紙の名刺は紛失のリスクが高く、探す手間もかかります。一方、名刺管理ソフトは紛失リスクがなく、検索性にも優れています。しかし、名刺管理ソフトを使用する場合は、セキュリティリスクに十分注意することが重要です。万が一、名刺管理ソフトから情報が流出して悪意を持った第三者に顧客の情報が渡ってしまった場合、企業の社会的信用は完全に失われてしまうでしょう。
そこで本記事では、名刺管理ソフトを利用する際に注意すべきセキュリティリスクや名刺管理ソフトを選ぶ際のポイントについて解説します。セキュリティに優れたおすすめの名刺管理ソフトもご紹介しますので、名刺管理ソフトの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
名刺管理ソフトを使用する際に注意すべきセキュリティリスク
名刺管理ソフトを使用する際は、以下のようなセキュリティリスクに注意が必要です。
リスク1:サイバー攻撃による盗難
現在は、クラウド上に名刺情報を登録するクラウド型の名刺管理ソフトが主流です。クラウド型の名刺管理ソフトは、名刺情報の共有がしやすいといったメリットがある一方で、サイバー攻撃によって、データが盗まれる可能性があります。万が一、サイバー攻撃によって、名刺情報が悪意のある第三者に渡ってしまった場合、情報を悪用されてしまう可能性があります。これにより、企業は社会的信用を失う恐れがあります。
リスク2:SNSとの連携
名刺管理ソフトの中には、SNSと連携可能なソフトもあります。SNS連携機能は注意して使用すれば便利な機能ですが、SNSを通して顧客の名刺情報が流出してしまう恐れがあります。
リスク3:スマホの紛失
スマートフォンやタブレットの紛失、盗難によってセキュリティ事故が発生する可能性もあります。バスや電車などへの置き忘れには、十分注意しましょう。
リスク4:ヒューマンエラー
名刺管理ソフトの運営会社は、名刺のデータ化を外部の会社に委託して管理している場合があります。いくら運営元がセキュリティに注意していたとしても、委託された会社のセキュリティが甘かった場合、情報漏洩を起こす可能性が考えられます。このように、名刺管理ソフトでもヒューマンエラーによる情報漏洩の可能性がゼロではないことを利用者はあらかじめ頭に入れておきましょう。
名刺管理ソフトを利用するメリット
セキュリティに十分注意すれば、名刺管理ソフトは非常に役立つツールです。名刺管理ソフトの利用によって、以下のようなメリットを得られます。
メリット1:社内で名刺情報の共有がしやすくなる
名刺情報をクラウド上にアップすることで、部門・部署間を超えた名刺情報の共有がしやすくなります。アクセス権限を持っている社員であれば、自由にクラウド上の名刺情報を見ることが可能です。また、名刺情報と顧客情報を連携させることで、新規顧客の獲得につながる可能性もあります。
メリット2:名刺情報の検索ができる
紙の名刺を管理する場合、管理が大変な上に、欲しい情報を見つけるのに時間がかかります。一方で、名刺管理ソフトは、名刺情報を一元管理できます。これによって、名前や企業、部署などで細かく分類でき、検索すれば欲しい情報を瞬時に手に入れられます。このように、名刺管理ソフトの導入は、生産性の向上にもつながります。
メリット3:名刺紛失のリスクを軽減できる
紙の名刺は、なくしてしまう危険性があり、なくしたことにすら気が付かない可能性もあります。一方で、名刺管理ソフトの場合は、クラウド上にデータがあり名刺情報が一元管理されるため、名刺を紛失する恐れはありません。
セキュリティ対策万全!おすすめの名刺管理ソフト
最後に、セキュリティ対策が万全な名刺管理ソフトをご紹介します。
1.Sansan
Sansanは、Sansan株式会社が運営している法人向けのクラウド型名刺管理ツールです。紙の名刺をスキャンまたはスマートフォンで撮影するだけで、クラウド上にデータが蓄積されるため、業務の効率化につながります。メールの署名から得た情報も名刺データとして一元管理できるので、オンラインで築いた人脈も正確に蓄積可能です。
・Sansanの利用者レビュー
日本の会社はとにかく部署名が変わる、肩書が変わるのが当たり前で、以前から知っている人で同じ仕事をしていても部署名が変わったりしています。挨拶状などで肩書などが誤ってしまうのは失礼になるので、確認のために使用するのに便利です。
Sansanへのレビュー「日本の名刺文化には必要なアプリです。」より
2.myBridge
myBridgeは、LINE株式会社が提供する名刺管理ツールです。名刺情報の登録や検索などの便利な機能を上限なく全て無料で利用できます。LINEやメールなど、オンライン上で名刺を交換する機会が多い方におすすめの名刺管理ツールです。
・myBridgeの利用者レビュー
共有連絡帳の機能を使用し、同拠点内の社員と情報共有が簡単にできる点や
myBridgeへのレビュー「わずか数秒でハイクオリティな名刺管理ができる」より
登録していない番号からの着信があった際にも名刺に登録のある番号の場合は、
候補として表示されるため認識がしやすく気に入っています。
3.SmartVisca
SmartViscaは、株式会社サンブリッジが運営している名刺管理ソフトです。人数の多い商談でも、参加者の名刺情報を1つのURLにまとめて交換できるのがメリットです。シンプルで使いやすい画面デザインと優れた名刺管理機能から、約9割のユーザーが「使いやすい」と回答しています。
・SmartViscaの利用者レビュー
名刺情報の電子化工数の削減。
SmartViscaへのレビュー「名刺電子化アプリのリニューアル導入」より
名刺情報をSalesforceに手作業で登録していたが、SmartVisca(従量課金版)を導入することで入力工数の削減を図った。
今回のリニューアル版では、前製品の最も改善して欲しいスピードが著しく向上し使い易くなった。
4.Zoho CRM
Zoho CRMは、ゾーホージャパン株式会社が提供している名刺管理ソフトです。初期費用無料で月1,680円から導入できるハードルの低さが魅力です。世界25万社で導入されており、15日間の無料トライアル期間が設けられているため、多くの企業におすすめの名刺管理ソフトだといえるでしょう。
・Zoho CRMの利用者レビュー
不動産会社での利用なのでオーナーさんの訪問時に利用できるようにカスタマイズしています。直近で見込みがありそうな方ごとに項目を作成することができたり、PDFもアップロードできたり、投稿をchatworkなどと連動できるので、その日の進捗状況もZohoを確認しなくてもchatworkの通知で確認できるのも良いです。そのオーナーさんの詳細情報など全てZoho内で解決して作成や閲覧できるので便利です。
Zoho CRMへのレビュー「カスタマイズができる」より
名刺管理ソフトを選ぶ際のポイント
名刺管理ソフトを選ぶ際は、次の4つのポイントを意識しましょう。
ポイント1:プライバシーマークの取得有無
プライバシーマーク(Pマーク)とは、適切に個人情報の管理を行えている企業のみに使用が認められているマークです。厳正な審査の末、適切に個人情報の管理がされていると認められた企業であるため、個人情報が流失する可能性はきわめて低いです。
ポイント2:導入実績
導入実績も、名刺管理ソフトを選ぶ上で重要なポイントです。導入実績が少ないソフトよりも、多いソフトの方が安心して利用できます。実際に名刺管理ソフトを利用しているユーザーの口コミや評判を調べるのも良いでしょう。
ポイント3:2段階認証
ユーザーIDとパスワードだけでログインができてしまう名刺管理ソフトは、セキュリティ的に不十分です。パスワードのほかにSMSからの認証コードやワンタイムパスワードを取得して認証する2段階認証を行える名刺管理ソフトであれば、第三者からの不正なアクセスを防ぐことが可能です。
ポイント4:IPアドレス制限機能の有無
あらかじめIPアドレス制限を行えば、第三者に不正アクセスされる心配はありません。名刺管理ソフトを選ぶ際は、IPアドレス制限機能を搭載している製品を選びましょう。
安全な名刺管理ソフトを選び情報を守ろう
名刺管理ソフトの利用には、セキュリティリスクを伴いますが、上手く使いこなせば非常に便利なソフトです。安全な名刺管理ソフトを選び、業務効率化を図りましょう。