PCバックアップとは

 PCバックアップとは、クライアントPCのストレージに保存されているデータを他のストレージやメディアに退避/複製して保存するソフトウェアのこと。クライアントPCのストレージに障害が発生したり人的操作ミスによって、作業途中のデータのようなクライアントPCにしか存在しないデータが消失した場合に、バックアップしたデータを元に戻せるようにする。

 システム全体の保護を目的にサーバへインストールして利用するタイプのバックアップソフトとは異なり、クライアントPCのローカル環境で稼働させるタイプの製品が多く、管理サーバを通じてPCバックアップの動作を一元管理できる製品もある。また、最低限のバックアップ/リストア機能だけを備えた無料ツールも存在している。


PCバックアップの導入効果


データ消失のリスクを最小化

 PCバックアップの利用目的は、データの消失リスクを軽減することにある。ストレージの故障や人的操作ミスによってクライアントPCのデータが消失するケースは頻繁に発生するが、あらかじめバックアップしておくことで迅速に復旧させ、重要なデータの消失リスクを最小化することができる。

効率的なデータ管理を実現

 「Windows 10」では「ファイル履歴」という機能を使い、ファイル単位でバックアップされたデータを復元できるが、OS標準機能ではできることが限定される。より安全にデータをバックアップするためには、専用のPCバックアップを利用することが一般的。あらかじめ設定したスケジュールに従って自動的にバックアップが実行でき、効率的なデータ管理が可能となる。

バックアップ/リストア時間を短縮

 PCバックアップの中には、更新されたデータの差分だけをバックアップする機能、重複しているデータを排除して効率的にバックアップする機能、データ容量を圧縮してバックアップする機能などを搭載しているものがあり、バックアップ/リストアにかかる時間を短縮することができる。


PCバックアップの対象ユーザー


導入検討ユーザー
 ・クライアントPCの運用管理を担当する情報システム部門

利用ユーザー
 ・業務部門、管理部門のクライアントPCの利用者
 ・クライアントPCの運用管理を担当する情報システム部門の管理者


PCバックアップの機能一覧


重要なデータを安全に保管するバックアップ機能

機能 解説
フルバックアップ クライアントのローカルストレージ、及びネットワークストレージの個人領域に保存されている全てのデータをバックアップする
ファイル/フォルダの指定 ファイルやフォルダを指定し、特定のデータのみをバックアップする
スケジューラ/自動バックアップ 日次、週次などのスケジュールを組んで、決められた日時、間隔でバックアップする
リアルタイムバックアップ データの更新時などに、バックアップ先の空き容量を見てリアルタイムにバックアップする
差分バックアップ バックアップ対象のデータのうち、更新された差分データのみをバックアップする


消失したデータを素早く元に戻すリストア機能

機能 解説
フルリストア クライアントPCのローカルストレージに保存されていた全てのデータをリストア(復元)する
ファイル/フォルダの指定 ファイルやフォルダを指定し、特定のデータのみをリストアする
削除されたデータの復元 誤ってファイルを削除してしまった場合に、削除したファイルのみを復元する


バックアップの円滑な実行を支援するデータ管理機能

機能 解説
バックアップファイルの圧縮 バックアップするデータを圧縮し、ファイル容量を小さくして保存する
重複排除 バックアップするデータのうち、重複するデータ部分を省略して保存する。または同じファイルがすでにバックアップされている場合は、バックアップを省略する
世代管理 バックアップデータを複数の世代で管理する。万一、不正なデータに上書きされた状態でバックアップが行われた場合、世代をさかのぼって復元できる


PCバックアップの選定ポイント


導入形態

 PCバックアップは、オンプレミス環境に導入するソフトウェアパッケージ製品として提供されている。基本的にバックアップ対象のクライアントPCにインストールし、クライアントPCを利用するエンドユーザー自身が実行する。ユーザーによってバックアップ状況にばらつきがないように、システム管理担当者が一元的に集中管理できるPCバックアップ製品もある。そうした製品ではクライアントPCに「エージェント」と呼ばれる常駐プログラムをインストールすることで、エンドユーザーが管理ルールを意識することなくバックアップを実行できる。また、月額費用で利用できるクラウドサービスもある。

価格形態・契約形態

 PCバックアップの価格は製品によって異なる。クライアントPCに導入するスタンドアロンタイプの製品、管理サーバによって複数のクライアントPCのバックアップを集中管理できる製品のどちらもユーザーライセンスは数千円程度。管理サーバライセンスは10万円〜20万円程度。この他に、クライアントPCへインストールするための「メディアキット」を別に購入しなければならない製品もある。また、最低限のバックアップ/リストア機能だけを備えた無料ツールも存在する。

オプション

 より詳細なスケジュール設定、世代管理などのバックアップデータ管理といった高度な機能やソリューション、スマートフォンやモバイルデバイスのバックアップ機能などをオプションに設定している製品がある。


PCバックアップのシステム要件、他のシステムとの連携方法


一般的な導入方法、導入環境

 オンプレミス環境に導入するPCバックアップ製品は、ソフトウェアをインストールしたのちに、自社の使い方に合わせてバックアップするデータの領域やバックアップスケジュールなどの設定作業を実施する。通常はエンドユーザーが手間なく設定作業を行えるよう専用の管理ツールが用意されており、管理サーバから複数のクライアントPCへ一括設定できる製品もある。

導入後の運用方法、サポートの有無

 導入後の運用は、基本的にクライアントPCを利用するエンドユーザーが行うことになる。エンドユーザーのリテラシーに不安があり、確実なバックアップが難しい状況では、情報システム部門がサーバ管理型のPCバックアップを導入し、保守担当者などが運用、管理を行うケースも少なくない。

他のシステムとの連携方法

 PCバックアップ製品の中には、クラウドサービスとして提供されているオンラインストレージと連携し、オンプレミス環境のバックアップ先とは別にオンラインストレージにもバックアップする、ハイブリッド環境に対応した製品も存在している。

PCバックアップの基礎知識

 PCバックアップとは、クライアントPCのストレージに保存されているデータを他のストレージやメディアに退避/複製して保存するソフトウェアのこと。クライアントPCのストレージに障害が発生したり人的操作ミスによって、作業途中のデータのようなクライアントPCにしか存在しないデータが消失した場合に、バックアップしたデータを元に戻せるようにする。

 システム全体の保護を目的にサーバへインストールして利用するタイプのバックアップソフトとは異なり、クライアントPCのローカル環境で稼働させるタイプの製品が多く、管理サーバを通じてPCバックアップの動作を一元管理できる製品もある。また、最低限のバックアップ/リストア機能だけを備えた無料ツールも存在している。


PCバックアップの導入効果


データ消失のリスクを最小化

 PCバックアップの利用目的は、データの消失リスクを軽減することにある。ストレージの故障や人的操作ミスによってクライアントPCのデータが消失するケースは頻繁に発生するが、あらかじめバックアップしておくことで迅速に復旧させ、重要なデータの消失リスクを最小化することができる。

効率的なデータ管理を実現

 「Windows 10」では「ファイル履歴」という機能を使い、ファイル単位でバックアップされたデータを復元できるが、OS標準機能ではできることが限定される。より安全にデータをバックアップするためには、専用のPCバックアップを利用することが一般的。あらかじめ設定したスケジュールに従って自動的にバックアップが実行でき、効率的なデータ管理が可能となる。

バックアップ/リストア時間を短縮

 PCバックアップの中には、更新されたデータの差分だけをバックアップする機能、重複しているデータを排除して効率的にバックアップする機能、データ容量を圧縮してバックアップする機能などを搭載しているものがあり、バックアップ/リストアにかかる時間を短縮することができる。


PCバックアップの対象ユーザー


導入検討ユーザー
 ・クライアントPCの運用管理を担当する情報システム部門

利用ユーザー
 ・業務部門、管理部門のクライアントPCの利用者
 ・クライアントPCの運用管理を担当する情報システム部門の管理者


PCバックアップの機能一覧


重要なデータを安全に保管するバックアップ機能

機能 解説
フルバックアップ クライアントのローカルストレージ、及びネットワークストレージの個人領域に保存されている全てのデータをバックアップする
ファイル/フォルダの指定 ファイルやフォルダを指定し、特定のデータのみをバックアップする
スケジューラ/自動バックアップ 日次、週次などのスケジュールを組んで、決められた日時、間隔でバックアップする
リアルタイムバックアップ データの更新時などに、バックアップ先の空き容量を見てリアルタイムにバックアップする
差分バックアップ バックアップ対象のデータのうち、更新された差分データのみをバックアップする


消失したデータを素早く元に戻すリストア機能

機能 解説
フルリストア クライアントPCのローカルストレージに保存されていた全てのデータをリストア(復元)する
ファイル/フォルダの指定 ファイルやフォルダを指定し、特定のデータのみをリストアする
削除されたデータの復元 誤ってファイルを削除してしまった場合に、削除したファイルのみを復元する


バックアップの円滑な実行を支援するデータ管理機能

機能 解説
バックアップファイルの圧縮 バックアップするデータを圧縮し、ファイル容量を小さくして保存する
重複排除 バックアップするデータのうち、重複するデータ部分を省略して保存する。または同じファイルがすでにバックアップされている場合は、バックアップを省略する
世代管理 バックアップデータを複数の世代で管理する。万一、不正なデータに上書きされた状態でバックアップが行われた場合、世代をさかのぼって復元できる


PCバックアップの選定ポイント


導入形態

 PCバックアップは、オンプレミス環境に導入するソフトウェアパッケージ製品として提供されている。基本的にバックアップ対象のクライアントPCにインストールし、クライアントPCを利用するエンドユーザー自身が実行する。ユーザーによってバックアップ状況にばらつきがないように、システム管理担当者が一元的に集中管理できるPCバックアップ製品もある。そうした製品ではクライアントPCに「エージェント」と呼ばれる常駐プログラムをインストールすることで、エンドユーザーが管理ルールを意識することなくバックアップを実行できる。また、月額費用で利用できるクラウドサービスもある。

価格形態・契約形態

 PCバックアップの価格は製品によって異なる。クライアントPCに導入するスタンドアロンタイプの製品、管理サーバによって複数のクライアントPCのバックアップを集中管理できる製品のどちらもユーザーライセンスは数千円程度。管理サーバライセンスは10万円〜20万円程度。この他に、クライアントPCへインストールするための「メディアキット」を別に購入しなければならない製品もある。また、最低限のバックアップ/リストア機能だけを備えた無料ツールも存在する。

オプション

 より詳細なスケジュール設定、世代管理などのバックアップデータ管理といった高度な機能やソリューション、スマートフォンやモバイルデバイスのバックアップ機能などをオプションに設定している製品がある。


PCバックアップのシステム要件、他のシステムとの連携方法


一般的な導入方法、導入環境

 オンプレミス環境に導入するPCバックアップ製品は、ソフトウェアをインストールしたのちに、自社の使い方に合わせてバックアップするデータの領域やバックアップスケジュールなどの設定作業を実施する。通常はエンドユーザーが手間なく設定作業を行えるよう専用の管理ツールが用意されており、管理サーバから複数のクライアントPCへ一括設定できる製品もある。

導入後の運用方法、サポートの有無

 導入後の運用は、基本的にクライアントPCを利用するエンドユーザーが行うことになる。エンドユーザーのリテラシーに不安があり、確実なバックアップが難しい状況では、情報システム部門がサーバ管理型のPCバックアップを導入し、保守担当者などが運用、管理を行うケースも少なくない。

他のシステムとの連携方法

 PCバックアップ製品の中には、クラウドサービスとして提供されているオンラインストレージと連携し、オンプレミス環境のバックアップ先とは別にオンラインストレージにもバックアップする、ハイブリッド環境に対応した製品も存在している。