ITreviewによるSketchUP紹介
「みんなの3D(3D for Everyone)」というコンセプトのもと、汎用3D作成ツールとしてTrimbleが開発・提供している「SketchUp」。3Dモデリングに特化した機能性や豊富なリソースから、建築設計士やインテリアデザイナーはもちろん、個人やゲームクリエーターまで幅広いユーザーに活用されています。

https://blog.sketchup.com/article/a-whole-new-way-to-sketchupより
最大の特徴は、直感的なインタフェースで習得が比較的容易であること。一般的な3D CADでは、正面・側面・上面を視点別にモニター上で作図し、それを用いたモデリングが必要です。点や線、面の要素選択などのオペレーションが複雑なため、習得するまでに経験を要すると言われています。
一方、SketchUpでは、基本的な線や形を2次元平面図に描いたあと、プッシュ・プル操作によって表面を引き出したり、押したりなどの3次元視点で3D図面を作成できます。回転や色塗りなどの編集もスケッチ感覚で行えることから、短時間で簡単にモデリングが行えます。
無償版と有料版で利用できる機能は異なりますが、基本的な3D作図であれば無償版、レンダリングなどのより高度な3D設計が必要な場合には、有料版を選ぶと良いでしょう。
SketchUpの主な特長
- 3Dモデル機能に特化
- スケッチ感覚での直感的な操作3Dモデル作成
- Webブラウザで利用可能
- Trimble Connect によるクラウド公開、共有が可能
- さまざまなファイルと相互運用可能
- 無償版、有償版を選択できる
プロの建築設計向けに開発された「SketchUp Pro」

https://www.google.co.jp/search?q=https://blog.sketchup.com/&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjykZzq_Z_kAhWZad4KHaHPCMMQ_AUIEigC&biw=1334&bih=698#imgrc=XNKZ0LYt-7uJlM:より
プロ向けの3Dモデル機能を網羅した有料ツールです。個人用途としてリリースされている無償版SketchUp Freeよりも、さらに高度な機能が搭載されているのが特徴です。設計段階に求められる構想モデルの作成に特化しているため、主に建築分野や景観シミュレーション、ゲーム設計などの分野で活用されています。
プッシュ・プルの直感的なコマンド操作に加え、多種多様な3Dモデルソースを選択できる"3DWarehouse”の利用により、Webブラウザ上の3Dファイルを直接CADへ取り込むことができます。Trimble Connectでは、クラウド上でのデータ共有や保存が可能になるため、設計プロジェクトのプラットフォームとして有効です。チームの設計作業や共有をスムーズにします。
また、無償版にはない機能として、3Dモデルから2次元図面やドキュメントを作成できるアプリケーション"LayOut”を搭載。3Dモデルのエクスポート機能をはじめ、メールでのテクニカルサポート、モデルの交差・分割・トリムなどの編集機能も備わっています。
『Sefaira』で細かな建築設計ができるSketchUp Studio

https://blog.sketchup.com/article/a-whole-new-way-to-sketchupより
先述したSketchUp Proの機能に加え、さらに”Sefaira”と呼ばれるビル建設に必要な分析システムが搭載されたツールです。多様な情報を獲得しながら高度な建築設計が可能です。
SketchUp Studioの”Sefaira”で活用できる主な機能は以下の通りです。
■エネルギー消費原単位の調査
エネルギー消費原単位などの指標を追跡し、年間のエネルギー使用量に影響している要因を探り出します。
■日光の分析
昼光率や年間日射量、直射日光などを予測し、建物全体の光の差し方やまぶしさなどを分析します。これにより、快適な空間を実現し自然光を美しく取り入れた設計が可能です。
■快適な温度の追求
作用温度や予測平均温冷感申告(快適性指標)を使用し、窓ガラスや日よけ、換気がどれくらい空間に影響を及ぼすかを分析できます。
■冷暖房空調設備のアドバイス
暖房や冷房のピーク負荷が設備規模にどの程度の影響を与えるかを分析し、それらを削減するサポートをします。
SketchUp Pro利用までの流れ
無料版で使えるSketchUp Freeでは、インストールの必要なくブラウザ上でのサインアップですぐに利用可能です。クラウドでのデータ管理ができるため、インターネット環境があればどこでもアクセスできます。
個人や業務用途として提供されている有料版では「Shop」「Pro」「Studio」がありますが、購入方法については1年更新のサブスクリプションと、期限なしのクラシックライセンスが選択できます。公式サイトより購入形態を選択し、OSのインストール方法に従ってインストールしましょう。教育向けの有料版も提供されているため、用途に合わせて最適なSketchUpを選択しましょう。