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マツリカのカスタマーサクセス事例-顧客の売り上げを23.5%向上、その驚きの試みとは

営業支援ツールベンダーとして、顧客企業への営業コンサルティングまで徹底伴走

SFA

カスタマーサクセス事例:カスタマーサクセスの夜明けとは
製品・サービス提供後も、顧客企業の成功を第一として積極的に伴走を続ける「カスタマーサクセス」を取り入れようとする動きが日本でも活発化し始めている。本連載ではカスタマーサクセスに取り組む企業とその立役者を連載形式で取り上げ、具体的な施策やうまく推進するための秘訣などを紹介する。


 テクノロジーの力で人が夢中になる状態を数多く生み出す――「世界を祭り化する」をミッションに掲げ、その第一弾として、営業パーソンを「祭り化」するために、クラウド営業支援ツール「Senses(センシーズ)」を提供するマツリカ。従来のSFAにある顧客管理、案件管理といった管理機能に加え、蓄積された営業情報からAIアルゴリズムが成功/失敗事例を解析する機能をSensesが有していることに評価が集まり、利用企業は2019年4月で1,000社を超えている。

 Senses導入企業に対し、カスタマーサクセスマネジメントを実践しているのが、中谷氏が率いるカスタマーサクセスマネジメントチームだ。「私たちが提供するプロダクトは営業支援ツールなので、カスタマーサクセス実践の目的も、顧客の売り上げ向上になります」と言う中谷氏に、具体的なカスタマーサクセスの成果を伺うと、「ツール利用者である営業担当者1人当たりの売り上げを1年間で23.5%向上させました」という答えが返ってきた。同社のカスタマーサクセスチームは、どのようにして、そのような大きな成功へ顧客を導いているのか。詳しくお話を伺った。

カスタマーサクセスチームには3つの役割。アカウントマネージャーは、セールスコンサルティングのような役割を担う

――貴社は、いつからカスタマーサクセスに取り組まれていますか?

中谷氏: 2015年4月に創業して、Sensesというサービスをローンチした当初から、カスタマーサクセスを実践すべきという概念はありました。創業者がもともとSaaSビジネスの経験があり、カスタマーサクセスの重要性を理解した上で事業をスタートしていましたから、早い段階から営業部門にカスタマーサクセス担当を置いて活動を行っていました。カスタマーサクセスマネジメントチームとして組織化されたのが、2018年11月。最初は3人の部隊でしたが、顧客数が増えるにつれ、現在は10名ほどのチームになりました。

中谷 真史氏 株式会社マツリカ Managing Director 兼 Sales Science Lab. 代表

――カスタマーサクセスを担当されるメンバーの方々は、どのように役割分担をされていますか?

中谷氏: メンバーの役割は3つあります。1つは、CX(カスタマーエクスペリエンス)&アナリティクスという役割。CXはチャットに来るお客さまからの問い合わせに対応し、アナリティクスは自社のデータサイエンティストと協力しながら、お客さまの利用状況から傾向を分析する役割を担います。2つ目の役割が、オンボーダー。契約していただいたお客さまへいわゆる導入支援を行います。そして、もう1つの役割が、アカウントマネージャー。導入企業に対してセールスのコンサルティングのような活動を行います。オンボーダーによってツールを使いこなせる状態になったお客さまが、どう成果を出していくか、つまりお客さま自身の売り上げをどうやって向上させるかといったことを担うのが、アカウントマネージャーです。

――カスタマーサクセスチームのKPIはどこに設定されていますか?

中谷氏: KGIに近いところでいうと、アップセルレートとチャーン(解約)レートです。前月のMRR(月間定額収益)に対して、いくら自分たちが積み増したのか、失ったのかを見ています。もう少しブレークダウンした目標としては、月ごとの新規案件の発生数。私たちカスタマーサクセスマネジメントチームも営業の一部であるという考え方があり、既存のお客さまから新しい案件を獲得するという目標も掲げています。あとは、導入開始3カ月のオンボード状況が最もチャーンと相関するということがデータサイエンティストの分析から見えてきているので、3カ月以内のオンボーディング実施率もKPIとして設定しています。早く使いこなしていただくことで、解約率が減りますし、アップセルのチャンスも早く、多く訪れるということになります。

顧客の声は、素早くプロダクト改善に活用。毎週、新たな機能をリリース

――貴社では顧客の声をどのように集めていらっしゃるのでしょうか?

中谷氏: 大きくは3つの集め方があって、1つ目はお客さまに直接お会いする「ハイタッチ」で声を聞くパターン。2つ目はチャット。お客さまからは、製品サイトに設置されているチャットを通じていつでも問い合わせをいただきます。そこで声を拾い上げています。3つ目は、私たちのほうから声を取りに行くパターンがあります。データサイエンティスト部隊がビッグデータ解析で統計的に、うまく使えているお客さまはどういった使い方をしているのかを導き出しているため、それと照らし合わせて、うまく使えているお客さまはどんな点が気に入っているのか、うまく使えていないお客さまはプロダクトに対してどんな思いを抱いているのか、まだ顕在化していない声を私たちが意識して取りに行くようにしています。

――そのようにして集めた声をどのように活用していらっしゃいますか?

中谷氏: プロダクトの改善にお客さまの声を生かすことが1つあると思います。お客さまからのチャットでの問い合わせや、私たちがお客さまから直接聞いたことは、チャットツールの中の専用チャネルへすぐに入力するようにしています。それを一覧化して、プロダクトマネージャーがいったん、プロダクト改善や機能開発の優先順位づけをします。それに対して、この優先順位でいいかどうかのすり合わせをカスタマーサクセスマネジメントチームと毎週行っています。

 プロダクトマネージャーは、将来的なプロダクトの価値になるかどうかという視点で優先順位を付けますが、私たちは、その機能がないことによって解約につながってしまうかという点や、単純にその機能を求めているお客さまの社数を見て優先順位を決めたいと思っています。お互い違う軸で見ているので、そこをすり合わせます。このようなフローにしたことで、プロダクト改善のスピードも速くなり、毎週のように、何かしらの機能追加などをリリースしていますね。

カスタマーサクセスの提供価値は、顧客に営業改善のためのインサイトを与えること

――カスタマーサクセス実践企業では、顧客の利用状況をヘルススコアなどで可視化しているケースも少なくありません。貴社の場合は?

中谷氏: ヘルススコアとしては、定量的、定性的な部分でスコアリングしています。定量的にはアクティブ率と各機能の利用率を、定性的には「いかに経営にインパクトを与える使い方をしているか」というポイントを重要視しています。どちらも、売上に直結しているかという軸で見ていることが特徴です。Sensesは単に管理、可視化、効率化をするためだけではなく、「売上を上げること」を目標にしているツールであるからです。

――カスタマーサクセスチームの3つ目の役割、アカウントマネージャーはどのような活動を行っていらっしゃいますか?

中谷氏: 私たちのプロダクトの価値を伝えつつ、このツールをどう使えば、お客さまの売り上げが上がるのかを顧客である営業マネージャーに伴走しながら、コンサルティングしていきます。顧客の成功を導き出すことが、カスタマーサクセスマネジメントの主務。私たちのツールを使うことで、顧客にもたらされる成功とは、業務効率化などではなく、業績の向上、売り上げの向上であると私たちは捉えています。私たちのツールはそれを実現できるツール。だから、アカウントマネージャーの活動も自ずと、まるでセールスコンサルティングのような活動になります。

 お客さまはどうやったら売り上げが上がるかという再現性のあるアプローチを知らないケースも少なくないので、どういうアプローチをすればいいのか、どうすれば売り上げが上がるのかということを解明してあげれば、それはお客さまの経営上、とても大事な指標になります。私たちがお客さまへ提供できる最終的な成果は、業績の向上で、そのために必要なのは、お客さまに営業改善のためのインサイト(気付き)を与えること。それこそが私たちの提供価値です。

私自身、お客さまのもとへお伺いすることも少なくないのですが、顧客企業の営業内容に対し、課題を提示し、その上で売り上げ向上のために何をすべきかをプレゼンテーションすることもあります。その時は、例え顧客が大手有名企業であったり、役職者であったりしても正直に課題を提示させていただいています。

カスタマーサクセス実践で、ツール利用者1人当たりの売り上げを年間23.5%向上という驚くべき成果をたたき出した

――そのように活動するカスタマーサクセスチームは、これまでどのくらいの成果を上げられていますか?

中谷氏: 2018年12月に全導入企業を対象に取ったデータによると、私たちの営業支援ツールを使った顧客企業の営業担当者1人(1ID)当たりの売り上げを、年間で23.5%も向上させていました。これは、AIが成功/失敗事例を解析する組織ナレッジ活用型の営業支援ツールであるというプロダクトそのものの良さや、毎週のように新たな機能をリリースし続けていることの成果であると同時に、私たちカスタマーサクセスマネジメント担当が売り上げ向上のためにセールスコンサルティングし、お客さまに伴走し続けたことの成果でもあると自負しています。

――ユーザー1人当たりの売り上げを年間23.5%も向上とは、驚くべき成果ですね。

中谷氏:私たちも、ここまで顧客の成功を導き出せているとは……と驚いた数値でした。メンバーは全員、やればできるとイキイキ働いていますし、カスタマーサクセスマネジメントにも確かなプライドを持って取り組んでくれています。

――貴社自身も、このツールを使っていらっしゃいますよね?

中谷氏:はい。セールスで使うのはもちろんのこと、カスタマーサクセス、採用、広報などの部署でも使っています。営業支援ツールとはいえ、案件の進捗管理機能は幅広い業種・職種において活用できるんです。例えば製造業において、MD(マーチャンダイジング)の企画があって、フィジビリティテストをして、製造して、販売して……というように案件を動かしていくのにも使えます。採用でいえば、母集団形成があって、応募者と連絡を取って、その後一次面接、二次面接と、案件の進捗を管理しながら、どんなアクションが採用につながったか、つながらなかったかをデータとして可視化する。そんなことにも使えます。

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