IT資産管理を徹底することで得られる効果には、主に以下の3つが挙げられます。 1つ目の効果は、コスト削減につながることです。IT資産管理を行えば、現在社内で使用しているデバイスやソフトウェアの稼働状況や、ライセンスの有効期限などが把握できます。これにより、不要なデバイスの新規購入を抑制や、使用していないライセンスを更新しないといった判断ができ、結果としてコスト削減につながります。 2つ目が、コンプライアンス違反対策と内部統制の強化です。 各ソフトウェアにはライセンスが設けられています。買い切り型のソフトウェアでない場合、多くはIDやアカウントなどのライセンスを発行し、それを従業員に割り当てて使用しています。しかし、ソフトウェアによっては、購入したライセンス数よりも多くの数のインストールが可能な場合があり、それを意図せずに行ったとしても利用違反になります。 ソフトウェアは著作権法で保護されているので、最悪の場合は賠償請求や訴訟に発展したり、企業としての信用を失ったりしかねません。 意図せぬコンプライアンス違反を避けることが、IT資産管理を整備する目的の1つです。 また、IT資産を管理していることを社内で周知させることで、従業員が不用意にソフトウェアの使用や更新をしてしまうことも抑制できます。 3つ目が企業のセキュリティの強化です。社内で使用しているOSやアプリケーション、ブラウザのバージョンが古い場合や、既に提供源からのサポートが終了している場合は、セキュリティとして問題が生じやすい状態になっています。 そのような状態だと機密情報の盗み見や漏洩を行うマルウェアの攻撃を受けてしまいやすく、大きな被害につながる恐れがあります。IT資産管理を行うことで、アップデートしていないPCやソフトウェアはないか、といった情報がすぐに把握でき、迅速な対応が可能になります。 また、社内PCと私有のUSBメモリを接続したことがきっかけで個人情報や機密情報の漏洩につながってしまう事態を避けるために、「不正なデバイスと接続した場合はそれがすぐに通知される」「不正なデバイスとは接続ができない」といった予防策をとるのも、IT資産管理の一環です。

IT資産管理に関する1分解説シリーズはこちら

1:IT資産管理とは?

2:IT資産管理を整備する意味や効果

3:IT資産管理ツールとは?

4:IT資産管理ツールの基本的な機能

5:IT資産管理ツールを導入をリードすべき部門や部署

6:IT資産管理ツールを導入前に整理すべきポイント

7:IT資産管理ツールを導入までのスケジュールイメージ

8:IT資産管理ツールの導入で失敗しがちな事例

9:IT資産管理ツールの初期費用と運用費用

10:IT資産管理ツールを選ぶポイント

11:IT資産管理ツールが管理する対象

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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