川田 康友
株式会社ジインズ|ソフトウェア・SI|ITアーキテクト|50-100人未満|IT管理者|契約タイプ 有償利用
強力なセキュリティ、しかもフィッシングメール訓練にも対応
メールソフトで利用
良いポイント
MS365 Business StandardのExchange Online です。
メールセキュリティに関してはどの企業も対策に頭を悩ませていると思いますが、ちゃんと設定すれば他社のメールフィルタや承認システムなどは基本不要なのがあまり知られていないところです。
また、スパムメールやなりすましメールなどの迷惑メールやフィッシングメールは基本的にほぼ100%近くのレベルで、遮断されるかもしくは迷惑メールフォルダに行きます。弊社も3年前に自前メールサーバーからExchange Online に移行した際、これらの迷惑メールはほぼゼロに近いレベルまでカットされるようになりました。(もちろんすり抜けて来る猛者もいますが)
また今年2022年の9月あたりから、サードパーティにフィッシングメール訓練サービスなどの除外設定が簡単になり、それまではメール除外設定などを設定しても高度なフィッシングとして必ず検疫されていたのがスルー出来るようになり、社内でのメール訓練運用が楽になりました。
当然のことながらADと親和性が高いのでアカウント設定も既存のADに連携してくれますので導入も楽です。
改善してほしいポイント
まともに機能を使いこなそうとしても、とにかく設定・管理が複雑で敷居が高すぎる、ドキュメントも煩雑に更新される上に読んでも意味不明、というところです。
特にセキュリティはDefender(WindowsのアレではなくMicrosoft365 Defender)と統合されていて、両方を理解しておかないとなかなかうまく使いこなせない点です。
弊社は一応ExchangeのSIもやっておりますので技術者もおりますが、普通の企業の情報システム部の方はちょっとついてこれないんじゃないかと考えます。もちろん、デフォルトのままセキュリティに配慮したメールサービスとして使う分には問題ないのですが、メールフローなどの承認機能まで備えたせっかくの高機能が設定の難しさからなかなか使えないのは残念です。
また、SaaSですのでネットのコンディションによってはメールの同期がかなり遅い場合(数十秒以上かかる)がありますが、こればっかりはどうしようもないですね。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
自前メールサーバーやレンタルサーバー付属のメールサーバーではとても太刀打ちできないほど強固なセキュリティをデフォルトで備えている為、「スパム・フィッシングメールの撲滅」があっさり実現できてしまいます。同様の選択肢はGoogle Workspace でも実現できますが、やはりOffice製品をメインで利用していてBusiness Standard 以上のライセンスを持っている場合はタダで使えますので、Google メインでの事務仕事をしていない限り、わざわざお金を払ってGmailを契約する意味もないかと考えます。
検討者へお勧めするポイント
自社メールサーバーを自前もしくはレンタルサーバーのメールサーバーで立てていてセキュリティに頭を悩ませている企業さんで、既にMS365のBusiness Standard 以上のライセンスをお持ちの場合は、今すぐにでも移行をお勧めします。メールボックスの移行も、現在IMAPでサーバーにメールを保管して利用されているのなら、Exchangeの方で現行のメールサーバーからメールボックスの内容を勝手に吸い取ってくれますので移行も楽ですし、何といってもADとの親和性が高いので導入時の大量アカウント設定も楽です。