良いポイント
まず、検知精度はかなり高いです。従来使っていたウイルス対策ソフトだと、怪しい添付ファイルをすり抜けられることが何度かありましたが、Apex Oneに変えてから「後追いで慌てて対応」という場面はほぼなくなりました。
管理コンソールも、バージョンアップを重ねるごとに整理されてきていて、拠点ごとの端末状況を一覧で俯瞰しやすくなりました。テレワーク端末も含めて一括でポリシーをかけられるのは助かっています。
負荷についても、昔のウイルスバスターのイメージほど重くはなく、一般的な事務用PCなら常駐させていても「遅くて仕事にならない」と言われることはほぼありません。
改善してほしいポイント
管理画面のメニュー構成は、初めて触る人にはまだ少し分かりづらいです。似たような設定が別メニューに分散しているので、「あのポリシーどこから設定するんだっけ?」と迷うことがあります。
ログやレポートの項目名も、セキュリティに詳しくない人には専門用語が多めで、情シス以外の部門に説明する時に噛み砕く作業が必要です。もう少し日本語ラベルを平易にしてもらえると、社内展開が楽になります。
それから、たまに定義ファイル更新後に特定アプリとの相性問題が出ることがあり、検証環境でのテストが必須です。このあたりはクラウド連携でロールバックしやすくなっていますが、「安定版チャンネル」的な選択肢があると安心感が増すと思います。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
一番大きいのは、ランサムウェアやマルウェア感染に対する不安がかなり減ったことです。
以前はメール添付やUSBメモリの扱いに過剰なルールを敷いていて、業務側から不満も出ていましたが、Apex One導入後は検知と隔離の仕組みを前提に、ルールを少し緩和できました。
結果として、現場の業務スピードを落とさずにセキュリティレベルを維持できています。
また、インシデントが発生した際に、「いつ・どの端末で・どんな挙動があったか」をコンソール上で追えるようになり、原因特定の時間が短縮されました。以前はログをかき集めるだけで半日つぶれていたのが、今は30分〜1時間で大枠の状況を説明できるようになっています。
総じて、ゼロから十までをこの製品だけで賄えるわけではありませんが、エンドポイント防御の“土台”としては十分頼りになっており、情シスの運用負荷軽減と、経営層への説明のしやすさという両面でメリットを感じています。
検討者へお勧めするポイント
Apex Oneを使っていて、「これは他社にも勧められるな」と感じたポイントを挙げます。
まず、エンドポイントの台数がそこそこ多い会社(数十〜数百台)には相性がいいと思います。管理コンソールから一括でポリシーを配れるので、拠点が分かれていたり、テレワーク端末が混在している環境でも、なんとか人力で回していた運用から抜け出せます。
「どのPCがいつから保護されていないか」が一覧で見えるので、監査対応や社内説明もしやすくなりました。
次に、既にトレンドマイクロ製品(ウイルスバスター コーポレートエディションなど)を使っている会社なら、乗り換えのハードルはかなり低いです。考え方や画面構成が大きく違わないので、情シス担当の学習コストはそこまで重くありません。
セキュリティにそこまで詳しくない中小企業の情シスでも、「とりあえず基本ラインは押さえたい」というニーズには十分応えてくれます。ランサムウェア対策やふるまい検知も標準で備わっているので、「アンチウイルスだけでは心もとないけど、EDRをフルで運用するほどの人手もない」という会社に向いています。