【2023年】労務管理のおすすめ10製品(全24製品)を徹底比較!満足度や機能での絞り込みも
労務管理とは
労務管理とは、賃金や労働時間、労働条件、福利厚生などの労働環境について、労働基準法などの法令に従って管理すること。従業員の入社や退社に伴う各種手続きや行政への届け出、昇給や異動といった履歴管理である人事管理と一体で取り組まれる業務だ。これらの業務を効率化するツールが労務管理システムであり、従業員の適切な管理や法令順守、人材の有効活用の実現などにつなげることができる。
労務関連の書類の自動作成や管理に加えて、勤怠管理や給与計算などの経理機能を備えた製品も多い。
労務管理の目的
前項で挙げた通り、労務管理とは、賃金や労働時間、労働条件、福利厚生などの労働環境について、労働基準法などの法令に従って管理することである
よって、労務管理が怠っている場合、本来あるべき労働環境に導くことは難しい。
つまり、労務管理の目的とは「従業員1人1人が安心できる労働環境を作ることである」と言えるだろう。
労務管理と勤怠管理との違い
よく比較されるものとして、勤怠管理が挙げられる。
この2つの違いは以下となる。
・労務管理ー従業員の働く環境を整えるもの
・勤怠管理ー労務管理の一部で、勤怠や就業など勤務時間を管理するもの
そのため、勤怠管理は労務管理に包含されており、
労務管理は1つ上のレイヤーを指しているものと捉えていただければと思う。
労務管理の業務内容
では実際に労務管理の業務内容はどういったものになるのか。
大きく分けると以下の4つとなる。
・労働期間
・労働時間
・労働の対価
・業務内容
つまり労働の規則に関わる全般を業務として遂行すると
イメージだ。
特に挙げられる重要な業務項目
▼労働契約の締結
新規契約や契約更新の際に必要となるのが、労働契約の締結である。
労働契約の締結や条件の通知が必要となるため、
労働契約を結ぶ前に、労働条件の説明が必要となる。
合わせて、「労働条件通知書」の交付が義務付けられている。
▼就業規則の整備
就業規則や社内規定の作成または変更も労務管理に含まれます。
従業員が安心して働けるよう規則を常にアップデートしていくことが
重要です。常時10名以上の従業員が就業規則を使用する場合は
就業規則の作成と、所轄の労働基準監督署長への届出義務が発生する。
同様に変更の場合も届出が必要になるので注意が必要だ。
▼社会保険、雇用保険の手続き
新入社員の社会保険・雇用保険の手続きもある(主に4月業務)
上記にあたって、以下の機関で手続きが必要だ。
社会保険ー所轄の年金事務所および、企業が加入している健康保険組合
雇用保険ー所轄のハローワーク
▼勤怠管理
従業員の勤怠を管理する、勤怠管理も代表的な業務の1つだ。
主に以下を管理することが重要となる
・始業。終業時刻
・時間外労働時間数(残業管理)
・休日労働時間数
・年次有給休暇の付与、使用数
・遅刻、早退、欠勤
▼法廷三帳簿の整理
企業が作成・保存が義務付けられている「労働者名簿」、「賃金台帳」、「出勤簿」の三つの帳簿を指す。
こちらの作成は労務管理の範囲内で行う。
労務管理のスキル・能力
実際に労務管理で必要となるスキルや能力について解説していく。
昨今では管理ツールなどが出ているため、そこまで専門的な知識がなくとも
業務を遂行できるようになった。
そのため、それ以外のスキルが重要視される。
主に以下が代表的な例だ。
・経営者に近い視座、俯瞰力
・課題を分析して、課題解決を図る問題解決力
・従業員のモチベーションアップを図るためのコーチング力
労務管理システムの導入効果
業務効率化による負担とコスト削減
労務管理に関わる業務は多岐にわたり煩雑で、作業にかかる手間や時間的な負担が大きい。例えば、雇用した従業員への労働条件通知書(雇用契約書)の交付や名簿の作成、昇給や人事異動といった労働条件変更の履歴管理、さらに社会保険(健康保険/厚生年金)や労働保険(雇用保険/労災保険)の手続き書類作成、行政への届け出など、業務内容は広範囲に及ぶ。労務管理システムでは、こうした作業をPC上で完結できるので、時間や人的コストを大幅に軽減することが可能となる。
コンプライアンス対策やリスク回避
労務管理の多くの業務では、労働基準法をはじめ、最低賃金法や労働安全衛生法、労働組合法などさまざまな法令が関わっており、企業側はこれらの関連法規を守らなければならない。労働や雇用に関わる法令規制が厳しくなる状況下、これまで以上に法令順守が求められている。故意でなくとも規則に違反した場合には、罰則や行政監督の対象となる。労務管理システムを導入し、そのワークフローに従って業務を行うことにより、こうしたリスクを回避できる。
法令改正への対応負担の軽減
労務管理に関連する法令は数が多いだけに、その対応には手間がかかるとともに、ある程度の専門知識が必要とされる。その点、製品やサービスを提供するベンダーが改正への対応を行う労務管理システムでは、導入企業は機能更新などでシステムを最新の状態に保つことができる。また、労務管理システムのワークフローに従うことで、専門知識がなくても業務を行うことができる。
適切な労務管理による人材確保と生産性アップ
労務管理システムにより、業務が効率化されるだけでなく労働環境も適切で快適なものとなる。従業員にとって働きやすい企業となれば、優れた人材の流出を防ぎ、優秀な人材も確保できることから、生産性の向上などにもつながる。
労務管理システムの対象ユーザー
導入検討、利用ユーザー
・労働法を順守した人事管理に取り組むとともに、労働の生産性を向上させたい人事部門や総務部門
・給与・賞与の計算、労務管理や人事管理を連携させたい経理部門
労務管理システムの機能一覧
人事情報管理
機能 |
解説 |
---|---|
入退社手続き | 従業員名簿の作成や各種手続きに必要な情報収集を効率化。社会保険や雇用保険の被保険者資格取得届や喪失届などの書類を作成する |
従業員名簿/履歴管理 | 個人情報(入社年月/職歴/職位など)やスキル情報(研修受講歴/保有資格など)、勤務状況(勤怠/休業歴など)などの情報を集約して一元管理する |
労務管理
機能 |
解説 |
---|---|
社会保険の書類作成 | 健康保険と厚生年金保険の加入手続きや変更のための書類作成と管理を行う |
労働保険の書類作成 | 労災保険や雇用保険の加入手続きや変更のための書類作成と管理を行う |
Web申請 | 年金事務所などへの社会保険関係の届け出をオンライン申請により行える |
帳簿の自動作成 | 労働者名簿/賃金台帳/出勤簿(法定三帳簿)など、事務所に備えておくことが義務付けられている帳簿などを作成する |
算定基礎届の作成 | 社会保険と雇用保険の定時改定で必要な作成基礎届を作成する |
労働保険の年度更新 | 賃金台帳などのデータから、申告書(算定基礎賃金集計表)を自動作成する |
勤怠管理機能 | 従業員の出社と退社時間をタイムレコーダー(打刻)機能によりデータ化する。時間外労働、深夜・休日出勤や有給休暇などの管理を行う |
マイナンバー管理 | 従業員と扶養家族のマイナンバー収集と管理を安全に行う |
海外の人材管理 | 海外に駐在中の社員向けの人事・労務管理機能を提供する |
給与計算
機能 |
解説 |
---|---|
各種保険料の計算 | 報酬や給料の金額により変わる健康保険料と厚生年金保険料を自動計算。雇用保険料なども自動で計算する |
所得税/住民税の計算 | 支給額に基づく所得税を自動で計算し、住民税では金額の登録により自動控除する |
給与計算機能 | 勤怠管理データや従業員名簿などから、基本給、控除する保険料や税金などを加味し、月例給与を自動計算する。振込データを自動作成する製品もある |
給与明細の電子化 | 作成した給与明細をデータのまま従業員に配布する。配布ミスを防ぎ、印刷や封入コストなどを削減できる。印刷も可能 |
労務管理システムの選定ポイント
ツールごとの違い
労務管理システムには、以下のような特徴がある。
・もともと労務管理は、その上位概念である人事システムに含まれていた機能を切り出して使いやすさと業務効率化を向上させたもの。このため、どの製品やサービスも社会保険や労働保険などの手続き自動化や年金事務所などへのオンライン申請といった労務関係の基本機能はほぼ同じである。
・製品やサービスはさまざまだが、人事情報管理や社会保険の手続きなど従業員の労務管理機能を中核に、勤怠管理や給与計算、採用管理といった付加機能をどこまで盛り込んでいるかで違いが見られる。
導入形態
ネットワーク経由でサービスを利用する「クラウド型」、クライアントPCにソフトをインストールする「パッケージソフト型」、ソフトからハードウェアまでシステムを一括して自社で所有する「オンプレミス型」がある。
特に、クラウド型は関連法規への対応の速さといったメリットがある。
価格形態・契約形態
「クラウド型」「パッケージソフト型」「オンプレミス型」の導入形態ごとに、価格や契約内容には下記のような違いがある。
・クラウド型は、ほとんどのサービスで初期費用は不要。ランニングコストは無料/有料があるが、完全無料版はデータ保証やサポートは期待できないため、法人用途では有料版がお勧めだ。有料版でも従業員数人程度までは無料(機能などは制限される)で使うことができ、一定人数を超えると有料に移行するサービスもラインアップされている。ランニングコストは月額/年額単位が一般的で、固定制料金プランや使用人数に応じた従量制課金などの価格形態がある。
・パッケージソフト型は、製品の購入費用が導入コストとして必要となるが、月額使用料などはかからないタイプが一般的だ。
・オンプレミス型は、カスタマイズの程度やサーバなどのハードウェア導入の有無などにより、導入コストが左右される。
導入前に自社で準備すべきこと
勤怠管理や給与計算などが機能として搭載された製品やサービスが多く、すでに勤怠管理システムや給与計算ソフトなどを導入している企業では機能の重複が起きる可能性がある。既存システムを活用して連携させるのか、システム環境を置き換えるのかといった検討が必要なケースも生じる。
労務管理システムのシステム要件・他製品との連携方法
一般的な導入方法・導入環境
従業員名簿や労務情報などのデータ入力作業が必要なため、企業規模が大きくなるほど実稼働まで時間がかかることがある。表計算ソフトなどで、すでにデータ化されていればCSVファイルとしてインポートできるケースもある。オンプレミス型はカスタマイズの程度により導入までの時間が左右されるが、クラウド型などに比べて稼働までにはかなりの時間がかかる。
他製品との連携方法
労務管理システムは、社会保険や労働保険などの手続きをベースに、勤怠管理や給与計算などの機能が含まれているなど、人的管理については、ほぼ網羅されているものが多い。会計ソフトやすでに導入済の勤怠管理や給与計算のシステムと連携させる場合、CSVファイルで連携する方法がある。また、人事評価機能や人材戦略を策定するための分析機能などを活用したい場合は、労務管理機能も包含した「人事システム」の導入を検討すべきだろう。また、スタンドアロンの人的評価システムなどもあるので、それとの連携を検討することも1つの方法だ。
労務管理の基礎知識
労務管理とは、賃金や労働時間、労働条件、福利厚生などの労働環境について、労働基準法などの法令に従って管理すること。従業員の入社や退社に伴う各種手続きや行政への届け出、昇給や異動といった履歴管理である人事管理と一体で取り組まれる業務だ。これらの業務を効率化するツールが労務管理システムであり、従業員の適切な管理や法令順守、人材の有効活用の実現などにつなげることができる。
労務関連の書類の自動作成や管理に加えて、勤怠管理や給与計算などの経理機能を備えた製品も多い。
労務管理の目的
前項で挙げた通り、労務管理とは、賃金や労働時間、労働条件、福利厚生などの労働環境について、労働基準法などの法令に従って管理することである
よって、労務管理が怠っている場合、本来あるべき労働環境に導くことは難しい。
つまり、労務管理の目的とは「従業員1人1人が安心できる労働環境を作ることである」と言えるだろう。
労務管理と勤怠管理との違い
よく比較されるものとして、勤怠管理が挙げられる。
この2つの違いは以下となる。
・労務管理ー従業員の働く環境を整えるもの
・勤怠管理ー労務管理の一部で、勤怠や就業など勤務時間を管理するもの
そのため、勤怠管理は労務管理に包含されており、
労務管理は1つ上のレイヤーを指しているものと捉えていただければと思う。
労務管理の業務内容
では実際に労務管理の業務内容はどういったものになるのか。
大きく分けると以下の4つとなる。
・労働期間
・労働時間
・労働の対価
・業務内容
つまり労働の規則に関わる全般を業務として遂行すると
イメージだ。
特に挙げられる重要な業務項目
▼労働契約の締結
新規契約や契約更新の際に必要となるのが、労働契約の締結である。
労働契約の締結や条件の通知が必要となるため、
労働契約を結ぶ前に、労働条件の説明が必要となる。
合わせて、「労働条件通知書」の交付が義務付けられている。
▼就業規則の整備
就業規則や社内規定の作成または変更も労務管理に含まれます。
従業員が安心して働けるよう規則を常にアップデートしていくことが
重要です。常時10名以上の従業員が就業規則を使用する場合は
就業規則の作成と、所轄の労働基準監督署長への届出義務が発生する。
同様に変更の場合も届出が必要になるので注意が必要だ。
▼社会保険、雇用保険の手続き
新入社員の社会保険・雇用保険の手続きもある(主に4月業務)
上記にあたって、以下の機関で手続きが必要だ。
社会保険ー所轄の年金事務所および、企業が加入している健康保険組合
雇用保険ー所轄のハローワーク
▼勤怠管理
従業員の勤怠を管理する、勤怠管理も代表的な業務の1つだ。
主に以下を管理することが重要となる
・始業。終業時刻
・時間外労働時間数(残業管理)
・休日労働時間数
・年次有給休暇の付与、使用数
・遅刻、早退、欠勤
▼法廷三帳簿の整理
企業が作成・保存が義務付けられている「労働者名簿」、「賃金台帳」、「出勤簿」の三つの帳簿を指す。
こちらの作成は労務管理の範囲内で行う。
労務管理のスキル・能力
実際に労務管理で必要となるスキルや能力について解説していく。
昨今では管理ツールなどが出ているため、そこまで専門的な知識がなくとも
業務を遂行できるようになった。
そのため、それ以外のスキルが重要視される。
主に以下が代表的な例だ。
・経営者に近い視座、俯瞰力
・課題を分析して、課題解決を図る問題解決力
・従業員のモチベーションアップを図るためのコーチング力
労務管理システムの導入効果
業務効率化による負担とコスト削減
労務管理に関わる業務は多岐にわたり煩雑で、作業にかかる手間や時間的な負担が大きい。例えば、雇用した従業員への労働条件通知書(雇用契約書)の交付や名簿の作成、昇給や人事異動といった労働条件変更の履歴管理、さらに社会保険(健康保険/厚生年金)や労働保険(雇用保険/労災保険)の手続き書類作成、行政への届け出など、業務内容は広範囲に及ぶ。労務管理システムでは、こうした作業をPC上で完結できるので、時間や人的コストを大幅に軽減することが可能となる。
コンプライアンス対策やリスク回避
労務管理の多くの業務では、労働基準法をはじめ、最低賃金法や労働安全衛生法、労働組合法などさまざまな法令が関わっており、企業側はこれらの関連法規を守らなければならない。労働や雇用に関わる法令規制が厳しくなる状況下、これまで以上に法令順守が求められている。故意でなくとも規則に違反した場合には、罰則や行政監督の対象となる。労務管理システムを導入し、そのワークフローに従って業務を行うことにより、こうしたリスクを回避できる。
法令改正への対応負担の軽減
労務管理に関連する法令は数が多いだけに、その対応には手間がかかるとともに、ある程度の専門知識が必要とされる。その点、製品やサービスを提供するベンダーが改正への対応を行う労務管理システムでは、導入企業は機能更新などでシステムを最新の状態に保つことができる。また、労務管理システムのワークフローに従うことで、専門知識がなくても業務を行うことができる。
適切な労務管理による人材確保と生産性アップ
労務管理システムにより、業務が効率化されるだけでなく労働環境も適切で快適なものとなる。従業員にとって働きやすい企業となれば、優れた人材の流出を防ぎ、優秀な人材も確保できることから、生産性の向上などにもつながる。
労務管理システムの対象ユーザー
導入検討、利用ユーザー
・労働法を順守した人事管理に取り組むとともに、労働の生産性を向上させたい人事部門や総務部門
・給与・賞与の計算、労務管理や人事管理を連携させたい経理部門
労務管理システムの機能一覧
人事情報管理
機能 |
解説 |
---|---|
入退社手続き | 従業員名簿の作成や各種手続きに必要な情報収集を効率化。社会保険や雇用保険の被保険者資格取得届や喪失届などの書類を作成する |
従業員名簿/履歴管理 | 個人情報(入社年月/職歴/職位など)やスキル情報(研修受講歴/保有資格など)、勤務状況(勤怠/休業歴など)などの情報を集約して一元管理する |
労務管理
機能 |
解説 |
---|---|
社会保険の書類作成 | 健康保険と厚生年金保険の加入手続きや変更のための書類作成と管理を行う |
労働保険の書類作成 | 労災保険や雇用保険の加入手続きや変更のための書類作成と管理を行う |
Web申請 | 年金事務所などへの社会保険関係の届け出をオンライン申請により行える |
帳簿の自動作成 | 労働者名簿/賃金台帳/出勤簿(法定三帳簿)など、事務所に備えておくことが義務付けられている帳簿などを作成する |
算定基礎届の作成 | 社会保険と雇用保険の定時改定で必要な作成基礎届を作成する |
労働保険の年度更新 | 賃金台帳などのデータから、申告書(算定基礎賃金集計表)を自動作成する |
勤怠管理機能 | 従業員の出社と退社時間をタイムレコーダー(打刻)機能によりデータ化する。時間外労働、深夜・休日出勤や有給休暇などの管理を行う |
マイナンバー管理 | 従業員と扶養家族のマイナンバー収集と管理を安全に行う |
海外の人材管理 | 海外に駐在中の社員向けの人事・労務管理機能を提供する |
給与計算
機能 |
解説 |
---|---|
各種保険料の計算 | 報酬や給料の金額により変わる健康保険料と厚生年金保険料を自動計算。雇用保険料なども自動で計算する |
所得税/住民税の計算 | 支給額に基づく所得税を自動で計算し、住民税では金額の登録により自動控除する |
給与計算機能 | 勤怠管理データや従業員名簿などから、基本給、控除する保険料や税金などを加味し、月例給与を自動計算する。振込データを自動作成する製品もある |
給与明細の電子化 | 作成した給与明細をデータのまま従業員に配布する。配布ミスを防ぎ、印刷や封入コストなどを削減できる。印刷も可能 |
労務管理システムの選定ポイント
ツールごとの違い
労務管理システムには、以下のような特徴がある。
・もともと労務管理は、その上位概念である人事システムに含まれていた機能を切り出して使いやすさと業務効率化を向上させたもの。このため、どの製品やサービスも社会保険や労働保険などの手続き自動化や年金事務所などへのオンライン申請といった労務関係の基本機能はほぼ同じである。
・製品やサービスはさまざまだが、人事情報管理や社会保険の手続きなど従業員の労務管理機能を中核に、勤怠管理や給与計算、採用管理といった付加機能をどこまで盛り込んでいるかで違いが見られる。
導入形態
ネットワーク経由でサービスを利用する「クラウド型」、クライアントPCにソフトをインストールする「パッケージソフト型」、ソフトからハードウェアまでシステムを一括して自社で所有する「オンプレミス型」がある。
特に、クラウド型は関連法規への対応の速さといったメリットがある。
価格形態・契約形態
「クラウド型」「パッケージソフト型」「オンプレミス型」の導入形態ごとに、価格や契約内容には下記のような違いがある。
・クラウド型は、ほとんどのサービスで初期費用は不要。ランニングコストは無料/有料があるが、完全無料版はデータ保証やサポートは期待できないため、法人用途では有料版がお勧めだ。有料版でも従業員数人程度までは無料(機能などは制限される)で使うことができ、一定人数を超えると有料に移行するサービスもラインアップされている。ランニングコストは月額/年額単位が一般的で、固定制料金プランや使用人数に応じた従量制課金などの価格形態がある。
・パッケージソフト型は、製品の購入費用が導入コストとして必要となるが、月額使用料などはかからないタイプが一般的だ。
・オンプレミス型は、カスタマイズの程度やサーバなどのハードウェア導入の有無などにより、導入コストが左右される。
導入前に自社で準備すべきこと
勤怠管理や給与計算などが機能として搭載された製品やサービスが多く、すでに勤怠管理システムや給与計算ソフトなどを導入している企業では機能の重複が起きる可能性がある。既存システムを活用して連携させるのか、システム環境を置き換えるのかといった検討が必要なケースも生じる。
労務管理システムのシステム要件・他製品との連携方法
一般的な導入方法・導入環境
従業員名簿や労務情報などのデータ入力作業が必要なため、企業規模が大きくなるほど実稼働まで時間がかかることがある。表計算ソフトなどで、すでにデータ化されていればCSVファイルとしてインポートできるケースもある。オンプレミス型はカスタマイズの程度により導入までの時間が左右されるが、クラウド型などに比べて稼働までにはかなりの時間がかかる。
他製品との連携方法
労務管理システムは、社会保険や労働保険などの手続きをベースに、勤怠管理や給与計算などの機能が含まれているなど、人的管理については、ほぼ網羅されているものが多い。会計ソフトやすでに導入済の勤怠管理や給与計算のシステムと連携させる場合、CSVファイルで連携する方法がある。また、人事評価機能や人材戦略を策定するための分析機能などを活用したい場合は、労務管理機能も包含した「人事システム」の導入を検討すべきだろう。また、スタンドアロンの人的評価システムなどもあるので、それとの連携を検討することも1つの方法だ。