBrightcoveは作り込みでつなげるとなると、たぶんインプリだけで2~3カ月かかると思います。それが、ものの10分もあればできる。あれを見たときに、Marketo選んでおいてよかったなと思いました。

――みなさん、本日はユーザーコミュニティーからMarketoの拡張性の高さまで、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

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