企業は顧客情報や人事情報、売上推移をはじめとして、膨大な情報を蓄積しています。従来はそれぞれのカテゴリごとのデータを抽出して、分析を行うことで経営に役立てていました。 しかし近年では蓄積している膨大な情報を、カテゴリやプロジェクト単体ではなく網羅的に活用して戦略に役立てようとする傾向が強まっています。 膨大なデータをすべて活用することは、数字だけの羅列では困難です。そこでデータを一目見ただけで内容が分かるようにグラフや図表を用いて表現する「データの可視化」が行われるようになりました。データ可視化とは、企業が持つすべての情報を活用するために戦略的に行われる手法だといえます。 データの可視化によって、データが一目で分かるようになると、大きく3つのメリットがあります。 1つ目は課題の把握の迅速化です。データはこれからの経営戦略のためだけのものではなく、現状抱えている課題を浮き彫りにすることにも役立ちます。データ可視化を行うことで、急な売上の落ち込みや退職者希望者の増加といった問題に気づきやすくなります。対策は課題が明確になるからこそ立てられます。 2つ目は共通認識がブレづらくなることです。データが可視化され、誰の目にも分かりやすくなると内容への理解度の均一化が図れます。認識のズレがなくなることで、予期せぬミスの発生の予防や作業の効率化につながります。 3つ目は既存のデータを活用し、BIツールなどを利用することで予測ができることです。蓄積したデータを可視化することで、今後の予測が立てやすくなります。例えば毎年一定期間売上が突発的に増えることが分かれば、先手を打って在庫を確保しておくといったことが可能になります。

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1:ビジネスにおけるデータの可視化とは?

2:ビジネスにおいてデータを活用する目的や意味

3:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとは?

4:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールによってどんな業務が効率化される?

5:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの基本的な機能

6:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを導入する前に整理しておくべきポイント

7:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入で失敗しがちな事例

8:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの初期費用と運用費用

9:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを選ぶポイント

10:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールとデータウェアハウス(DWH)の違いは?

11:ビジネスインテリジェンス(BI)ツールのダッシュボードとは?

この記事の執筆

ITreview Labo編集部

ITreviewの記事編集チーム。ITreviewの運用経験を活かし、SaaSやIT製品に関するコンテンツをお届けします。

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