ヘルプデスクは、仕事内容がキツいと思われている人も多いでしょう。同じような問い合わせばかりでスキルアップができない、評価が正しく反映されないと悩まれているのではないでしょうか。

しかし、現代ではヘルプデスクの抱える課題を解決するツールも誕生しています。ヘルプデスクツールを確認して、自社の職場環境の改善につなげてみましょう。

ヘルプデスクが辛いといわれる課題を考察

ヘルプデスクは、顧客からの製品に関する問い合わせに対応する業務です。製品の使い方の説明やトラブル発生時の受付などを行います。また、従業員をサポートする「社内ヘルプデスク」という形態もあります。

顧客や従業員からの問い合わせ対応に専念するヘルプデスクがあることによって、期待できるのは企業全体の生産性や顧客満足度の向上です。その一方で、ヘルプデスクは辛い、ヘルプデスクでは成長を感じられないと悩みを抱えている人も多いようです。

ヘルプデスクは社内でも重要な職務の1つですが、なぜこのような評価が出るのか、ヘルプデスクが抱える課題について解説します。

課題1:問い合わせ内容の範囲が広い

ヘルプデスクでは、製品の簡単な使い方や製品の故障や不具合といったトラブルなど製品に関わるすべての問い合わせを受けなければなりません。例えば、システム障害が起こった際にも、各所からの問い合わせをエンジニアの代わりに応対することもあります。エンジニアは障害の復旧に専念して早急な回復を目指し、ヘルプデスクはエンジニアの手を止めさせないため問い合わせに対応する必要があるからです。

一方で、公式サイトのQ&Aでも解決できるような軽微な問い合わせにも同じ部署で対応しなければなりません。ヘルプデスクの辛さの1つが、問い合わせ内容の範囲の広さにあります。専門的な解説を求められたり、一般的な問い合わせに何度も答えたりと、エキスパートと単純労働の両面性を有するのもヘルプデスクの課題だと言えるでしょう。

課題2:業務が属人化しやすい

利用者からの問い合わせが業務を占めるヘルプデスクでは、実務が属人化しやすい点も課題の1つです。経験豊富な担当者が不在になれば、トラブル対応の進捗具合や社外のキーマンとのコミュニケーションなどが不透明になることもありえます。ヘルプデスク担当者の力量によっては、トラブル解決までの時間が長くかかってしまうこともあるでしょう。

利用者に好印象を与えるコミュニケーション能力と専門知識の求められるヘルプデスクでは、担当者1人ひとりのスキルに頼ることが多くなる点も課題です。

課題3:人事評価が見えにくい

大小様々な問い合わせを受け付けるヘルプデスクでは、人事評価につながる成果をあげられないことがほとんどです。そのため、どれだけ丁寧な対応を心がけても顧客と密な関係になる機会は少なく、実際の評価として反映されることはあまり多くありません。

エンジニアと同じように最新の情報を日々アップデートしていても、管理職へのアピールにつながることが少ないでしょう。管理職から人事評価が見えにくく、担当者の成果として表れにくいのもヘルプデスクの課題だと言えます。

ヘルプデスクの業務改善に役立つツール3選

ヘルプデスクにありがちな辛い課題を解決するには、ITツールの導入が考えられます。ITツールの機能によって、範囲の広い問い合わせのサポート、個人の力量に左右されない業務の統一化、顧客との会話を可視化した管理などを実現可能です。数ある製品の中でも、ITreviewで特に評価が高いツールを3つご紹介します。

・世界10万社以上が導入する「Zendesk」

引用:https://www.itreview.jp/products/zendesk/profile#scroll

「Zendesk」は、米国に本社を置くZendeskが提供するクラウド型カスタマーサービスプラットフォームです。問い合わせの状況確認、優先順位付け、解決まですべて1つのシステムで対応し、ヘルプデスクの業務を効率的にサポートします。

Webサイト・メール・電話・SNSなどあらゆるチャネルからの問い合わせを一元管理して、進捗の見える化、チーム連携の向上を実現します。月額19ドル〜から利用でき、月額49ドル〜でFAQサイトの構築やチャットボットの導入もサポート可能です。

Zendeskを導入すれば、属人化しやすいヘルプデスクの業務を一元管理して、チームとして取り組むことができるでしょう。ヘルプデスクの業務を一元管理したいならおすすめのツールです。

・利用者レビュー

もし複数名がカスタマーサポートとしてお客様の対応をする場合、ツールがメールだけだと誰が返答したのか、返信もれが無いかどうか、管理するのが非常に難しくなります。Zendeskはお客様から来た問い合わせをタグで分けられたり、誰が返答したかまでスレッドで管理できるので非常に見やすいです。Jiraなどと連携が可能なところも嬉しいです。

引用:https://www.itreview.jp/products/zendesk/reviews/8902

・月額500円でメール対応を一元管理「メールワイズ」

引用:https://www.itreview.jp/products/mailwise/profile#scroll

「メールワイズ」はサイボウズが提供するメール配信・管理ツールです。スタンダードコースであれば1人1か月500円(年額5880円)から利用できるというコストパフォーマンスが魅力です。一般のメールソフトと異なり、顧客データの表示や複数のユーザーが過去の履歴を参照することができるため、体制変更に伴う引継ぎ対策や、対応モレの予防などきめ細かいメール対応ができます。大規模なコールセンターを持つのではなく、ローンチから間もないサービスでの利用や、利用者がある程度限定されている会員制サービスなどへの導入がおすすめではないでしょうか。

・利用者レビュー

ECサイトを運営しています。共通のメールアドレスを複数人で使いまわし、お客様対応に当たっていましたが、当時は全員で全てのメールを開き、どのメールが誰宛てなのかを毎回確認するという非常に非効率な状態でした。メールワイズを導入後、特に下記の機能が良いと感じています。①自分で送ったメールに対して返信が来たら自分に返信メールが紐づく所 ②メールに対してコメントを残すことができるので備忘録としても使える ③メールに対してステータスを付与できる(対応中・入金待ち・クレーム、など) 

引用:https://www.itreview.jp/products/mailwise/reviews/139733

・コールセンターで大活躍する「MiiTel」

「MiiTel」は、株式会社RevCommが提供するクラウドIP電話です。IP電話と録音・文字起こし・音声解析が1つのツールで可能になり、特にコールセンターで高い成果が期待できます。お客様との通話内容の自動録音・文字起こしが可能であり、作業効率の向上にもつなげられるでしょう。

AIによる音声解析によって話し方の特徴を分析・可視化することにより、担当者1人ひとりのスキルを把握し、評価制度や教育力の向上につなげることもできます。ヘルプデスクの業務を可視化できるので、担当者の評価の見える化にもつながるでしょう。

初期費用0円、月額5,980円〜とリーズナブルな価格で導入できるのも魅力です。

・従来は人間が録音データを聞いて、適切なトークを行っているかモニタリングすることが必要で、大変な労力がかかっていました
・Miitelは、本来人間が行っていたモニタリングの業務を、自動的に可視化してくれるため、本来リソースを割くべきである、実際のフォロー業務や戦略立案業務にリソースを割くことができるようになる

引用:https://www.itreview.jp/products/miitel/reviews/128696

・チャットボット導入実績No.1「Chat Plus」

「Chat Plus」は、チャットプラス株式会社が提供するAIチャットボットツールです。AIによる自動会話プログラム「チャットボット」が、ヘルプデスクが担う処理を担当できるようになります。簡単な製品操作の問い合わせ、製品の不具合やトラブルの受付に自動応対可能です。初期費用0円、月額1,500円〜でお問い合わせの70%をチャットボットに任せることができます。

顧客からよくある基礎的な問い合わせを自動化できるので、より技術的な問い合わせをヘルプデスクで担当できるでしょう。

・利用者レビュー

電話やメールでの問い合わせの7割は「よくある質問」に掲載されているものでした。また、フォームからできる資料請求もメールでの請求が多かったため、チャットボットを導入することにしました。
チャットプラスは他社と比べると激安で、手軽に導入できるところが一番よいところだと思っています。

引用:https://www.itreview.jp/products/chat-plus/reviews/135893

ヘルプデスクの課題はITツールで解決しよう

ヘルプデスクの辛い課題の多くは、ITツールを用いることで解決できます。自動チャットボットや音声解析機能によって、業務改善や評価制度の見直しにもつなげられるでしょう。

将来性に悩むヘルプデスク担当者にとっては、繰り返される簡単な質問を自動化することで深い知識を身につける時間にリソースを割けるのも魅力です。辛いヘルプデスクの課題を解決したい企業は、ITツールの導入を検討してみてください。

この記事の執筆

慈雨(ジウ)

ライター

エンジニアの経験やアパレルECサイト運営の経験を活かして、ITやファッション、ECサイト関連の記事をメインで執筆しています。シュークリームとスニーカーを愛しています。

この記事の監修

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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