良いポイント
2008年当時は高速開発ツールと呼ばれ、今で言うノーコード開発ツールでした。
この手のミドルウェア製品は、良さを利用者に伝えるためにハンズオンデモを活発に行っていました。
デモでの手応えが良く、当時のプロジェクトの想定環境で試験を実施した結果、Oracleデータロード処理がどの製品よりも早かったため採用しました。
当時のバージョンは2.4だったのですが、同種製品の中でも抜群の操作性とGUIを実装していました。
開発マニュアルも充実しており、完全日本語なので助かりました。
接続先及び接続元のアダプタも豊富に揃っており、メールアダプタから添付を取り出してExcelアダプタでのマッピングやCSVアダプタ、HULFTアダプタ、DBアダプタからのSQL、ストアドプロシージャ等で返す配列や仮想表からのマッピング処理も組めます。さらにマッピング内部のロジック処理も多機能で条件分岐、ループ処理、バルク処理は本当に重宝します。
ASTERIA社製の同種製品の採用で悩みましたが、ベンダーのサポート体制が良いのも決めてになりました。
アプレッソ社からセゾン情報システムズに買収された事でHULFTが標準なのも良いです。
改善してほしいポイント
クラウド連携はREST APIによる連携手法が今後ますます重要になってくると思います。
この製品もREST自体には昔から対応しているのですが、データ交換ファイルであるJSONの取り回しをCSVアダプタ同様に専用アダプタ化してほしいです。
また、複数のサーバにエージェントを入れて統合管理するジョブスケジューリング製品には敵わないと思いますが、ジョブトリガー管理を日時を横軸にしたカレンダビューや現在のジョブ進捗状況を視覚的に監視できる画面を搭載して欲しいです。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
これにより、異なるベンダーのパッケージ間の連携にかかる導入費及び保守費を抑える事ができました。
変更や追加の多いI/F連携周りをパッケージ側に依頼してスクラッチ対応が少なくなりました。
スクラッチ対応のコスト削減だけでなく、不具合対応や開発速度を飛躍的に向上する事ができました。
導入当初のv2.4ではできなかったマッピングロジック内のデバックもできるようになっており、不具合検証も楽になりました。
この製品はクライアント型RPAでは痒いところに手が届かない部分を補うバックグランド型RPAと言えます。
今後、RESTに対応するAI-OCRのようなクラウド製品やIoTデータのDB加工の用件が増えてくると推測されます。
それらの課題解決にも貢献できると考えています。
また、データドリブン経営を目指すためには、社内のデータ構造はベンダーではなく、社内スタッフが理解すべきです。
それを目指すためにも欠かせないツールと言えます。
検討者へお勧めするポイント
複数システム間でデータ統合や連携は異なるシステムであるため、開発依頼先の選定が難しい事が多く、費用も多くかかる事案が多いです。
このようなケースにおいて自社開発は最良の判断であり、少ない技術スタッフで継続的開発をするには、ローコード開発環境が絶対に必須と思います。
さらに、このツールのみで簡易的なデータ検索の社内BIサービス(サーバ)を立てることも可能なのもお勧めできる点です。
因みにこの製品はノープログラミングではありません。ノーコードまたはローコードであるため、最低限のプログラミング知識は必要である事を理解して導入した方が良いです。
条件分岐等フローチャート、論理演算、欲を言えばSQLが使える程度のスキルで十分活用できると思います。