良いポイント
Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のソースコードを元に作られた互換ディストリビューションです。
ライセンスの都合でインストールされるパッケージには多少の違いがありますが、RHELで動作するアプリケーションは基本問題なく動作します。
そのため私たちの場合は、サポートが必要であればRHEL、必要がなければCentOSという使い分けをしていました。
商用Linuxとしては日本で一番使われているRHEL系ということもあり、情報も潤沢でわからないことがあっても、インターネットで検索すればよほどのことがない限り解決できます。
改善してほしいポイント
残念ながらRHEL8.5を最後に開発が終了し、今後リリースされるバージョンはRHELのアップストリーム版となり、互換性が失われました。
これにより8.5以前のバージョンを物理サーバ上で動かす場合、最新のサーバでは動作しなくなる可能性があります。私たちは科学技術計算用のサーバOSとして物理サーバ上で使ってきたため、これ自体アウトですが、仮想環境で使う場合、バージョンが古くてもよければ使い続けることは可能です。
CentOSの開発終了を狙って、Alma LinuxやRocky Linuxなど後継ディストリビューションが名乗りを上げているものの、知名度などの点でCentOSの域には達していません。そういう意味でも偉大なディストリビューションだったと思います。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
私たちは科学計算用のOSとして、HPC用クラスタ(いわゆるスパコン)にCentOSを載せて使ってきました。
RHELにはHPC用の安価なパッケージも用意されているものの、サーバの数が増えると相当な負担になるため、無償で利用できるCentOSには本当に助けられました。
またOS自体も非常に安定している上、いろいろなパッケージがコマンド一つでインストールできるため、開発・運用効率の向上にも貢献してくれました。
検討者へお勧めするポイント
開発自体は終了しましたが、最新のバージョンにこだわらなければ、しばらくの間は現役で利用することができます。