【2025年】会計ソフトのおすすめ10製品（全37製品）を徹底比較！満足度や機能での絞り込みも

会計ソフトの基礎知識

会計ソフトとは、企業や個人事業主が行う帳簿管理や決算業務を効率化するためのシステムのことです。主に仕訳入力やレポート作成、税申告の補助などを自動化し、経理負担の軽減が可能です。

従来までは、紙の帳簿やExcelで処理していた経理作業ですが、会計ソフトの導入によりデータの一元管理を実現できるようになります。また、銀行口座やクレジット明細との連携により、仕訳自動化が実現できるのも魅力です。

具体的な活用事例としては、freee会計やマネーフォワードクラウド会計などが挙げられます。これらのサービスは、インボイス制度対応や電子帳簿保存法への準拠といった機能も備えています。結果として、経理業務の属人化を防ぎつつ、法令遵守と業務効率化を両立できる手段として近年注目を集めています。

会計ソフトのタイプ別おすすめ製品10選

自動化重視の汎用クラウド型

中小企業や個人事業主向けの定番型

大手企業や会計事務所向けの専門型

会計ソフトの人気おすすめ製品比較表

会計ソフトの種類

クラウド型の会計ソフト

インストール型の会計ソフト

会計ソフトの導入メリット

経理業務を効率化できる

財務状況を可視化できる

コンプライアンス強化につながる

会計ソフトの導入デメリット

導入や運用に初期費用やランニングコストが発生する

既存の業務フローやシステムとの整合性が課題になる

操作方法の習得や社内研修などで定着に時間がかかる

会計ソフトの機能一覧

勘定科目の設定

取引入力・仕訳

集計・資金繰り管理

決算

予算管理、経営分析

会計ソフトの選び方と比較のポイント

①：クラウド型かインストール型か確認する

②：費用対効果やライセンス体系を確認する

③：業種や企業規模に合った会計ソフトを選定する

④：必要な機能や拡張性が備わっているか確認する

⑤：セキュリティ対策や法令遵守の体制を確認する

⑥：サポートの品質や導入後のフォローを確認する

⑦：外部システムとの連携やAPIへの対応を確認する

会計ソフトの導入で注意すべきポイント

勘定科目や帳簿形式に柔軟性はあるか

インボイス制度への対応状況はどうか

電子帳簿保存法への対応状況はどうか

会計ソフトの価格・料金・費用相場

【中小企業向け】会計ソフトの価格相場

【中堅〜大企業向け】会計ソフトの価格相場

会計ソフトでよくある質問 | FAQ

Q：会計ソフトと確定申告ソフトの違いは？

Q：税理士と会計ソフトはどっちの方がいい？

Q：無料で使える会計ソフトはある？

Q：個人事業主向けでおすすめの会計ソフトは？

Q：法人や企業向けでおすすめの会計ソフトは？

Q：freeeとマネーフォワードは結局どっちがいいの？

会計ソフトの最新トレンド2025

AIによる自動化と業務効率化の加速

クラウド連携やモバイル対応の進化

法令対応やコンプライアンスの強化

AIチャットボットによるサポートの充実

会計ソフトと関連のあるソフトウェア

会計ソフトのタイプ別おすすめ製品10選

会計ソフトの主なタイプ

• ①：自動化重視の汎用クラウド型
• ②：中小企業や個人事業主向けの定番型
• ③：大手企業や会計事務所向けの専門型

自動化重視の汎用クラウド型

クラウド環境での利用や業務自動化、リアルタイム経営管理を重視する企業向けの会計ソフトです。インターネット環境があればどこでも利用でき、AIや自動仕訳などの機能で日常業務の効率化を実現できます。

自動化重視の汎用クラウド型

• freee会計：社内情報と業務を一元管理し、AIで経理・人事を効率化
• マネーフォワード クラウド会計：自動仕訳やリアルタイム経営レポートで業務負担を軽減
• 弥生会計 Next：初心者でも使いやすく、帳簿・決算・請求・経費精算を自動連携

中小企業や個人事業主向けの定番型

中小企業や個人事業主が、導入しやすさやサポート体制、コストパフォーマンスを重視して選ぶ定番型の会計ソフトです。初めて会計ソフトを導入するユーザーや、専門知識がなくても安心して使える設計が特徴です。

中小企業や個人事業主向けの定番型

• 弥生会計：初心者でも安心の操作性と全国の会計事務所との連携
• 会計王：小規模事業者向けに特化し、AI自動仕訳や充実サポート
• 財務大将：シンプルな設計で中小企業の基本的な経理業務をカバー

大手企業や会計事務所向けの専門型

大企業や会計事務所など、複雑な会計処理や高度な管理機能、他システムとの連携を重視する組織向けの専門型会計ソフトです。複数部門管理や経営分析、専門家との共同利用、セキュリティやサポート体制も充実しています。

大手企業や会計事務所向けの専門型

• 勘定奉行クラウド：専門家と共同利用でき、取引入力を自動化
• PCA会計DX：多業種対応で経営分析や各種管理帳票の出力が可能
• ACELINK NX-CE：会計事務所に最適化され、専門性の高い業務に対応
• FX4クラウド：大企業向けに複雑な会計処理や多拠点管理を実現

会計ソフトの人気おすすめ製品比較表

製品名	ユーザー満足度	レビュー数	価格
会計王	4.3/5点	62件	44,000円～
マネーフォワード クラウド会計	4.1/5.0点	96件	3,980円～
freee会計	4.0/5.0点	173件	2,980円～
弥生会計	4.0/5点	63件	50,000円～

※Leader製品のうち、2025年5月23日時点における満足度の高い順番で表示しています。

各おすすめ製品の機能の有無や操作性、サポート品質や料金プランなど、さらに詳しい比較表は、こちらの「製品比較ページ」から確認することができます。

会計ソフトの種類

会計ソフトの種類

• クラウド型の会計ソフト
• インストール型の会計ソフト

クラウド型の会計ソフト

クラウド型会計ソフトは、インターネット経由で利用できる利便性の高い会計管理手段です。クラウドサーバーにデータを保管するため、PCや場所を問わずアクセスでき、テレワーク環境にも適しています。

さらに、自動仕訳や銀行口座・クレジットカードとの連携機能により、作業効率化とミス削減を実現します。

例として「freee」や「マネーフォワードクラウド会計」などがあり、月額利用料を支払うことで常に最新の機能が使える点が支持されています。

したがって、中小企業やスタートアップにとって業務負担軽減と導入コスト削減に寄与する有効な選択肢です。業務規模の変化に柔軟に対応できる拡張性も、選ばれる理由のひとつといえます。

インストール型の会計ソフト

インストール型会計ソフトは、パソコンに直接ソフトを導入して使用する従来型の会計管理方式です。インターネット環境に依存しないため、セキュリティ面での安心感や安定動作が評価されています。

このタイプは「弥生会計」などに代表され、一括購入による所有モデルにより長期的なコストを抑えられる点が魅力です。ネット接続が制限される環境や、外部アクセスを最小限にしたい業種に向いています。

結果として、一定規模以上の企業や経理処理を自社内で完結させたい法人にとって有力な選択肢となります。自社システムとの親和性を重視する企業においても根強い支持を集めています。

会計ソフトの導入メリット

会計ソフトの導入メリット

• 経理業務を効率化できる
• 財務状況を可視化できる
• コンプライアンス強化につながる

経理業務を効率化できる

会計ソフトのメリットの1つ目としては「経理業務の効率化が図れる」というものが挙げられます。日々の仕訳作業や帳簿管理を自動化できるため、繰り返し作業の削減による人的コスト削減が期待できます。

例えば、銀行口座やクレジットカード、POSシステムとAPI連携を行えば、日々の取引明細が自動で取り込まれます。このように、取引データの入力作業を自動化することで、ヒューマンエラーの回避やチェック作業の負担軽減が可能になります。

結果として、経理担当者はより高度な業務に時間を使えるようになり、業務効率の全体最適が図れます。また、属人化していた業務の標準化が進み、業務フローの明確化とチーム全体の生産性向上にも貢献します。

財務状況を可視化できる

会計ソフトのメリットの2つ目としては「財務データの可視化と迅速な意思決定が可能になる」というものが挙げられます。リアルタイムで数値が反映されるダッシュボードにより、経営層が瞬時に状況を把握できる可視化機能が大きな利点です。

特に、クラウド型の会計ソフトは、資金繰りや利益率、部門別収支などのデータをリアルタイムで更新・表示します。そのため、月次や四半期ごとの決算処理を待たずに素早く課題を把握し、即座に対応できる機動力が得られます。

これにより、経営者や管理職が必要なときにすぐに正確な情報を確認でき、将来的な投資判断やリスクマネジメントにも寄与します。スピーディーな経営判断と適切なPDCAサイクルの実行に繋がる点は大きな競争優位といえるでしょう。

コンプライアンス強化につながる

会計ソフトのメリットの3つ目としては「法令遵守や監査対応の精度が向上する」というものが挙げられます。税制改正や電子帳簿保存法などの変更に即時対応可能なソフトが多く、制度対応への柔軟性と正確性の確保が大きな利点です。

たとえば、電子インボイス制度への対応や、仕訳の監査ログ機能により、証憑の保存と改ざん防止が可能になります。これにより、税務調査や監査対応の準備負担を軽減し、内部統制の質的向上が見込まれます。

また、クラウド型であればデータのバックアップやアクセス管理機能も整備されており、リスクヘッジにも有効です。企業の信頼性確保やガバナンス強化を実現するための基盤整備として会計ソフトは有力な選択肢です。

会計ソフトの導入デメリット

会計ソフトの導入デメリット

• 導入や運用に初期費用やランニングコストが発生する
• 既存の業務フローやシステムとの整合性が課題になる
• 操作方法の習得や社内研修などで定着に時間がかかる

導入や運用に初期費用やランニングコストが発生する

会計ソフトのデメリットの1つ目としては「導入や運用にコストが発生する」というものが挙げられます。初期費用に加えて、月額の利用料金やアップデート費用が継続的に発生するため、特に中小企業にとっては導入障壁となるコスト負担が問題になります。

さらに、運用にはシステム管理や社員教育といった人的コストも伴います。そのため、社内リソースの制約がある企業にとっては運用体制の構築が難しい可能性があります。

このような場合は、クラウド型で初期費用が抑えられる製品を選んだり、IT導入補助金制度を活用することが有効です。無料トライアルやスモールスタートによる段階的な導入を検討することで、費用対効果を見極めることができます。

既存の業務フローやシステムとの整合性が課題になる

会計ソフトのデメリットの2つ目としては「既存業務との整合性に問題が生じやすい」というものが挙げられます。新しいソフトを導入する際に、従来の業務フローや社内システムと連携できない場合が多く、業務の分断が起こる可能性があります。

特に、ERPや在庫管理などの基幹システムと接続できないケースでは、データの二重入力や確認作業が必要になります。このような作業負荷の増大や手戻り作業の発生が、現場の業務効率をかえって低下させるリスクにつながります。

これに対応するためには、導入前にAPI連携やCSV出力などの機能を詳細に確認することが重要です。社内の業務設計とIT環境に適した製品選定とベンダーとの連携強化によって、ミスマッチを回避することが可能です。

操作方法の習得や社内研修などで定着に時間がかかる

会計ソフトのデメリットの3つ目としては「習得に時間がかかり、定着までに負荷がかかる」というものが挙げられます。ソフトによっては専門用語が多く、操作方法も複雑なため、導入直後に業務効率が一時的に低下する習熟負担が発生します。

特に、経理部門以外の社員が利用する場合、システムの操作に慣れるまでに一定の時間がかかるのが一般的です。また、十分な研修を行わないまま運用を開始してしまうと、入力ミスや管理漏れといったトラブルが起こる可能性があります。

これを防ぐには、マニュアルやチュートリアルの整備、社内向けの操作研修の実施が必要です。初期導入フェーズにおける教育体制の構築と社内サポートの整備によって、スムーズな定着を実現できます。

会計ソフトの機能一覧

勘定科目の設定

機能	解説
業種別テンプレート	あらかじめ用意された業種の選択により、その業種で標準的に使われる勘定科目が自動設定される
ナビゲーションによる設定	ソフトのナビゲーションに従うことで必要な勘定科目の設定が可能

取引入力・仕訳

機能	解説
振替伝票入力	借方と貸方に取引を入力するもので、最も基本的な複式簿記による入力方式
帳簿形式入力	1つの勘定科目を固定して、相手科目と金額等を入力する方式
電子明細自動連携	銀行口座（オンラインバンキング）やクレジットカード、電子マネーなどの取引データ（電子明細）を取り込んで自動で仕訳を行う
家事案分	自宅で事業を行ってる場合、経費の科目ごとに事業と家事の割合を登録することで自動的に案分して仕訳する

集計・資金繰り管理

機能	解説
試算表、各種集計表の作成	残高試算表、残高推移表、仕訳日計表、消費税集計表、補助残高一覧表などを作成する
資金繰り管理	回収予定表や支払予定表など各種資金繰り資料を管理する

決算

機能	解説
総勘定元帳	仕訳帳から全ての仕訳取引を勘定科目ごとに転記した総勘定元帳を作成する
決算書	法人用の損益計算書（P/L）や貸借対象表（B/S）、個人事業主用の青色申告書などを作成する
減価償却費／固定資産台帳	設備や備品を購入した場合の減価償却を計算する。減価償却資産集計表や原価償却資産増減統括表などにより資産状況を一覧表示できる

予算管理、経営分析

機能	解説
予算実績対比表	予算と実績を比較して達成率を自動集計する。部門対比できる
キャッシュフロー計算書	損益計算書や財務諸表では見えない現預金の流れを表すキャッシュフロー（営業活動／投資活動／財務活動）を作成する
比率分析	財務諸表などの金額から比率を求めて分析を行う
損益分岐点分析	利益と損失を分ける売上高（分岐点）から、売り上げや費用の目標を設定する
比較財務諸表	過去数年間の財務比較を行う

会計ソフトの選び方と比較のポイント

会計ソフトの選び方と比較のポイント

• ①：クラウド型かインストール型か確認する
• ②：費用対効果やライセンス体系を確認する
• ③：業種や企業規模に合った会計ソフトを選定する
• ④：必要な機能や拡張性が備わっているか確認する
• ⑤：セキュリティ対策や法令遵守の体制を確認する
• ⑥：サポートの品質や導入後のフォローを確認する
• ⑦：外部システムとの連携やAPIへの対応を確認する

①：クラウド型かインストール型か確認する

会計ソフトの選び方の1つ目としては「クラウド型かインストール型か確認する」という方法が挙げられます。

現在主流となっているクラウド型は、インターネット環境さえあればどこでも利用可能な利便性が特長です。テレワークや外部との情報共有が多い業種にとって、クラウド型は業務効率化に直結する重要な選択肢です。

一方で、セキュリティポリシー上、社内ネットワーク内でしかシステムを稼働させられない場合には、オンプレミス型の導入が適切な選択肢となります。インストール型はデータの保存場所を自社で管理できるため、機密性の高い会計データの保護を重視する業種に向いています。

また、クラウド型とインストール型には、導入費用・運用管理・アップデートの仕組みなどで明確な違いがあります。クラウド型は月額課金制で初期費用が抑えられる一方、インストール型は一括購入で長期利用時のコストが安定するケースもあります。

クラウド型
無償で利用できるものから有償のものまで幅広い選択肢があります。有償の場合、契約形態は月額や年額を基本とし、ランニングコストがかかりますが、初期費用は不要です。複数ユーザーで会計ソフトを利用したい場合、クラウド型が最もコストを抑えられます。

インストール型
初期費用として1ライセンスあたり数万円〜10万円前後が必要です。月額費用などのランニングコストはかかりません。一般的には毎年最新バージョンが発売され、新しいバージョンが発売されるまでは法改正や機能やセキュリティの更新に無償で対応することが一般的です。

②：費用対効果やライセンス体系を確認する

会計ソフトの選び方の2つ目としては「費用対効果やライセンス体系を確認する」という方法が挙げられます。

会計ソフトには初期導入費用だけでなく、月額・年額の利用料金、追加機能の課金体系など多様なコスト要素があります。価格が安いからといって飛びつくのではなく、運用期間全体でのコストパフォーマンスを見極めることが重要です。

クラウド型では「サブスクリプション方式」が主流で、月額料金にサポート・自動アップデートなどが含まれる包括設計が特徴です。一方、インストール型では一括購入が基本となり、サポートやアップグレード費用が別途発生することがあります。

また、ユーザー数やデータ容量によって変動するライセンス体系の柔軟性も重要なチェックポイントです。将来的な拡張を見据えて、追加ライセンスの費用や条件を事前に確認しておくことで、想定外の出費を防ぐことができます。

③：業種や企業規模に合った会計ソフトを選定する

会計ソフトの選び方の3つ目としては「業種や企業規模に合った会計ソフトを選定する」という方法が挙げられます。

会計業務の特性は業種ごとに異なり、原価管理や部門別集計などの業種特化型機能を搭載しているかが重要です。たとえば、製造業には工程別原価管理、飲食業にはPOSとの連携機能があるソフトが適しています。

また、企業の規模によっても必要な機能や処理量は大きく異なるため、中小企業向けか大企業向けかの最適設計かを見極める必要があります。小規模事業者であれば、操作性が高く低価格なクラウド型ソフトが導入しやすく、担当者の負担を軽減できます。

一方、大企業やグループ企業の場合は、連結会計・部門別会計・IFRS対応などの高度な要件対応が不可欠です。ERP連携や内部統制支援の機能が充実しているソフトを選ぶことで、統合的な経営管理体制の構築が可能となります。

④：必要な機能や拡張性が備わっているか確認する

会計ソフトの選び方の4つ目としては「必要な機能や拡張性が備わっているか確認する」という方法が挙げられます。

会計業務に求められるのは仕訳入力や決算書作成にとどまらず、請求書発行・固定資産管理・消費税申告対応など多岐にわたります。必要な機能があらかじめ搭載されているか、もしくは拡張できる構造かを事前に見極めることが重要です。

特に成長途中の企業や多角化を目指す企業では、将来的な業務拡大に対応できる柔軟性が求められます。APIや外部連携に対応した製品であれば、他の業務ソフトや分析ツールとの統合が容易で、データ活用の幅が広がります。

また、業務の自動化や効率化を進めたい場合には、AI仕訳やレポート自動生成などの先進機能も検討すべきポイントです。単なる記帳ツールではなく、経営判断を支えるインフラとしてソフトを活用する視点が欠かせません。

⑤：セキュリティ対策や法令遵守の体制を確認する

会計ソフトの選び方の5つ目としては「セキュリティ対策や法令遵守の体制を確認する」という方法が挙げられます。

会計データには機密性の高い情報が含まれるため、暗号化通信・アクセス制限・バックアップ体制などの有無を必ず確認すべきです。とくにクラウド型の場合は、外部からの不正アクセス対策の実装状況が導入可否の分かれ目になります。

さらに、ソフトウェア提供事業者が対応している法令基準や業界ガイドラインへの準拠状況も重要です。たとえば、電子帳簿保存法・インボイス制度・消費税改正への対応が明記されているかがチェックポイントとなります。

また、内部統制や監査対応が求められる企業では、ログ管理・操作履歴の記録・権限管理機能が実装されているかも確認すべきです。これらの機能が揃っていれば、ガバナンス強化とコンプライアンス遵守を両立できる会計基盤を構築できます。

⑥：サポートの品質や導入後のフォローを確認する

会計ソフトの選び方の6つ目としては「サポートの品質や導入後のフォローを確認する」という方法が挙げられます。

導入後のトラブルや操作不明点に迅速に対応できるかは、サポート体制の充実度に大きく左右されます。特に経理担当者のITリテラシーが高くない場合、電話・チャット・メールなど複数の相談手段が用意されているかを確認すべきです。

また、運用フェーズでの活用支援も重視されており、初期設定の支援・マニュアル整備・操作研修などの提供があるかがポイントです。これらのサポートがあることで、ソフトを最大限活用し、業務効率化と属人化の排除を図ることが可能になります。

さらに、アップデート対応や制度改正時の案内など、継続的な情報提供と無償バージョンアップの有無も見逃せません。長期運用を前提とした場合、製品単体の性能だけでなく、ベンダーの支援力こそが選定基準のひとつになります。

⑦：外部システムとの連携やAPIへの対応を確認する

会計ソフトの選び方の7つ目としては「外部システムとの連携やAPIへの対応を確認する」という方法が挙げられます。

業務の分業化が進む中で、販売管理・勤怠管理・給与計算ソフトとの連携機能があるかどうかは重要な判断材料です。手入力やCSV取込に頼る運用では、転記ミスや作業時間の増加など非効率の原因になります。

とくに注目すべきは、APIを介した自動連携の有無であり、リアルタイムでのデータ連携や自動仕訳化の実現が可能になります。APIに対応していれば、独自のシステムや外部クラウドサービスと柔軟に接続でき、業務全体の統合が進みます。

さらに、BIツールや経営分析ソフトとの連携が可能な製品であれば、会計データを経営判断に活かせる情報資産化が図れます。単なる記帳ツールではなく、全社的なDX（デジタル・トランスフォーメーション）推進の中核として活用できる点が大きな強みです。

会計ソフトの導入で注意すべきポイント

会計ソフトの導入で注意すべきポイント

• 勘定科目や帳簿形式に柔軟性はあるか
• インボイス制度への対応状況はどうか
• 電子帳簿保存法への対応状況はどうか

勘定科目や帳簿形式に柔軟性はあるか

会計ソフトは自社の会計ルールに合わせた柔軟な勘定科目設定が可能かを確認することが重要です。企業によって管理したい勘定科目や補助科目の粒度は異なり、固定された帳簿形式では運用に支障が出る可能性があります。

たとえば、部門別損益管理を行いたい場合や、プロジェクト単位で原価を把握したい場合、自由に補助コードを設定できる機能が不可欠です。導入時には試算表や仕訳帳の出力形式を確認し、現状の会計運用との齟齬がないかを事前チェックすることが求められます。

インボイス制度への対応状況はどうか

消費税計算やインボイス制度対応は、会計ソフトの信頼性を左右する機能です。2023年のインボイス制度施行により、請求書の発行・受領時に適格請求書発行事業者番号の管理と税区分処理が求められるようになりました。

会計ソフトがこれに対応していない場合、帳簿保存義務の不備や税務調査リスクにつながるおそれがあります。また、消費税改正にも迅速に対応できる体制か、自動計算ロジックの正確性などを比較検討することが導入前の要点です。

電子帳簿保存法への対応状況はどうか

電子帳簿保存法に対応していないソフトでは、電子データの正規保存が認められません。2022年の法改正により、電子取引データの保存要件が厳格化され、タイムスタンプ付与・訂正履歴の保持・検索機能の確保が義務化されました。

会計ソフトがこれらの機能を備えていない場合、紙保存に逆戻りする手間や、違反によるペナルティのリスクが発生します。法対応済みの製品であっても、運用面で社内体制と合致するかどうかを確認することが極めて重要です。

会計ソフトの価格・料金・費用相場

会計ソフトの価格・料金・費用相場は、企業規模や導入形態によって大きく異なる点が最大の特徴です。BtoB企業が会計ソフトを選定する際には、導入コストだけでなく運用コストやサポート体制も重要な判断材料となります。

例えば、クラウド型会計ソフトは月額数千円から利用できるものが多く、初期費用を抑えたい中小企業やスタートアップに適しています。

価格帯が幅広い理由は、機能やサポート内容、ユーザー数、提供形態（クラウド型・インストール型）による違いがあるためです。

クラウド型では小規模事業者向けプランが月額2,980円から、中小企業向けで月額4,980円から利用できます。さらに、管理会計やBI分析などの高機能を求める場合は、月額30,000円以上のシステムも存在し、ERP統合型では月額100,000円を超えるケースもあります

導入事例としては、スタンダードなインストール型会計ソフトが年額33,000円前後から、クラウド型の高機能プランでは月額数万円規模まで、幅広い価格レンジが存在します。

また、無料トライアルや初年度割引が設定されているサービスも多く、比較検討の際には「総コストの見積もり」と「運用後のサポート体制」も必ず確認することが重要です。

【中小企業向け】会計ソフトの価格相場

中小企業向けのクラウド型会計ソフトは、月額約3,000円から30,000円の幅で提供されており、初期費用を抑えて導入しやすい点が特徴です。

この価格帯は、基本的な会計処理から部門別損益管理、予算管理、BI分析機能まで多様なニーズに対応しています。具体例として、freee会計 Plusは月額3,980円から利用可能で、部門別損益管理や勘定科目別レポートを備えています。

【中堅〜大企業向け】会計ソフトの価格相場

中堅から大企業向けの高機能会計ソフトは、月額料金が数十万円に及ぶこともあり、トータルコストの把握が不可欠です。

これらのシステムは会計だけでなく、ERPやCRMと統合されることが多く、導入設計や運用人件費も含めた総合的な費用評価が必要です。例えば、Oracle NetSuiteは月額約100,000円から、SAP S/4HANA Cloudは月額約150,000円からの料金設定となっています

会計ソフトでよくある質問 | FAQ

Q：会計ソフトと確定申告ソフトの違いは？

会計ソフトは日々の帳簿管理が中心で、確定申告ソフトは申告書の作成に特化しています。会計ソフトは仕訳入力や試算表の作成など、日常的な経理処理と財務管理を目的としたツールです。

一方、確定申告ソフトは青色・白色申告書や各種税務書類の自動作成に特化しており、年に一度の申告業務に最適化されています。自社の目的や業務内容に応じて、両者の機能の違いを理解し、適切に選定することが重要です。

比較項目	会計ソフト	確定申告ソフト
主な用途	日常的な帳簿管理や仕訳入力	確定申告書類の作成と提出支援
対象者	法人経理担当者、個人事業主	個人事業主、フリーランス、サラリーマン
機能の中心	仕訳・帳簿・決算書の作成	所得・控除・税額計算と電子申告
対応業務	経費管理、売上・仕入管理、損益集計	青色・白色申告、医療費控除、ふるさと納税等
法制度対応	インボイス、電子帳簿保存法対応など	最新の税制改正への対応重視
併用の必要性	必要に応じて申告ソフトと連携	会計ソフトと併用で入力を自動化可能

Q：税理士と会計ソフトはどっちの方がいい？

業務負担・予算・専門性のバランスで、税理士と会計ソフトを併用するのが理想的です。税理士は高度な税務対応や節税戦略に強く、専門的な知識と経験を必要とする場面で頼りになります。

一方、会計ソフトは日常的な仕訳入力やレポート出力を自動化できるため、コスト削減と作業効率化に有効です。一定規模以上の企業では、日常はソフトで管理し、決算は税理士と連携する運用が最適といえます。

比較項目	税理士	会計ソフト
主な役割	税務相談・節税提案・申告書作成の代行	帳簿作成・仕訳管理・会計処理の自動化
提供内容	専門的な判断・税務署対応・経営アドバイス	仕訳入力・試算表作成・会計レポート出力
コスト	月額数万円～数十万円（契約内容により変動）	月額数千円程度（プランにより異なる）
柔軟性・対応力	状況に応じてカスタマイズ可能	機能はソフトの仕様に依存
ミス・トラブル対応	法的リスクや申告ミスへの対応が可能	ユーザー責任、サポートは限定的
おすすめの使い分け	決算・申告など専門性が求められる業務	日常的な経理処理の効率化とコスト削減

Q：無料で使える会計ソフトはある？

一部のクラウド型やインストール型ソフトには無料プランがありますが、機能制限に注意が必要です。多くのサービスが「お試しプラン」や「機能限定版」を提供しており、起業初期や副業向けに活用されています。

ただし、仕訳件数制限・サポート無し・法改正未対応など、実務上の制約が大きい点には留意する必要があります。将来的な業務拡大や税務対応を考慮すると、無料から有料への移行計画も含めた選定が重要です。

ソフト名	形式	無料期間	主な対象	主な特徴
フリーウェイ経理Lite	インストール型	無期限	個人・法人	Windows専用、決算書・試算表など帳票出力に対応
円簿会計	クラウド型	無期限	個人・法人	全機能無料、青色申告対応、個人向け「円簿青色申告」あり
やよいの白色申告オンライン	クラウド型	無期限	個人事業主	白色申告特化、機能制限なし、サポートは有料プランのみ
ちまたの会計	クラウド型	無期限	団体・法人	団体利用実績多数、基本機能無料、データ保持制限なし
Main財務管理	インストール型	無期限	個人・法人	初心者向け、マニュアル・サポート充実、オフライン対応
freee	クラウド型	30日トライアル	個人・法人	スマホ対応、直感的操作、銀行連携、トライアル後は有料

Q：個人事業主向けでおすすめの会計ソフトは？

個人事業主には、操作が簡単で確定申告機能が充実したクラウド会計ソフトがおすすめです。freeeやマネーフォワードなどのクラウド型ソフトは、経理初心者でも扱いやすく、申告書類の自動作成にも対応しています。

特にスマホアプリ対応や銀行・クレカ連携機能は、日常の記帳作業を効率化する強力な支援機能となります。青色申告特別控除の活用など、制度面の対応状況も比較しながら、自分に合うソフトを選ぶことが重要です。

ソフト名	料金プラン	主な機能	対応デバイス	無料期間	おすすめポイント
やよいの白色申告 オンライン	無料（白色申告） 青色申告：年額11,330円～	帳簿付け、自動仕訳、申告書作成、e-Tax対応	PC/スマホ/タブレット	白色：無期限 青色：1年	白色申告なら完全無料、初心者向け、サポート体制◎
マネーフォワード クラウド確定申告	月額1,408円～ 年額11,880円～	自動仕訳、銀行・カード連携、レポート、請求書作成	PC/スマホ/タブレット	1ヶ月	自動化機能が充実、スマホアプリ対応、初心者～上級者まで
freee会計	月額1,958円～ 年額12,936円～	自動仕訳、請求書作成、経費精算、電子申告	PC/スマホ/タブレット	1ヶ月	直感的な操作、スマホから全機能利用可、インボイス・電子帳簿保存法対応
フリーウェイ経理Lite	無料	帳簿付け、決算書作成、帳票出力	Windows	無期限	完全無料、Windows専用、シンプルな操作画面

Q：法人や企業向けでおすすめの会計ソフトは？

法人向けには、部門別管理・複数ユーザー対応・他システム連携が可能な高機能ソフトが適しています。弥生会計やPCA、マネーフォワードクラウドなどは、経理部門での実務運用に耐えうる機能とサポート体制を備えています。

特に複数部署での同時利用や、人事・給与システムとの連携性は、業務効率と内部統制の両立に貢献します。自社の規模・業種・業務体制に応じた柔軟な導入と運用ができるかが、法人選定の成否を分けるポイントです。

ソフト名	特徴・強み	対応企業規模	提供形態	無料トライアル	参考価格（税込）
ジョブカン会計	クラウド会計ソフト人気No.1。予実管理、複数名同時操作、他ジョブカン製品と連携。	全規模	クラウド	1ヶ月	要問い合わせ
マネーフォワードクラウド会計	自動入力・自動仕訳、銀行・POS連携、リアルタイム経営状況把握。業務効率化が強み。	全規模	クラウド	1ヶ月	月額3,980円～5,980円
弥生会計	売上実績No.1。中小企業に強く、サポート充実。インストール型・クラウド型両方あり。	小～中規模	インストール/クラウド	体験版あり	年額26,400円～
勘定奉行クラウド	業界大手。高いセキュリティと豊富な機能。他奉行シリーズと連携。	中～大規模	クラウド	体験版あり	要問い合わせ
PCA会計	パッケージ型・クラウド型あり。大企業や会計事務所にも対応。多彩なオプション。	中～大規模	クラウド/パッケージ	体験版あり	クラウド月額14,800円～
KEEPER Club	AI-OCRによる証憑読取、財務分析、経営管理まで一元化。中小企業向け。	中小企業	クラウド	30日間	月額2,200円～
KiCHO	請求書・領収書からAI-OCRで自動仕訳。インボイス制度対応。会計知識不要。	中小企業	クラウド	30日間	月額2,200円～
法人税の達人	法人税申告に特化。各種法人形態・申告に幅広く対応。最大9,999事業所登録可。	中～大規模	インストール	体験版あり	24,700円～（エディションによる）

Q：freeeとマネーフォワードは結局どっちがいいの？

freeeは初心者向けの操作性に強みがあり、マネーフォワードは拡張性と分析力が優れています。freeeは仕訳入力を意識させない画面構成が特徴で、簿記知識が少ない個人事業主でも使いやすい設計です。

一方、マネーフォワードは補助科目や部門別管理の柔軟性が高く、法人利用や経理高度化に向いた構造となっています。どちらも試用可能なので、自社のスキルレベルと業務ニーズに応じて評価し、選定することが重要です。

項目	freee 会計	マネーフォワード クラウド会計
対象ユーザー	会計初心者、個人事業主	経理経験者、中小～中堅企業
画面設計・操作性	シンプルなUI、簿記知識不要	会計基準準拠、仕訳に強み
仕訳の自動化機能	高度なAIによる学習と提案	ルールベースの細かい制御が可能
モバイルアプリ対応	iOS/Android対応、領収書撮影に対応	iOS/Android対応、記帳機能も充実
他システムとの連携	銀行・クレカ・給与・請求書など一体化	ERP・販売・給与・請求など幅広く連携
部門別・プロジェクト管理	部門管理は上位プラン以上	柔軟な部門・補助科目の設定が可能
法人決算対応	法人向けにはやや限定的	中堅企業の法人決算にも対応
料金体系（2025年時点）	月額1,480円～（個人）	月額2,980円～（法人ライトプラン）
サポート体制	チャット・メール、上位プランで電話可	チャット・メール、電話サポートあり
電子帳簿保存法・インボイス	対応済み（プランにより異なる）	対応済み、機能・履歴保持も充実

会計ソフトの最新トレンド2025

AIによる自動化と業務効率化の加速

2025年の会計ソフトはAIによる自動化が標準化し、業務効率化と精度向上が急速に進んでいます。

AIは仕訳や経費精算、請求書処理、月次決算といった反復作業の自動化を実現し、入力ミスや作業負荷を大幅に削減します。たとえばAI-OCRと連携した領収書・請求書の自動読み取りや、AIによる自動仕訳・異常検知などが実用化され、人的エラーや監査リスクの低減が可能となっています。

クラウド連携やモバイル対応の進化

クラウド会計ソフトはリアルタイムデータ共有や多拠点対応、モバイル端末からの入力・承認が当たり前となり、場所やデバイスを問わない柔軟な業務運用が実現しています。

クラウド基盤により、経理・財務データの一元管理や、外部サービス（銀行API、経費精算、BIツールなど）との連携が容易になりました。これにより、経営状況の可視化や迅速な意思決定、リモートワーク対応が大幅に進展しています。

法令対応やコンプライアンスの強化

電子帳簿保存法やインボイス制度への自動対応、証憑管理・監査証跡の自動化が2025年の会計ソフトでは必須機能となっています。

AIが法令改正や税務要件を自動で反映し、証憑の自動分類・保存、監査・税務調査への迅速対応をサポートします。これにより、法令違反リスクの低減や、コンプライアンス体制の強化が実現し、経営者・経理担当者の負担が大幅に軽減されています。

AIチャットボットによるサポートの充実

AIチャットボットや仮想アシスタントが会計ソフトの操作方法やトラブル対応、業務フローの最適化をサポートする機能が拡充されています。

自然言語での問い合わせや、操作ガイド、業務手順の自動提案などにより、初心者から上級者まで直感的にシステムを活用できる環境が整っています。サポート体制の強化は、システム導入・運用の障壁を下げ、業務効率化と人的ミスの削減に寄与しています。

会計ソフトと関連のあるソフトウェア

青色申告ソフト：青色申告に必要な「複式簿記」での帳簿作成や損益計算書・貸借対照表などの作成を行うソフト。

給与計算ソフト：社員の給与・賞与・控除額を計算し、会計ソフトと連携して仕訳データを自動生成するソフト。

勤怠管理システム：勤務時間や残業時間を記録し、給与計算や原価計算に活用できるシステム。

経費精算システム：社員の立替経費や交通費の申請〜承認〜会計処理を自動化できるシステム。

販売管理システム：企業が商品の販売プロセスを効率的に管理するためのシステム。