良いポイント
拡張性が非常に高く、機能面で不足しているところがあっても、たいていのものは比較的スピーディに作ることが可能です。
オープンソース(オープンコア)のプロダクトであり、汎用的なニーズに対しては、Odooコミュニティ協会(OCA)のもとで数多くのオープンソースのコミュニティ機能がリリース・メンテされていますので、それら機能をうまく活用すると非常に安価で高機能なERP導入が可能です。
例えば自社では次のOCAモジュールを使用しています。
Japan Partner Title QWeb
https://odoo-community.org/shop/japan-partner-title-qweb-3619
印刷帳票の宛名に「御中」や「様」を表示。
Template Content Swapper
https://odoo-community.org/shop/template-content-swapper-715245
印刷帳票の出力内容を設定により調整。「仕入先請求書」を「支払通知書」に置換するなど。
改善してほしいポイント
徐々に改善されてきていますが、まだ日本向けのローカリゼーションが足りていないところがあります。
・税の丸め方法が四捨五入のみ(切捨てがない)
・月締請求書作成機能がない(または不十分)
・ショップ画面の住所項目の並びが日本式(都道府県→市区町村→番地の並び)でない
・メニュー検索や選択項目でのオプション選択の操作性が、日本語だとあまりよくない(これは致し方ない面もある)
など。
これらのうちいくつかはOCAのもとで管理しているオープンソースのコミュニティ機能を使用して対処することができます。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
規模が小さいながら自社でのOdoo利用して得られた一つの大きなメリットは、業務の仕組みを進化するプラットフォームに乗せたこと自体ではないかと思います。
既存業務においては、経理(Excelから)、ウェブサイト(WordPressから)、チケット管理(Zendeskから)等をOdooに移管し、事業を構築する中で、販売管理、タイムシート、経費、サブスクリプション等の機能を順次導入していきました。バージョン7.0から始め、現在は16.0を使用していますが、機能は格段に向上しています。
これら機能が統合的に使えるとメリット(コスト削減や、面倒なシステム間の同期回避等)は言うまでもなく、この先新たな事業上のニーズがでてきたときにも、大体のことはOdooでスピーディに対応できるだろうという安心感があります。
検討者へお勧めするポイント
Odooの機能面の理解に関しては、英語ながら多くのチュートリアルビデオが出されていますので、これらを観ながら実際に操作してみると仕組みがよく理解できます。
https://www.odoo.com/ja_JP/slides
多くの場合、標準機能のみで導入を済ませるのは、業務に制約を加えることになり現実的ではありません。カスタマイズが必要なときには、Odooコミュニティ協会(OCA)のソリューションを活用するとよいです。Odooサービス事業者の品質はまちまちですが、オープンソースのコミュニティ活動を積極的に行っているところであれば一定の品質は担保されるはずです。