ITreviewによるBox紹介
Boxとは、世界の高収益企業を評価するFortune 500ランキング企業の70パーセントが採用し、世界で95,000社、国内で約5,200社の企業ユーザーを有する、グローバルメジャーなオンラインストレージサービスです。個人向け無料プラン、個人向け有償プランもありますが、メインであるビジネス向けのプランでは、利用ストレージ容量は無制限(アップロード可能なファイルサイズは5GBまで)で、主に利用機能によってプランが変わる料金形態となっています。
なお、国内販売代理店のほとんどがSIerであり、Box提供のAPIを利用した連携ソリューションが各社から多数提供されています。例えばグループウェア、メール、AI/RPA、ビジネスチャット、メール、複合機/スキャナ、ワークフロー、電子サイン、遠隔会議、EMM、認証、セキュリティ、各種業務ツールなど多数の連携ソリューションを組み合わせて利用することができます。連携ソリューションの豊富さを魅力に選んでいるユーザーも多いでしょう。
ちなみに、Box社はオンラインストレージサービスの概念を超えたクラウドコンテンツ管理を提唱し、パートナーとともに業務システム開発・運用のエコシステムを構築する方向に向かっています。日本で2019年3月に提供開始されたBox PlatformはBox連携カスタムアプリケーション(自社システムにBoxを統合)を開発する基盤であり、日本では140以上のクラウドサービスとの連携、組み合わせによるシステムのカスタマイズを可能にしています。こうした戦略は他のオンラインサービスとは異なるポイントです。オンラインストレージとしての機能比較も大事ですが、連携ソリューション導入やクラウドサービス連携も視野に入れて考慮することをお勧めします。主な特徴は次のとおりです。
ファイル、フォルダの共有がセキュア
Box契約ユーザー同士なら共有フォルダを作成してファイル共有ができます。この時、ユーザーID/パスワードだけでなく2段階認証機能を利用して、本人認証を重ねることが可能です。標準でSMSコードによる認証(ユーザーID/パスワード入力後、スマートフォンなどへログインコードがSMSで送られ、そのコード入力でログオンが完了する)が設定できます。
また、ビジネス向けに開発された製品ならではの管理機能の豊富さも魅力の1つです。例えば、管理責任をもつユーザーにも3種類の権限設定が施せます。
・管理者:最上位の権限をもつ
・共同管理者:管理者と同等の操作権限をもちながら、請求情報などにはアクセスできない
・グループ管理者:グループ作成時のグループ内管理操作権限をもつ
一方、管理される対象である一般ユーザーは、7種のアクセス権限を付与されます(編集者、共同所有者、およびビューアー、アップローダー、プレビューアーの組合せ)。
Box契約ユーザーではない、外部の人にファイルをダウンロードしてもらいたい場合は、そのファイルのリンクをメールで送信し、そのリンクからファイルをダウンロード可能することも可能です。この時、リンクにパスワードと有効期限を設定できます。
Boxへのアップロードやダウンロードなどの通信では、高強度のTLS 1.2による暗号化が行われ、データの保存時は256ビットAES暗号化が施されて複数のデータセンターに分散保存されます。また暗号化キーラッピング(暗号鍵の暗号化)も行われるため、情報漏洩リスクは最小限にできます。
保存ファイルのプレビュー、コメント、タスク付与機能が充実
ファイルをダウンロードすることなく、オンラインでプレビュー表示が可能です。Boxの場合はプレビュー可能なファイル種類が多く、WordやExcel、PowerPointなどの文書はもちろん、PhotoshopやIllustratorデータ、3Dグラフィックスやモデリングデータ、動画、オーディオ、Flashビデオなど、ファイル拡張子の種類でいえば130種以上に対応しています。
また、ファイルのプレビュー時に、共有しているユーザーや管理者がコメントやタスクを付与できるのも特徴です。特定相手だけに向けたコメント記入もできるため、例えば、「承認お願いします」「承認しました」、「〇〇の部分、修正してください」「修正完了。確認お願いします」などというように、ファイルベースの単純なワークフローを標準機能だけで実現できます。リアルタイム通知機能、メンバーへのタスク割り当て、期限設定、進捗確認も簡単に行えます。
オフラインでのファイル利用、オンライン時の同期が可能
Box Drive機能は、クラウド上のフォルダをあたかもデスクトップにあるかのように表示できます。一度利用したファイルは端末側のキャッシュデータとして保持されるため、開いた文書を外出先で編集することも可能です。オンラインになり次第にクラウド側のファイルも更新されます。
ファイルの編集や保存、バージョン履歴保持
Box上のファイルは、対応するアプリケーションで直接開くことができ、上書き保存も可能です。またBox Edit機能により、どのデバイスからでもBox上のファイルを直接開いて編集できます。編集されたファイルや新しく追加されたファイルはバージョン履歴が記録され、古いバージョンが必要な場合にもすぐに利用できます。最大で100世代のデータが保持されます。
またOffice 365やG Suiteの文書の保存先としてBoxを指定したり、GmailやOutlookなどのアプリケーションから共有リンクを送信したり、受信したメールの添付ファイルをBox上に保存することも可能です。
検索とお気に入り
キーワードによる検索結果を、ファイルタイプ、ファイルサイズ、変更日、ファイル所有者、メタデータなど絞り込むことができます。よく使うファイルは「お気に入り」設定をすれば、いつでもすぐに表示・利用できるようになります。なお、メタデータはBox上でテンプレートを用いて設定できます。例えば小売業では「ライン」、「カテゴリ」、「高さ」、「幅」、または「マーケティング承認済み」などの属性を設定し、ファイルにはその属性項目の値を入力します。すると「高度な検索」のメタデータ検索機能で目的の属性値をもつファイルを簡単にフィルタできます。ファイルやフォルダの整理にも便利です。
モバイルアプリとBox Capture
iOS、Android端末用の無償モバイルアプリが利用できます。またiOS用には写真、音声、動画、文書のスキャンデータなどを直接BoxにアップロードできるBox Captureが用意されています。例えば工事現場の状況を動画で本部に知らせるなど、これまでにない業務効率化やサービス品質向上が可能になっています。
ログの取得、保存期間
常時利用状況のログを取得し、表示やレポートが可能です。約80種のログを取得し、必要な種類だけを表示、エクスポートできます。必要なログを提起的にエクスポートして企業側で保管する運用にすれば、長期保存が可能になり、監査業務も効率化します。